個人年金保険の受け取り方のコツとは?
老後資金の準備のために、民間の個人年金保険に加入していたり、これから加入を考えている人も多いと思います。そこで今回は、個人年金保険の満期保険金をどうしたら、お得に受け取れるかについて解説します。
個人年金保険をお得に受け取りたい!
個人年金保険の満期保険金の受け取り方とは
民間の個人年金保険に加入すると、満期を迎えた時に、満期保険金をどのように受け取るのかを選択することになります。受け取り方法とは……
・一時金として一括で受け取る
・10年間などの一定期間に年金形式で分割して受け取る
どちらかを選択することになります。
個人年金保険の満期保険金は分割で受け取った方がお得?
個人年金保険の満期保険金については、年金形式で分割して受け取る方が多く受け取ることができます。なぜなら、まだ受け取っていない残りの金額を保険会社が運用しているからです。さらに、満期保険金を受け取ると、受け取った年金額から支払った保険料を引いた後の金額(利益の部分)に課税がされます。年金保険は、支払った保険料を保険会社が運用することで、満期時には原則として増えた金額を受け取れる商品ですので、基本的に課税はされるものと思ってください。
保険金の受け取り方法によって課税される方法が違います。
保険料を支払った本人が、年金を一括で受け取る→一時所得
保険料を支払った本人が、年金を分割で受け取る→雑所得
一括で受け取った場合は、一時所得となり、50万円の特別控除があります。つまり受け取る年金から支払った保険料を引いて、50万円より少ない場合は、税金はかからないということです。
分割で受け取った場合の雑所得は、他の所得と合算され課税金額によって税率が異なります。つまり、所得が少ない人は、税金が少なくてすみますし、他の所得が大きい人は、税金が多くなるということです。
結論として商品により違いはありますが、満期保険金は分割で受け取った方が、受け取り金額が多くなる上、公的年金収入が少ない人は、分割で雑所得として課税されても税金は高くならないでしょう。公的年金額が少ない人は満期保険金を分割で受け取ることを検討してみてはどうでしょうか。
個人年金保険にかかる税金の注意点としては、保険料を負担した人と、満期保険金を受け取った人が異なると、贈与税の対象になることです。贈与税には、年間110万円の基礎控除がありますが、110万円を超えて課税されてしまうと税率が高くなりがちです。保険料を負担する人と満期保険金を受け取る人は、できるだけ同じであることが望ましいです。
「一括」「分割」受け取りの家計における注意点!
満期保険金を一括で受け取る場合、家計管理上、注意しておきたいことがあります。それは大きな金額を一括で受け取ると気持ちが大きくなり、ブランド品を買ったり、高級店などでの外食といった贅沢をしてしまいがちなこと。大切な老後資金であるはずだったのに、気づいた時には少なくなり、老後破たんへ近づいてしまうことがあるのです。一括で受け取ったお金をどのように管理するか、あらかじめ考えておきましょう。満期保険金を分割して受け取る方法を選択した場合の注意点は、年金の受け取り期間中に、亡くなってしまった場合は、自分で受け取ることができません。保険の契約内容によって違いますが、年金を遺族が受け取ることになることが多いと思います。きちんと契約内容を確認しておきましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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