多くの人にとって“ガラケー”とは、いわゆる折り畳み型でボタンを押して電話をするタイプの、スマートフォンではない従来型の携帯電話という認識かと思います。そのため、そうした端末を使っている人がこうしたチラシを見ると「自分の携帯電話が使えなくなるのでは……」と不安を抱いてしまうかもしれません。 ですがこの説明は非常に多くの誤解を招くものであり、実際に多くの人が勘違いをしているようにも感じています。そこで改めて、「ガラケーが終了する」とはどういうことなのか、従来型の携帯電話を持っている人はどうすべきなのかを説明したいと思います。
真実は「3Gサービスが終了」
まず「ガラケーが終了する」といわれているのは一体何かといいますと、その真実は「携帯各社の3Gのサービスが終了する」ということなのです。3Gの「G」は携帯電話で通信する仕組みの世代を指しており、3Gはその第3世代であることを示しています。かつて3Gは携帯電話のネットワークの中心的存在でしたが、現在は3Gより新しい世代の「4G」に主流が移っていますし、最近ではより新しい「5G」の整備が進められている状況です。 それゆえ3Gは既に古い世代であり、4Gや5Gと比べ性能が低いことから、携帯電話会社は古くなった3Gのサービスを終了させ、3Gに使われていた電波を4Gや5Gに活用することでネットワーク性能を上げようとしているのです。それによって最近注目されている「メタバース」など、より高い性能が求められるサービスに対応するのが3Gを終了させる理由なのです。
3G終了の影響はスマホにも
一方で3Gが終了してしまうと、3Gにしか対応していない携帯電話は通話や通信が利用できなくなってしまうことから、携帯各社は今もなお3G対応の端末やサービスを使い続けている人達に対し、4Gや5Gに移行してもらう取り組みに力を入れています。ですが3Gという言葉の意味を詳しく知る消費者が多いとはいえないこと、そして3Gが全盛だった時代はスマートフォンよりも従来型の携帯電話が多く使われていたことから、ショップなどで「3Gのサービスが終了する」ことをより分かりやすく伝えるべく「ガラケーが終了する」と表現してしまったと考えられます。
ですがそのことが、非常に多くの誤解を生んでいる印象は否めません。実は従来型の携帯電話だけでなく、スマートフォンの中にも3Gにしか対応していないものは多く存在しており、3Gが終了してしまえばそれらも使えなくなってしまうのです。
日本で販売されたiPhoneの場合、「iPhone 4S」やそれ以前の機種は3Gにしか対応していません。それゆえスマートフォンであっても3Gのサービスが終了すれば音声通話は利用できなくなりますし、データ通信もWi-Fi経由でしか利用できなくなってしまいます。 また古いスマートフォンの中には4Gをデータ通信のみに用い、音声通話は3Gでこなす仕組みを採用したものも存在します。そうした機種も3Gのサービスが終了してしまえば、通話が使えなくなるなどの制約が出てきてしまいます。4Gで通話をする「VoLTE」という仕組みに対応していないスマートフォンの利用者も、3Gの終了には注意する必要があるでしょう。
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