専業主婦“熱望”の義妹が「すごいことに……」
「夫の弟が1年ほど前、結婚したんです。私たちは結婚式でしか会ってないけど、相手はきれいな女性でした。ところが今年の正月に会ったら、なんだかすごいことになっていて……」そう言うのはエミコさん(39歳)だ。彼女自身は同い年の彼と結婚して10年、8歳と5歳の子がいる。
「夫の弟は35歳で結婚しました。相手は3歳年下だったかな。どうしても専業主婦になりたいと言って仕事を辞めたものの、料理もせず家事もせずという状態で困っているらしいと義母を通じて聞いていました。だけど私たちがどうこうできることでもないので静観していたんです」
正月に夫の実家に集まったとき、エミコさんは義弟夫婦の実情を目の当たりにしてびっくりしたという。
「親戚一同の前で、義妹が義弟を怒鳴る、罵倒するの連続で。そもそもは義妹が『おせち料理なんて食べたくない』と言い放ったのが原因だったようです。それで義弟に『コンビニに行って何か買ってきて』と。義弟も自分の実家の料理にケチをつけられておもしろくはない。だから自分でコンビニに行ってこいと言ったらしい。そうしたら『あんたは私の言うことを聞いていればいいの!』と怒鳴りつけた。私が見たときは『早く行って来いって言ってるでしょ。どうして言うこと聞かないのよ』と叫んでいました」
そもそも義母が作ったおせち料理はおいしかったとエミコさんは言う。義母は優しい人で、息子の妻に台所を手伝わせることもない。エミコさんは自ら手伝ったが、義妹は座ったまま。しかもおせちには手もつけない。そしてコンビニ騒動へと発展した。
「結局、義弟はコンビニに行かされたようです。車で15分もかかるところにしかないんですけどね。その間、義妹は部屋にこもって誰とも口をききませんでした」
そんなに嫌なら来なければいいのにとエミコさんは夫と話していたという。
親戚一同の前で夫を激しく罵倒……
その後も義妹は親戚たちとろくに話もせず、ひとりでスマホばかりいじっていた。「なんとなく気になったので、私が話しかけようとしたんですが、体全体から『こっちへ来ないでオーラ』を出しているので近づきづらくて。そのうち義弟にぼそぼそ何かつぶやいている。義弟は必死でなだめていましたが、『駅まででいいって言ってるじゃない。本当に役に立たない男!』と声を張り上げたのでみんなびっくり。どうやら帰りたいと言い出したようでした。だからせめて駅まで車で送っていけと」
来てからまだ半日たらず。本当は泊まって行く予定だったはずだ。だが義妹は田舎での親戚集合にすっかり飽きてしまったようだ。
「確かに楽しいわけじゃないけど、それでも久しぶりに義母とゆっくり話したり、子どもたちが祖父母と遊んでいるのを見て私は和んでいたんですが、義妹は子どももいないし飽きちゃったんでしょう。だけどいきなり帰るというのもね」
周りが呆然とする中、義弟がついに「帰りたいなら勝手に帰れば」と言い返した。すると義妹は顔を真っ赤にしてスマホで検索し、タクシーを呼んだ。義弟は引き止めようとしたが、それもかなわなかった。
「タクシーが来るやいなや、義妹はさっさと帰っていきました。一言の挨拶もなく。親戚たちはみんな呆然としていましたね。その後、義弟がみんなに謝っていましたが、夫は自分の弟だから、『ちょっと考えたほうがいいんじゃない?』と苦言を呈していました。あまりにも社会性がないぞって」
そもそも人前で、しかも夫の親戚の前で夫を罵倒するというのはなかなかできることではない。された側の気持ちを想像もできないのだろうか。夫の親戚というだけで毛嫌いしているだけではないのか。義父母も親戚もいい人ばかりなので、エミコさんには理解できないことだらけだった。
「なんだか義弟がかわいそうでした。その後もどうやら揉めているようで、夫はときどき相談に乗っているみたい。相変わらず専業主婦なのに、子どもはいらない、家がほしいと言い出しているらしくて。ふたりで働かなければ家は買えないと言ったら『甲斐性のない男』と言われたそうです」
どれだけお姫様のように育ったのか知らないけど、世間知らずにもほどがあるとエミコさんは苦笑する。
「どうして義弟と結婚したんだろう。夫とそう話しているのですが、こればかりは本人に聞かないとわからない。でも結婚を決めたのは自分ですからね。うまくやっていこうと努力もせずにちやほやしてもらおうと思ってもそうはいきませんよね」
親戚づきあいをしたくないなら、夫婦でそうすりあわせればいい。親戚の前でパートナーをこきおろすなど、自分がされたら激怒するであろうことを平気でおこなうのは言語道断ではないだろうか。