3月株式市場の傾向とは?
3月は年度末ということで、大半の企業にとって3月期決算の業績が確定する月であり、決算に伴い株主優待や配当の権利が確定する月です。また、機関投資家や3月決算企業による決算対策の株式売却や、年度末の決算内容をよく見せるために企業やファンドが自分で買いを入れる「ドレッシング買い」が出やすいともいわれ、さまざまな要因で株価が大きく動く月です。
今回は、このような3月相場にどのような傾向があるのか、過去の株価データを用いて調べてみました。
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検証対象:全銘柄
検証期間:2000年1月1日~2022年1月31日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件:2月末の寄り付きで買い
売り条件:25日経過後、翌営業日の寄り付きで売り
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2月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に勝率が50%以上で損益がプラスならば、3月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、3月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
株式市場の傾向(3月)の検証結果
- 勝率:53.14%
- 勝ち数:41,034回
- 負け数:36,187回
- 引き分け数:1,569回
- 平均損益(円):1,927円 平均損益(率):0.96%
- 平均利益(円):19,411円 平均利益(率):9.71%
- 平均損失(円):-17,814円 平均損失(率):-8.91%
- 合計損益(円):151,862,292円 合計損益(率):75,932.17%
- 合計利益(円):796,507,736円 合計利益(率):398,263.57%
- 合計損失(円):-644,645,444円 合計損失(率):-322,331.41%
- PF(プロフィット・ファクター):1.236
- 平均保持日数:27.48日
以上が3月の株式市場の傾向です。検証結果を見てみると、勝率は53.14%、平均損益は0.96%です。勝率は5割を上回り、1トレード当たりの平均損益もプラスとなっていることから、3月は株価上昇しやすい傾向があるといえそうです。
しかし、損益の推移を確認すると、2020年に大きな暴落が確認できます。これは、皆様ご存じの通り「コロナショック」による暴落です。このようにまれな暴落は突然起こり、3月相場が原因とは判断できないので、やむを得ないといえるでしょう。
例年の3月相場は、決算企業の決算対策や、機関投資家が運用ファンドの利回り評価の引き上げを目的とした「ドレッシング買い」が入りやすく、個人投資家も配当や株主優待権利を目的に、買いを入れる傾向にあります。
一方で、法人企業や機関投資家が決算対策に株式を売却することから、売りも出やすい月ともいわれています。買い勢力、売り勢力ともに材料豊富な3月相場ですが、過去のデータを用いて検証した結果によれば、総合的に見て上昇しやすい傾向があるといえるでしょう。
3月の好調銘柄ランキング!
次は、3月の傾向をより詳しく確認してみましょう。3月は例年上がりやすい傾向がありますが、その中でも成績が好調な個別銘柄はどれでしょうか。表は、先ほどの検証結果において勝率の高かった個別銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄を見ると、以下のようになっています。
<2599>ジャパンフーズ
<2804>ブルドックソース
<2819>エバラ食品工業
上位の銘柄は、食料品銘柄が目立ちました。また、中小型株であるということが特徴です(※本記事では、時価総額3000億円以上を大型株、時価総額3000億円未満を中小型株と定義しています)。
ランキング上位の銘柄の中には、中小型株だけでなくJASDAQといった新興銘柄も多数あります。中小型の銘柄や新興銘柄は大型株と比較すると値動きが激しく、投資家の動向が表れやすいといわれます。
そのため、企業による決算対策の売りが一巡した後は買いが入りやすく、株価上昇が期待できるのかもしれません。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)