亀山早苗の恋愛コラム

デートで「高い料理」をおごってもらったら女としての価値も高い?女性たちのリアルな賛否の声

「サイゼで喜ぶ彼女」が話題になっている。ネットは話が飛躍していくものではあるが、デートで行く店によって「女性の価値がはかられる」ということ自体、「男性が女性を店に連れていくもの」という価値観同様、すでに今の時代には合わないのではないだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「サイゼで喜ぶ彼女」が話題になっている。当初はイラストに釣られ煽られしていたようだが、話はどんどん派生していき、「安いチェーン店にデートで行ったらいけないのか」というところまで進んでいったようだ。ネットは話が飛躍していくものではあるが、デートで行く店によって「女性の価値がはかられる」ということ自体、「男性が女性を店に連れていくもの」という価値観同様、すでに今の時代には合わないのではないだろうか。
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とはいえ、もちろん今も「女性の価値は大事にされること」であり、「大事にされることはイコール金をかけてくれること」と考える人たちもいるようだ。
 

最初のデートでチェーン店は嫌派

「最初のデートでチェーン店に行くのは嫌です」

きっぱりそう言うのはヨシミさん(32歳)だ。もちろん、学生時代ならチェーン店でもかまわないともつけくわえた。

「30過ぎて最初のデートだったら、高くなくていいけど、それなりの店に行きたいですよね。値段の問題じゃないんです。チェーン店に頼るのが嫌。ネットでもいいけど、自分で検索してよ、なんなら下調べしてよと思うから。もちろん、私から誘うならちゃんと調べるし、一度くらいは行ってみてチェックしますよ。大事な人と行きたいお店としてふさわしいかどうかですよね」

つまりは「何も考えずに選んだだけ」と受け止めるからチェーン店は嫌だというわけだ。最初のデートなのに、その程度の心意気なのかとがっかりするらしい。

「それまでの関係も影響しますよね。長年の友だちで、どちらかが告白し、じゃあ、つきあっていこうとなった。最初のデート、気張るのが嫌だからチェーン店でいい?というのはアリだと思う。だけど友人関係が長かったわけでもなく、つきあうかどうかもまだわからないという状態でチェーン店に行ったら、たいていの女性はうれしいとは思えないんじゃないかなあ」

ヨシミさんの言い分も真理かもしれない。
 

どこでもOK派も

一方で、「デート中の食事なんて、どこでもいいと思います」とあっさり言うのはキミカさん(30歳)だ。

「私自身が“食”にあまり興味がないので、がんばって予約をとったんだと言われるとかえって引いちゃうから」

確かに、ふたりの食への興味や熱意が一致していない場合、熱く語られても困るだけだろう。店での振る舞いにも緊張しなくてはならない。

「アウトドアが好きなので、一緒にキャンプするようなデートが最高。そうでなければスポーツ観戦するとか公園でバドミントンでもいいです(笑)。そんな帰りに気張った店には行けないし、お腹がすいているから牛丼や定食をがっつり、のほうがうれしい。まあ、友人に言わせると私は希少なタイプらしいです」

でもね、と彼女は真顔になる。

「このご時世、私も派遣だし、つきあう相手も非正規だったりするわけです。そんなふたりがデートしたって高級店には行けない。自分たちだけの問題というより、独身男女が余裕をもてない社会がいけないと思うんですけどね」

確かに、そんな状況なのだから、無理していい店を選ぶより、チェーン店で食事をし堅実に貯蓄をする人のほうがモテる時代なのかもしれない。

「チェーン店も嫌いじゃないし、彼と私も、急いでいるからささっと食べたいという理由で一緒に行くことがあります。ただ、ときにはその人が知っている秘密の店みたいなところに一緒に行けたらうれしいです」

サトミさん(30歳)はそう言う。もうじき結婚する彼女が今の彼と最初に行ったのは、どこにでもあるような町の洋食屋さんだった。

「雰囲気がよくて、でも気取らない店。センスいいなあと思いました。あとから聞いたら、彼は会社の先輩が初デートでうまくいった店を紹介してもらったんですって。その後、つきあうようになって1年たったとき、彼が連れていってくれたのは、子どもの頃彼が住んでいた街で、家族でときどき行ったレストランでした。そこも、決して気取った店でも高い店でもなかったけど、家族で行ったというのがポイントですよね。その店でプロポーズされました」

彼の実家はとうに引っ越していたのだが、彼はその店が懐かしくてときどき行っていたという。これからはふたりで通えたらうれしいと彼に言われ、サトミさんはじわじわとうれしくなったそう。

「私にはそういう店がありません。両親は離婚して、私はどちらとも疎遠なので。だからこそ彼と温かい家庭を作りたいという思いが強い。ふたりで通い、家族が増えたら一緒に通いたい店が私にもできたなと思います」

ひとくちに「デートでの食事」といっても、人にはさまざまな事情があり、ふたりの関係にもいろいろある。食への興味や好みの問題もかかわってくる。高級店を選ぶことが、相手への愛情の深さと比例するかどうかは不確実。そうであることもあるかもしれないし、無関係であるかもしれない。

「私は彼となら、どこで何を食べても楽しめます。おいしくなくても、ふたりでツッコミ入れながら食べるのはおもしろいから。結局、そういうことなんじゃないでしょうか」

サトミさんは幸せそうに微笑みながらそう言った。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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