Q:夫の扶養から外れ、年収が150万円まで上がると将来の年金はいくら増える?
「私は52歳で、夫の扶養に入っておりパート収入125万円ですが、夫の扶養から外れて年収が150万円まで増えると、月々の社会保険料と将来の年金はいくらになりますか。扶養の範囲内か、外れるか悩んでいます」(匿名希望)夫の扶養から外れると社会保険料、将来もらえる年金額はどう変わる?
A:年収150万円で1年間厚生年金に加入すると、将来、老齢厚生年金が年額約8800円増額します
相談者は、夫の社会保険の扶養から外れ、パート収入を増やす予定とのこと。パート年収を150万円に増やした場合、交通費が仮に月5000円なら、月13万円の報酬(給与+通勤手当)を受けることとなります。この場合、標準報酬月額(保険料確定のための報酬区分)は13万4000円です。この標準報酬月額を協会けんぽ・東京支部『令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表』に当てはめると、厚生年金保険料が月1万2261円、健康保険料・介護保険料(40歳以上)が月7919円となります(それぞれ会社と折半するため、折半額)。これに雇用保険料が加わり、合計で月2万円を超える額が社会保険料として給与から差し引かれることになるかと思います。
●協会けんぽ・東京支部『令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表』
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r5/ippan/r50213tokyo.pdf
将来もらえる年金額についてですが、年収150万円で1年間、厚生年金に加入した場合、簡易的に計算をすると「13万4000円×5.481/1000×12カ月≒8813円」と計算できます。つまり65歳から受け取れる老齢厚生年金額が約8813円(年間)、生涯にわたり増額します。
社会保険料が高いように感じられるかもしれませんが、社会保険には民間の保険会社に劣らない保険機能がついています。例えば、病気やケガで働けないときは健康保険から傷病手当金が給付されることもあります。また、雇用保険も入ることで、失業すれば失業手当も受けられます。老齢厚生年金は終身にわたり増額になります。長い目で見ると損をすることはありません。
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