Q:将来もらえる厚生年金の計算方法は?
「厚生年金保険料を払っています。将来もらえる厚生年金の計算方法としては、各年の4~6月の平均支給額の総計をさらに年数で割るのでしょうか?」(Sさん)厚生年金受給額の計算方法とは?
A:厚生年金加入期間の平均標準報酬月額・平均標準報酬額から求めます
厚生年金制度においては、厚生年金保険料の額を決めたり、年金受給額を決定したりする際には区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」という金額を使用します。標準報酬月額は金額の幅によって32等級に区切られており、4~6月までの3カ月間の基本給、役付手当、通勤手当、残業手当などの各種手当をもとに決定されます。自分に適用される等級は原則として毎年1回改定され、その年の7月に、同年9月から翌年8月分の1年間に適用する等級を決めます。
標準報酬月額に応じて厚生年金保険料を計算しますので、4~6月までの3カ月間の給与や残業代が多くなると、標準報酬月額の等級もあがり、厚生年金保険料も多く払うことになります。しかし、将来受け取る厚生年金額も多くなります。
厚生年金受給額の計算式は、厚生年金に加入していた期間によって、2003年(平成15年)3月までは平均標準報酬月額(賞与を除く)、2003年(平成15年)4月以降は平均標準報酬額(賞与を含む)と、以下のように2つに分かれます。
【1】2003年(平成15年)3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年(平成15年)3月までの加入期間
【2】2003年(平成15年)4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×2003年(平成15年)4月以後の加入期間
平均標準報酬月額は「標準報酬月額の合計」を「被保険者であった期間の月数」で割った金額となります。平均標準報酬額は「標準報酬月額と標準を賞与額の合計」を「被保険者であった期間の月数」で割った金額のことです。
以上のように、厚生年金受給額の計算方法を説明しましたが、自分で正確に計算するのは難しいと思います。年金事務所で計算してもらうことをオススメします。
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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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