Q:海外に移住しても、年金から天引きされるお金の負担は避けられないの?
「海外に移住した場合でも年金から差し引かれる税金や社会保険などの負担は、回避できないのでしょうか?」(Sさん)海外に移住したら年金から天引きされるお金は?
A:居住地の税制によります
日本に居住している場合は、老齢年金を受給すると、所得税・介護保険料・国民健康保険料・後期高齢者医療保険料・住民税等を、年齢や所得によって負担する必要があります。海外に移住している人は、日本に住んでいないため、このような税金や社会保険料は天引きされませんが、居住地の税制に従って課税されることとなります。ただし、日本が租税条約を締結している国としていない国で違いがあり、締結していない国の場合は日本と移住先の国、二重に課税されてしまうことがあります。
租税条約とは、二重課税の排除や脱税の防止等を目的として、国と国の間で結ばれる条約のことです。日本は2022年2月1日時点で、149カ国・地域との間で、82条約等の租税条約を締結しています。
※参考資料・財務省「租税条約に関する資料」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/index.htm
租税条約を締結している国に移住している人は、どちらか片方の国で税金等を負担することになります。
日本の場合は【1】恒久的住居の場所【2】利害関係の中心がある場所【3】常用の住居の場所【4】国籍の順で判定して、どちらの国の「居住者」となるかを決めます。
移住する国によって、判定される条件は異なりますので、よく確認しましょう。
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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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