非行や犯罪を抑制する4つの保護要因

心の中は見えにくいからこそ過信せずにアンテナを立てておきたい

心の中は見えにくいからこそ過信せずにアンテナを立てておきたい

心理学の理論で非行行為や犯罪などを説明する際によく用いられるのが、アメリカの社会学者ハーシ博士が提唱した社会的絆理論です。この理論の特徴的なところは、「その人はなぜ逸脱をしないのか」という視点です。その人を犯罪の道に至らせないポイントは何かを追求しています。その中でハーシ博士は4つの“社会への絆”が非行や逸脱の抑止要因となっているといっています。
 
  1. 愛着:自分にとって大事な人(家族や友人など)を悲しませたくない、迷惑をかけたくないという思い
  2. コミットメント:もし犯罪や問題行動を起こしたら、それまで頑張って築き上げてきたものが台無しになってしまうという思い
  3. 巻き込み:日々の様々な社会的な活動に巻き込まれることで、悪いことに手を出す暇がないという日常
  4. 信念:法に従うべきだという信念

これらが保護要因となり、その人を犯罪から遠ざけていると考えています。
 
たしかに、ニュースで時おり流れる加害者連行の映像を見ると、中には見た感じだけで規範から外れた印象を与える人もいて、この4つの社会的絆は大きな抑制力になっているということが理解できます。 
 

弥富市の事件が他人ごとに思えない理由

一方で、ときにこれでは説明がつかないような事件も起こります。愛知県弥富市の中学校で起きた殺人事件もそのひとつではないでしょうか。周囲から聞こえてくるのは、加害者は「おとなしい子」「普通の子」ということ。
 
その中学校の校長先生へのインタビューでも、その男子生徒は補導や指導という場面で問題に上がったことはない生徒であり、「中学生としてある姿の中学生」という表現をされています。それゆえ、なぜそのようなことをしたのかわからず混乱を引き起こしているのです。
 
動機においても、 
「生徒会の選挙に立候補した(被害者の)男子生徒に応援演説を頼まれたのが嫌だった」
「友人と話しているときにその男子生徒が割って入ってくるのが嫌だった」
のような供述はしているものの、「どれも直接的な動機には結びつかない」と警察は見ているようです。

明らかな動機がある事件の方が、やはり説明がつきやすいものです。この事件がただごとでないのは、警察が決め手となる動機を見出せないにもかかわらず、相手を一突きにする殺意がそこにあったということではないでしょうか。一見どこにでもありそうな同級生同士のトラブルからの殺人事件である分、他人事ではないように思えるのです。 
 

おとなしい子=心の中も物静か、とは限らない

今回の事件に限らず、加害者についての取材で「おとなしい子だった」「物静かなタイプだった」「とてもあんな事件を起こすようには見えない」ということをよく耳にします。おとなしい子=心の中も物静か=事件は起こさない。そんな印象があるのだと思います。しかし実際、表向きはおとなしくても、内心はざわめいている場合は多々あるものです。
 
とくにその人の捉え方次第で、置かれた状況が歪んでしまうことはよく見られます。心理学で「認知のゆがみ」といわれるもので、物事を悲観視、最悪視するクセがあったり、白黒はっきりつける傾向があったりすると、どうしても些細なことが大ごとになってしまいがちです。

もし思考が極端に飛躍し、「○○されたら、もう一貫の終わりだ」「相手が○○なら、もう殺すしかない」のように思ってしまうと、それ以外の選択肢がないかのように感じてしまう可能性もあります。心の中で自ら繰り広げる会話は、いかようにもエスカレートするため怖いのです。
 
自分に置き換えてもいえることですが、怒りは小出しにした方が大爆発を起こさないものです。「うちの子は物静かだから大丈夫」と表面に見える部分で決めつけてしまわずに、もしかしたら静かでありつつもSOSを発信しているのかもしれないとアンテナを立てておくことは大事といえるでしょう。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。