Q:厚生年金には何歳まで入るといいですか?
「18歳から現在62歳まで厚生年金に入り、月15万円前後の収入で働きながら特別支給の老齢厚生年金を受給しています。何歳まで厚生年金に加入しながら働くのがいいのでしょうか? 70歳から年金をいただきたいと考えています」(匿名希望)何歳まで厚生年金に加入すればいいの?
A:できるだけ長く厚生年金に加入して働くことをおすすめします
60歳以上で厚生年金に加入し働きながら受け取る年金を「在職老齢年金」といいます。在職老齢年金とは、老齢厚生年金の基本月額と、月収等やボーナスを12で割った合計額(総報酬月額相当額)に応じて、老齢厚生年金額の一部または全額が支給停止になる仕組みのことです。逆に言えば、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が、在職老齢年金の基準額である48万円に達しなければ、老齢厚生年金は全額受給できます。
さて、「何歳まで厚生年金に加入したらいいのか」との相談者からのご質問ですが、健康を維持して働き続けることのできる環境であれば、できるだけ長く厚生年金に加入して働くのがおすすめです。
なぜなら、老齢厚生年金の受給額は、平均標準報酬額(収入)と、厚生年金保険の加入期間をもとに計算しますので、賃金が増え、厚生年金の加入期間が長くなるほど、将来受給できる老齢厚生年金額が増えることになるからです。
受給する年金額が増えると税金や健康保険料の負担が多くなるのではと危惧される方もいると思います。老齢年金は、所得税(雑所得)の対象です。年金の所得税(雑所得)は、公的年金等控除額、基礎控除などの所得控除を差し引いて計算されます。
65歳未満は、公的年金等控除額60万円+基礎控除48万円=108万円、65歳以上は、公的年金等控除額110万円+基礎控除額48万円=158万円を超えなければ、所得税はかかりません。
健康保険料や住民税は、住んでいる地域の自治体により異なりますが、所得が多くなると負担も多くなる可能性があります。税金や健康保険料は、年金受給額より多くなることはありませんので、損をするということではありません。最近では高齢者が働きやすい環境が整いつつありますので、これらの制度を利用して、老後の生活を豊かにしていくことが大事です。
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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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