浮気されたら「離婚」するという選択

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タレントの長谷川京子さん、飯島直子さんが相次いで離婚を発表。いずれも夫の浮気に端を発しての破局のようだ。女性側に経済力があれば、夫の浮気が発覚したら「離婚するのが当然」という風潮が出てきた。もちろん、それは当人の決断だから他人がとやかく言うことではない。ただ、「浮気されても離婚に踏み切れない女性」たちがいるのも現実である。
 

頭には来るけれど……

「うちの夫も2年前に浮気しているのがわかりました。私は仕事と家庭、さらに子育て、ほぼワンオペです。彼が帰ってくるときは家にいつもいました。毎日、彼の好物を作って待っていた。それなのに彼は、別の女性とおいしいものを食べて彼女の部屋に寄る生活を送っていたんです。ショックで心が張り裂けそうでした」

そう話してくれたのは、サトエさん(44歳)だ。4歳年下の夫に3年つきあっている女性がいるのがわかったとき、彼女は「すべての希望を失った」という。

結婚したのはサトエさんが30歳のとき。相手は弟のようにかわいがっていた職場の後輩だった。彼がどうしても同じ職場は嫌だというから、結婚と同時に彼女は退職した。実はそのとき、すでに妊娠がわかっていた。その後、長男が、2年後に長女が生まれてからはずっと非正規で働いている。

「そんなに尽くしたのも、彼の笑顔が見たかったから。プロポーズは彼からでしたけど、つきあう前に最初に誘いをかけたのは私。たぶん彼はまだ結婚したくなかったんじゃないかなあ。でも私は妊娠に賭けたんです。妊娠したら、彼は優しいからきっと結婚しようと言ってくれるはず。思った通りでした」

仕事ができて性格もいい彼は、社内でも人気者だった。そんな彼と一緒になったのだから、彼の多少のわがままは聞いてあげたい。サトエさんはずっとそう思っていた。

「ところが結婚してみたら、彼は意外とわがままで。家事も育児もあまり積極的にはやってくれない。自分に余裕があるときだけ。それでも私はキツく言えなかったんです。いつの間にか“おかあさん”みたいになっていたのかもしれません」

だから浮気がわかったときも、彼をとがめることができなかった。
 

浮気されても憎みきれず、苦しい

浮気がバレたとき、夫は「どうしてわかったの?」とキョトンとしていた。実際にはサトエさんが夫の携帯を見てわかったのだが、「あなたが女性とラブホに入っていくのを友人が見た」と嘘をついた。

「あんなに人が多い場所だからなあ、と彼は悪気もなく言うんです。私がじっと見ていると、『悪い。出来心』と一言。それ以上、私も何も言えなくて……。でもしばらくは早く帰ってきていたし、子どもともコミュニケーションをとっていたのでもう大丈夫かなと思っていたんです」

ところが半年後、なんとなく確認したくなって夫の携帯を見ると、前の女性とまた会っていることがわかった。無力感を覚えたサトエさんは、あるとき、「あの人とまた会ってるでしょ」とつぶやいてみた。

「夫は『えっ』と絶句したまま、何も言わずにお風呂に入りにいきました。それからも何も言わない。『せめて何か言ってよ』と言うと、『明日の晩ご飯、何?』って。もうそれ以上、追及できませんでした」

すべてをはっきりさせて離婚する方法もあるとわかってはいた。サトエさん自身に経済力があるわけではないが、実家は会社を経営している。親に泣きつけば仕事と住居は確保できるはずだとわかっていた。

「でも離婚、という言葉が口から出てこない。自分で気づいたんですが、私は『彼の妻』であることに誇りをもっていたというか、アイデンティティを見いだしていたというか。自分ひとりでは、何者かわからない。別に夫に社会的地位があるわけでもないけれど、彼というひとりの人間に選ばれた女であることにプライドをもっていたんでしょうね。友人には『つまらないプライドだよ』と言われたけど、どうしても妻の立場から降りる気にはなれなかったんです」

浮気の件は今も曖昧なままだ。夫は帰宅が遅くなることもよくあるし、出張と偽って泊まりがけで出かけることもある。

「夫は忘れているんですよ、私がかつて同じ会社に勤めていて、私の同期がまだ会社にいるということを。たまたま先日も同期で仲良しだった女友だちと話していたら、夫が出張だと言っていた時期に出張なんてなかったとわかってしまった。まあ、それでも私は夫を責めなかった。もう知りたくない気持ちのほうが強くなっているのかもしれません」

だからといって、夫婦仲が特に険悪になったわけでもない。一緒にいればごく普通に話すのだが、サトエさんは「普通に話すためにすごく努力が必要な状態」だそうだ。ともすれば怒り出したり泣き出したりしそうな自分がいるから。思いの丈をぶつけたいが、それで夫が出て行ったらと思うと怖くてできない。

「まだ好きなんだとは思うんです。でも、それが愛情からなのか、さっき言ったように自分のアイデンティティが崩壊するのが怖いからなのかがわからなくて」

今日も複雑な思いを抱えたまま、サトエさんは夫の好物を作っている。

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