自家製発酵食品作りが人気? ヨーグルト、ぬか漬け、甘酒など

ヨーグルトを食べる男の子

手作りの発酵食品が上手にできているのかどうかの判断は難しいもの。本当に食べられるのかどうか見分けるにはどうすればよいのでしょうか。

巣ごもり生活が長引いたことで、ヨーグルトやぬか漬け、甘酒などの発酵食品づくりに挑戦してみたという声をよく聞きます。

一方で、実際に自家製発酵食品ができあがってみると「うまく完成しているのか、いまいちわからない」「市販品とは違う味だが、実は腐っているのでは?」など、不安に感じる人も少なくないようです。そもそも発酵と腐敗はどう違うのでしょうか? 手作り発酵食品が上手にできているかを確認する目安と一緒に解説します。
 

発酵と腐敗の違い……実はメカニズムは同じ

発酵も腐敗も微生物の働きによって食品の味や臭い・成分・外観などが変化することであり、実はそのメカニズムは同じです。

発酵と腐敗の違いについて、NHKの人気番組で「腐敗(腐る)と発酵の違いはおなかが痛くなるかならないか」と解説していたことがありました。腐敗してしまった食品を食べたからと言って必ずしもおなかが痛くなるとは言い切れませんが、一言で簡単に説明するならば、その通りと言っていいでしょう。

ではなぜ、人は腐敗と同じメカニズムで発酵させた食品を好んで食べるのでしょうか? 新鮮な食材を食べるほうが安心と考える人もいるかもしれません。その理由は、この過程を経ることで、食品の長期保存が可能になったり、栄養価やうまみがアップしたり、栄養素の吸収率が上がったりと、人間に有益な変化が起こることがあるからです。

同じメカニズムでも、人間に不利益な変化は「腐敗」、人間に有益な変化が「発酵」と考えると、理解しやすいのではないでしょうか。
 

発酵食品は腐るのか……納豆、味噌は理論的には腐らない

発酵も腐敗も微生物による食品の変化です。そのため、理論的には発酵した食品が腐敗することはありません。

しかし市販の発酵食品である納豆、ヨーグルト、味噌、醤油などには、いずれも「賞味期限」が書かれていますね。腐敗することがないのであれば、賞味期限を表示する必要はないのではと思う人もいるかもしれません。しかし発酵食品の「賞味期限」はおいしく食べるための目安として重要なのです。というのも、発酵食品は発酵を止めることはせず、最も美味しいタイミングで出荷されているからです。あまりに発酵が進みすぎてしまうと、臭いや外観が過度に変化し、おいしさが失われてしまうことがあります。また、おいしさがちょうどよい発酵状態の期間が短いことも多いです。そのため、この美味しく食べることができる期間を「賞味期限」で示しているのです。

また、自宅保存する場合は、保存状態が適切でなかったり、一度開封したりしたものには、人間に不利益な腐敗を起こす菌(雑菌)が混入してしまう可能性があります。雑菌が入ってしまえば、腐る可能性もあります。市販のものであっても発酵食品は適切に保存し、賞味期限が切れる前に食べきるようにしましょう。
 

食品別! 手作り発酵食品が安全にできているかの見分け方

市販の発酵食品には賞味期限の記載がありますが、自家製の発酵食品が上手くできているのか、食べごろなのかを確認するにはどうすればよいのでしょうか。食品別に大体の見分け方の目安を解説します。

■ヨーグルト
自家製ヨーグルトの失敗としては腐敗よりもカビが生えてしまうことの方が多いので、カビが見られないかをしっかりチェックしましょう。衛生管理と温度管理をしっかり行えば、市販のヨーグルトを種にして自家製ヨーグルトを作ることができます。ただし、市販のヨーグルトを増やしても、全く同じヨーグルトにはなりません。ヨーグルトにはたくさんの種類の乳酸菌が含まれており、自宅で発酵する段階では乳酸菌の割合が変わってしまうためです。

■甘酒
酒粕を使って作ることもありますが、米を麹で発酵させて作ることもできます。米を発酵させて作る甘酒は、使用する麹が「若麹」であることが美味しく作るための絶対条件です。発酵が進んだ「老麹(ひねこうじ)」で作ると、カビくさい仕上がりになってしまいます。麹はスーパーなどで購入できますが、ほとんどが若麹の状態で「発酵を止めずに」販売されています。そのため、麹を購入したらすぐに甘酒を作るようにしましょう。また、甘酒を作ってからも発酵が進んでいきます。発酵途中で味を確認し、ちょうどよい甘さになったら加熱をして発酵を止めると衛生的にもよいでしょう。

■ぬか漬け
酸味が強いと腐ってしまったのではと感じるかもしれませんが、ほとんどの場合はヨーグルトと同じ乳酸による発酵が起こっているためです。野菜表面にぬめりがなければ、腐敗ではないことが多いです。

酸味が強い場合、腐っているのではなく塩分濃度が下がっていることが多いので、一度すべての野菜を取り出して食塩を追加し、2~3日ぬか床を休ませてみてください。それでも酸味が強い場合は、重曹やビールなどを入れて2~3日ぬか床を休ませる方法もあります。酸っぱくなってしまったぬか漬けは、料理の具材の一つとして美味しく召し上がってください。


自家製発酵食品が正しく発酵しているのか腐敗しているのか、一般的な見分け方は上述の通りです。しかし、食べてみて不快な場合は、もちろん食べるのは控えましょう。発酵食品を自作することは素敵な趣味の一つです。衛生と温度の管理をしっかり行えば失敗は少ないですので、ぜひ挑戦してみてください。
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