亀山早苗の恋愛コラム

「男をバカにする」から稼ぎも学歴も“低い女”が理想?婚約者の母親が性格的に“ヤバ”かった場合

長くつきあっていた男性との間に、ようやく結婚話が出た。うれしいものの、彼の母親に初めて会って「ドン引き」した場合、どうすればいいのだろうか。目をつぶって結婚を選ぶべきか、もう少し様子を見るべきか……。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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婚約者の母親が問題発言連発で……

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長くつきあっていた男性との間に、ようやく結婚話が出た。うれしいものの、彼の母親に初めて会って「ドン引き」した場合、どうすればいいのだろうか。目をつぶって結婚を選ぶべきか、もう少し様子を見るべきか……。
 

彼女の収入に固執する彼の母

マイさん(35歳)が、ヒロアキさん(32歳)とつきあい始めてからすでに6年がたつ。

「仕事で知り合ったんですが、のちに彼は転職、今はまったく違う業界で働いています。お互いの仕事はリスペクトしているし、ここ3年くらいは近所に住んで週のうち半分くらいは一緒にいます」

ただ、ヒロアキさんの両親が離婚しているためか、彼は結婚に対してあまり積極的ではなかった。マイさんもそのあたりは理解していたという。

「母ひとり子ひとりで育った彼は、母親をうっとうしく思いながらも振り切ることができないタイプ。母親もそれほど遠くないところでひとり暮らしをしています」

1年前、彼が突然「結婚しよう」と言い出した。それまでは結婚という言葉に過敏になり、否定的な見解を示していたのに、いきなり変わったのだ。どうやら親しい友人が続々と結婚し、新婚家庭に遊びに行くことが増えて心境の変化があったようだ。

「親が離婚したからといって、自分が離婚するとは限らないし、マイとだったら楽しく暮らせると思うんだと彼は言いました。私自身、結婚という制度に執着していたわけではないけど、どうせ一緒にいる時間が長いなら結婚したほうが気持ちが楽だと思っていたので。彼のことは大好きだし」

そうと決まれば、と彼は結婚準備に入った。もともとまじめな人だけに、「まずは双方の親に報告」となった。

「彼の母親のことは、なんとなくイメージとして口うるさそうだと思っていたんです。ときどき、彼の口から『おふくろがこう言うから』というような発言があったので。でも実際に会ってみたら、想像以上でした」

苦笑するしかないくらい、とマイさんはつぶやいた。彼の母は自宅に来てもらうのは嫌だと言いだし、3人で食事をしようと提案してきた。

「緊急事態宣言の合間を縫って、昨年秋ごろ食事をしたんですが、私が選んだ店に3回もNOをつきつけてきたんですよ。こっちは個室であることとか換気がいいことなどを優先的にチェックして予約したのに。『あんまりおいしそうじゃない』『安っぽい店ね』と難癖をつけられました。やっとOKが出た店で会ったとき、何度も予約させてごめんねとでも言ってくれるかと思ったら、何も言わなかった」

さらにマイさんの収入をやたらしつこく聞いてくる。適当にはぐらかしていると、「うちの子より低いんでしょうね」と念を押された。どうやら女性のほうが収入が高いのはよろしくないと思っているようだった。

「女があんまり働くと男をバカにするようになるからって。問題発言連発でしたよ。最初は黙って聞いていたけど、あまりにひどいから、『お母さんだって、ひとりで働いて彼を育てたんでしょう』と言ったら、『うち、実家にけっこうお金があったから』って。嫌味な感じでした。彼は『無視しろ』と合図を送ってきましたけど」
 

「どうしても結婚したいの?」と言われてカチン

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マイさんは、彼の母親からの質問攻撃に最低限の答えを返すようにした。

「だけど途中で、『どうしてもうちの息子と結婚したいの? 他の人でもいいじゃない』と言われたんですよ。これにはカチンときましたね。『私たち、お互いを必要としているんです』と言ってやりました。すると彼の母親は『最初のうちだけよ、そんなふうに思ってるのは』『あなた、息子よりいい大学出てるんでしょ』って。とにかく息子より、あらゆる面で下でなければ受けつけないという感じでした」

げんなりしたマイさんに追い打ちをかけるように彼の母は言った。

「結婚したら当然、同居よねって。彼が『おかあさん、元気なうちはひとりで暮らしていたほうがいいよ』と言うと、『元気じゃないわよ、胃痛はひどいし、どこか重い病気が潜んでいるんじゃないかと思う』と。心配されたいんでしょうね。かなりのかまってちゃんです」

母親と別れたあと、彼女は彼にどう言ったらいいかわからず、黙り込んでしまった。彼は「おふくろの言うことは気にしないで。ごめん」と謝ってきた。

「たとえ彼が謝っても、あんなおかあさんとつきあっていけるかしらと不安になってしまいました。もちろん同居なんて論外。だけどあの人だったら、いつの間にか新居に入り込んで出ていかないんじゃないか、彼はそれを止められないんじゃないかと思って」

以来、コロナ禍を原因に結婚話は進んでいない。マイさんの両親に彼が会うのも延期している。やはり結婚という選択をする必要はないのではないかと思うこともあれば、子どもはほしいから結婚していたほうがいいかもと考えることもあり、マイさんは揺れている。

「いつかは決めなくてはいけないし、それほど時間に余裕があるわけでもない。でもどうしたらいい選択ができるのか、もう考えすぎてわからなくなってきました。彼は別れる気はないから、マイの好きなようにしていいと言うんですが、それもまた無責任に感じられて……」

今年中には結論を出したい。そうは思うが踏ん切りがつかない。マイさんは何をよすがに自分の気持ちを決めていけばいいかわからなくなっているとため息をついた。
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