中国不動産バブル崩壊か!?

中国の不動産開発大手である「中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ)」の信用不安に対する懸念が、世界の株式市場を揺るがしています。

中国政府が同社の一部融資の利払いができないことを銀行に伝えたほか、同社が販売した理財商品(資産運用商品)が期限までに全額返済されず、投資家が本社に押しかける事態となっています。中国恒大集団の経営が破綻した場合の影響を株式市場は警戒しています。
 

なぜ破綻危機に陥ったの?

一般市民が不動産を購入できなくなるほど価格が上昇したことで、中国政府が地価の抑制策を進めたことが今回の経営危機の主因です。不動産市況が冷え込み、経営を直撃しました。

仮に倒産すれば、他の中国の不動産企業などの連鎖倒産や、資金を貸し出している銀行の融資焦げ付き、株式や社債を保有している投資家の損失といった影響が出ることが予想されます。市場では金融混乱が世界に波及した2008年のリーマン・ショック(アメリカの大手投資銀行、リーマン・ブラザーズの予期しない破綻)を連想する向きもあります。
 
価格が高騰していた中国不動産

価格が高騰する中国の不動産

 

破綻した場合、日本も影響を受ける?

中国恒大集団の株価は高値から10分の1以下になり、社債の価格は暴落しています。日本でも年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、同社に対し96億円強の投資額が存在すると報じられています。

内訳は債券59億円、株式37億円となっているようです。GPIFの運用資産額は20年度末で186兆1624億円。影響は0.05%と限定的です。しかも、債券価格や株価は戻る可能性もあります。
 

日本の不動産バブル崩壊と共通する点も!?

日本ではバブル経済による地価高騰や土地投機を抑制するため、1990年に大蔵省(現財務省)が金融機関に不動産向け融資を抑える「総量規制」を通達。日本銀行も利上げを実施しました。その後は地価暴落から不良債権問題が浮上し、日本経済は長期の低迷を余儀なくされた経緯があります。 

政府が主導となって不動産価格の抑制に動いた点で、今回の中国は類似しているともいえそうです。一方、習近平国家主席は8月に開催された中央財経委員会において、「重大金融リスクの防止」を強調しました。構造改革を進める際に金融不安は起こさないという意思表示に見えます。

実際、不良債権処理の国策企業である中国華融資管理は、習近平主席の発言に合わせるかのように資本増強が決まり救済されています。また、中国恒大集団よりも規模が大きく、傘下に上場企業13社を抱える「海航集団」が年初に経営破綻していますが、影響は限定的でした。
 

今後の見通しと中国投資への注意点

以上のことから、今回の中国恒大集団の経営危機は、仮に破綻となっても、債権者や関連商品に投資する投資家を除けば、影響は広がらない可能性が高そうです。ただ、中国政府が地価抑制策をさらに推し進めれば、当時の日本のような経済低迷になることは念頭に置いておくべきかもしれません。

中国は日本にとって最大の貿易相手国です。中国の経済状況が与える影響は少なくありません。特に中国との取引が多い日本企業の業績には、注意を払う必要もありそうです。また、中国は日本と違い、共産主義国家であり、共産党の一党独裁体制です。

中国株に投資する際には、中国特有のリスクがある点を認識しておく必要があるともいえるでしょう。

※記載している内容は、記事執筆時点のものになります。

【抽選で10名にAmazonギフト券1000円分プレゼント】All Aboutで「お金」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※2021/11/1~2021/11/30まで

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。