夫が既婚者合コンにはまっていた
既婚者による合コン、目的は友人作りなのかセフレ作りなのか……。夫がもし既婚者合コンにはまっているとわかったら、いったいどうしたらいいのだろうか。
マッチングアプリにはまっていた夫
「夫はスマホが大好きなんですよ。つきあっているときから、いつもスマホをいじっていた。最初は仕事が忙しいからしかたがないのかなと思っていたけど、どうやら仕事のためではなかったみたい。それがわかったのは結婚してからです」
ため息をつくのはナホさん(35歳)。33歳のときに、友人主催のホームパーティーで知り合った2歳年下の夫と1年後には婚姻届を出した。
「彼、有名企業に勤めているし、実家は会社を経営していて裕福。お金に苦労しないで育った人ならではのおっとりしたところがあって、私の言うことを何でも聞いてくれたんです。それがうれしくて、彼が『結婚しよう』と言ったときには天にも昇る心地でした」
ナホさんはごく普通のサラリーマンの娘。決して裕福な家ではなかったし、弟と妹がいたため、公立しか行かせられないと親に言われ、がんばって国立大学を卒業した。
「でも彼は小学校から私立。必死に勉強したことはなかった、テニスばっかりやっていたと笑っていました。『国立大学出ってすごいよね』とあっけらかんと褒めてくれる。そんな人のよさを好きになったんです」
友人からは「今まで待った甲斐があったね、いい人」と言われたそうだ。30代も半ばが近づいていたからこそ、「友人たちが羨むような男性とでなければ、結婚する意味がない」と思っていただけに、年下で育ちのいい彼と結婚できるのがうれしかった。
ただ、完璧な結婚はない。結婚するにあたって、彼女が不安に感じたことのひとつは「彼のスマホ依存」だった。
「結婚してからもゲームばかりやっているのかな、子どもが生まれてもスマホばかりいじっているのかなと、ちょっと不安でした。『スマホ、好きだね』と言ってみたこともあります。彼は『スマホには夢が詰まってるんだよ』と言っていました。私には理解不能でしたが(笑)」
そんな不安が、結婚後に現実のものになっていった。
性的な関係はないというけれど
結婚して1カ月もたたないうちに彼の帰宅が遅くなっていった。
「残業もあるし、仕事がらみの飲み会もあると聞いていたので、それほど気にしてはいませんでした。むしろ『お疲れさま』っていたわっていましたよ。共働きで私だって疲れているのに、最初はいい子になりすぎて家事も完璧にやろうとしていたから。夫は“いい妻”の私が気に入っていたようです」
それでも夫は頼めば可能な限り、週末であれば家のこともしてくれた。ただ、なんとなく心ここにあらずという状態が続くようになったのは結婚して半年ほどたったころからだ。
「家にいてもしょっちゅうスマホをいじっているのは前と同じなんですが、しきりに文章を打ち込むことが多くなった。トイレにもバスルームにもスマホを持って行くし、ときには夜中に突然『コンビニに行ってくる』と。いったい何をしているのか気になってたまりませんでした」
珍しく夫がテーブルにスマホを置いてバスルームに行ったとき、たまたま着信があり、ナホさんはメッセージを見てしまった。
「女性からでした。『今度はいつ会える?』って。夫に来たそんなメッセージを妻が見過ごしていいわけがない。リビングに戻ってきた夫に『これは何?』と言ったら、夫はさりげない調子で『友だち』と。デートみたいと嫌味を言うと、『合コンで知り合っただけだよ』って。合コンって何よと怒ると、『既婚者合コン。マッチングアプリで知り合った』と平然としているんです。その神経がわからなかった」
夫いわく、結婚後にマッチングアプリの既婚者合コンに参加するようになったのだという。ただの友だちづきあいしかしていないと言い訳をしていたが、結婚したのになぜ合コンなのか、ナホさんは理解できなかった。
「私じゃ満足できないということなのかと尋ねると、『何を言ってるの?』と夫。浮気したいということなのかと聞いても、『ナホは大事な僕の奥さんだよ』って。やっぱり不倫したいだけじゃないかと私は思ったんですが、夫は『既婚者ってけっこうモテるんだよなあ』とニヤニヤしている。この人、頭がおかしいのかしらと本気で思いました」
学生時代から親しくしている女友だちに愚痴ると、「まあ、現実に恋しているわけじゃないんだからいいんじゃない?」という予想外の言葉が返ってきた。
「しつこく聞いたら、彼女も既婚者合コンに参加したことがあるんですって。不倫したいわけじゃない、友だちになるだけだよと、夫と同じことを言っていました。友だちってわざわざ合コンで作るものですか? 夫に異性の友だちがいてもいいけど、わざと作ろうとしているのは不倫したがっているのと同じことだと思うんだけど」
夫の無神経さはナホさんを傷つけた。それからも既婚者合コンにいそしんでいるらしい夫とのこの先をどう考えたらいいのか。彼女の結婚観が揺れている。