1GB刻みのプランが特徴、通信量をシェアできるプランも
政府の後押しもあって、最近では非常に多くの低価格モバイル通信サービスが登場しています。そうした中でも知名度のある企業やブランドが展開しているサービスの1つに「イオンモバイル」が挙げられます。 これは文字通り、大手総合スーパー「イオン」を展開するイオンリテールが、携帯電話会社からネットワークを借りるMVNOとして展開しているモバイル通信サービス。提供している料金プランは大きく分けて3つあります。主力の料金プランとなるのは「さいてきプラン」で、その最大の特徴は通信量が1GB刻みで選べる柔軟性の高さにあります。データ通信と音声通話が利用できる「音声プラン」の場合、最も安価な通信量0.5GBのプランで月額1023円、その上位となる1GBのプランは月額1078円ですが、そこから上は2GB、3GB、4GB……と、10GBまで1GB刻みで料金プランが用意されており、10GBのプランを選んだ場合でも月額2068円での利用が可能です。 2つ目のプランは、さいてきプランより多くの通信料を利用したい人に向けた「さいてきプランMORIMORI」です。こちらは通信量が12GBから50GBまで6つのプランが用意されており、料金は音声プランの場合月額2170円(12GB)~6578円(50GB)となっています。
さいてきプラン、さいてきプランMORIMORIは共に、余ったデータ通信量の翌月繰り越しが可能であるほか、音声プランのほかにデータ通信専用の「データプラン」、そして1契約で最大5回線の利用が可能な「シェア音声プラン」が用意されています。
シェア音声プランは4GBのプランから提供されており、料金は同じ通信量の音声プランに月額330円をプラスした形。複数回線で利用するにはSIMの追加が必要で、1枚追加する毎に月額440円プラスする必要があるのですが、全てのSIMで通信量を共有できることから個々にプラン契約するよりかなりお得。家族で利用するとお得な内容といえるでしょう。
イオン店頭で契約が可能、シニア限定のプランも
ただこれらプランの料金内容を他の格安サービスと比べた場合、必ずしも最安値という訳ではありません。ですがイオンモバイルには他の格安サービスにはない大きな特徴があります。それはオンラインだけでなく、全国のイオンの店舗で契約できるということです。 格安のサービスの大半はオンライン専用なので、スマートフォンやインターネットに詳しくないと利用できないイメージがあります。ですがイオンモバイルはイオンの店頭で直接契約できることから、オンラインでの手続きに慣れていない人でも安心して契約できるメリットがあるのです。有料にはなりますが、主なアプリの設定や電話帳の移行などといったサポートを店頭で実施しているというのも安心感があるでしょう。そうしたイオンモバイルならではの特徴が生かされた料金プランが、3つ目のプラン「やさしいプラン」です。これは60歳以上限定のプランで、シニアのスマートフォン初心者に向けて提供されるものになります。
そうしたことからやさしいプランは、通信量や通信速度に制限があるものの、その分より安く利用できるのが特徴となっています。その内容は音声プランの場合、最も安価な「やさしいプランmini.」で通信量0.2GBで月額968円。より通信量が多い「やさしいプランS./M./L.」は通信速度が500kbpsと大幅に制限されますが、その分料金はさいてきプランより安く、最も安いやさしいプランS.は3GBの通信量で月額1078円での利用が可能です。 こうしたシニア向けプランはオンラインでの販売が難しいだけに、店舗での販売を実施しているイオンモバイルならではのサービスといえるのではないでしょうか。
2021年10月からは音声プランが220円値下げ
なおイオンモバイルは、2021年10月1日にいくつかのサービスを変更する予定です。1つは全ての料金プランの料金改定で、「さいてきプラン」「さいてきプランMORIMORI」の「音声プラン」「シェア音声プラン」、そして「やさしいプラン」は全て一律220円値下げがなされるとのこと。先に触れた「さいてきプラン」の0.5GBプランを例に挙げると、月額料金が1023円から803円へと値下げされることとなります。 さらにシェア音声プランのSIM追加料金も、月額440円から220円に値下げされます。それゆえ4GBのプランにSIMを1枚追加して利用する場合、従来は月額1738円+440円=2178円だったのが、料金改定後は1518円+220円=1738円で利用できるようになります。 そしてもう1つ、大きな変更となるのが音声通話です。これまでは専用の「イオンでんわ」アプリを使って通話発信した時だけ、通話料が通常の半額となる30秒11円で利用できる仕組みだったのですが、2021年10月1日からはスマートフォン標準の通話アプリを使って通話した場合でも、イオンでんわアプリと同様に30秒11円で通話できるようになります。加えて2021年内には、イオンでんわに通話し放題となる「フルかけ放題」が月額1500円で提供されることも明らかにしています。これまでイオンモバイルは、イオンでんわ向けに5分かけ放題(月額500円)、10分かけ放題(月額850円)のオプションサービスを提供してきましたが、新たにフルかけ放題を追加することで、格安なサービスでも長時間通話したい人のニーズに応えられるようになったといえるでしょう。
“格安”は欲しいがスマホにあまり詳しくない人向け
これら一連の内容を考慮すると、イオンモバイルはスマートフォンを低価格で利用したいけれど、スマートフォンにそれほど詳しくないのでオンラインでの契約に不安を抱いている人に適したサービスといえるでしょう。1GB刻みのプランはかなり複雑に見えますが、毎月プランを変更できることから、利用状況に応じてプランを適宜見直し、節約できる点はむしろメリットだといえます。ただし店頭での契約が可能だとはいえ、携帯大手ほど店頭でのサポートやサービスが充実している訳ではありません。手厚いサポートを求めるなら、やはり携帯大手のサービスを利用した方がいいでしょう。
またイオンモバイル携帯電話会社からネットワークを借りているMVNOという立場なので、昼休みなどの混雑時に通信速度が大きく落ちる場合があることにも注意が必要です。店頭での契約やサポートができて、なおかつ通信速度を重視するなら「ワイモバイル」「UQ mobile」など携帯大手のサブブランドを検討した方がよいかもしれません。
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