亀山早苗の恋愛コラム

「不倫夫」に揺さぶりをかけた妻たち。中学生の娘が悪乗り、「ぴえん」とLINEを送ってみたら…

夫の様子がおかしい。浮気しているのかもしれない。そんなふうに思ったとき、妻たちはどうするのが正解なのかは誰にもわからない。カマをかけてみたら意外な告白をされることもあるし、とたんに早く帰宅するようになることもあるようだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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夫の不倫を疑い、カマをかけた女性たち

夫の不倫

夫の様子がおかしい。浮気しているのかもしれない。そんなふうに思ったとき、妻たちはどうするのが正解なのかは誰にもわからない。知らん顔するのがいいのか、探りを入れるのがいいのか……。カマをかけてみたら意外な告白をされることもあるし、とたんに早く帰宅するようになることもあるようだ。

 

子どものメールを使って

「夫の帰宅が遅くなったのは、部署を異動してから。忙しいという言葉を信用していたけど、なんとなく様子が変でした。ぼんやりしていたり、妙に浮かれているような雰囲気だったり。だからちょっと揺さぶってみることにしたんです」

そう言うのは、リサさん(44歳)だ。結婚して15年、14歳と10歳の子がいる。どうやって揺さぶろうかと考えたとき、「夫を追い詰めるのは得策ではない」と思った。

「私が正面切って、浮気してるんじゃないのと言うのは避けたい。でももし本当に夫が不倫をしているなら、これ以上、関係を続けさせたくはない。夫は子どもがかわいくてたまらないから、どうせなら子どもの訴えにしたほうがいいかもと思いました」

中学生の娘に、「最近、お父さんの帰りが遅いよね、早く帰るように言ってくれないかな」と言ってみた。

「娘が乗ってくれて、『お父さん、浮気してんじゃね、みたいな文面はどう?』と言い出したので、渡りに船だと思いまして(笑)。それがいいと。娘は悪乗りして、『お父さんが浮気しているんじゃないかってお母さんが泣いてる。ぴえん』みたいにLINEで夫に送ったんですよ。そうしたらすぐに返事が来て『そんなわけないよ。お父さんはきみたちがいちばんなんだから』と。ついでに今日は早く帰れそうと言ってきて、本当に早く帰ってきました。夫の好物を並べ、下の男の子なんてはしゃいで夫とゲームしたりして。その晩、夫はしみじみと『うちはいいなあ』って。それ以来、前よりは帰宅が早まりました。本当に仕事が忙しかったら、急に早くなるのもおかしいんですけどね」

そのあたりは追求しなかったと彼女は言う。子どもを使って先手を打ったことが功を奏した可能性はある。だが、下手に子どもを使うと、そのことで夫がいらだつ恐れもあるので、それまでの子どもと父親の関係も考えたほうがいいかもしれない。

 

カマをかけたら、突然の告白

「自分で言うのもヘンだけど、本当に仲のいい家族だったんですよ、うち」

沈んだ様子でトモコさん(45歳)は言った。結婚して15年たつが、つい数カ月前までは毎日、夫とふたりで入浴、抱きしめられながら寝るのが日課だった。12歳と10歳の子どもたちにはいつもからかわれるほどのラブラブぶりだったのだ。

「でもあるとき、夫が急に『風邪気味だからリビングで寝るね。きみにうつしたくない』と言い出して。子どもたちが小さいころ、そんなこともあったので最初は気にしていなかったんですが、3日も4日もそういうことが続いて、これはおかしい、と。そこで夫に『好きな人でもできたの?』と聞いたら、『うん』と涙ぐんだんですよ」

ショックのあまり怒りを忘れたというトモコさん。なにそれとつぶやいてしまったそう。

「本当に好きでたまらなくて。胸が苦しいんだってせつなそうな顔をする。夫は3歳年上なので、『50歳近い、家庭のある大人が何を言ってるのよ』と一喝してしまいました。そして『そんなこと言うなら、今すぐ出て行って』と真夜中に夫を追い出したんです」

それから3カ月、夫は今も帰ってきていない。どうやら会社近くのカプセルホテルで寝泊まりしているようだが、おそらく女性とも会っているのだろう。

「今まで浮気なんて疑ったこともなかった。だから浮気じゃなくて本気なのかもしれません。夫が本気だったら、こちらも離婚を考えなければいけない。うちは共働きで生活費も折半ですが、このところ夫から生活費は入ってきていません。子どもたちには、お父さんとお母さんは今、ケンカしているからもうちょっと待っててと言っていますが、不安定になっているので心配です。夫がどうしたいのかもわからなくて」

トモコさんは、こんなことならカマをかけたりしなければよかったと思う半面、いずれは明るみに出たことかもしれないとも考えている。いずれにしても、夫の真意を確認するしかないのだが、彼女自身、ショックから立ち直れず、肝心なことから目を背けているのが現状だ。

「いきなり弁護士をたてて離婚方向に突っ走ったほうがいいのか、やり直すほうがいいのか。私の気持ちをはっきりさせなければいけないんですが、そこが決めきれない。本当に仲がよかったんです」

そう言うとトモコさんの目から大粒の涙があふれ出した。どういう結果になるにせよ、早めに連絡だけはとったほうがいいのではないか。そう言うと彼女はうなずいた。

1週間後、彼女から連絡があった。

「私から電話をして夫と話しました。一度、きちんと話そうということになって。夫もなんだか疲れ切った声を出していました。声を聞いたら私も泣けてきてしまって……」

意外な告白から崩れた夫婦関係。再構築することはできるのだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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