コロナ禍で男女の性欲は下がったのか?

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これまで私は、「男女の性の欲求のリアル」については、各種調査結果を分析したり主宰する夫婦仲相談所にセックスレス相談で来られる方々の意見を俯瞰したりで著書や記事に書き続けてきました(詳細は文末の関連記事をご覧ください)。

それが2020年、新型コロナウイルスが出現し、全世界的に「新しい生活様式」にともなう諸問題が勃発すると同時に、セックスレス問題を専門とする筆者のもとへは、

「コロナ禍によるステイホームで夫婦間セックスは増えたのか」

「未婚カップルはますますセックスレスになっているのか」

「密な関係を避けるオンラインセックスの普及状況を教えてください」

などなど、今までにない緊張した世界での寝室事情を質問される機会がグンと増えました。その際に私は、見解とあわせて「新しい“性”活様式」なるものを提案するようしています。

 

4人に1人が「性生活に変化」を感じる

株式会社TENGAが実施した「コロナと性」についての調査(2020年7月22日~27日、調査対象20代~50代の男女960名 ※1)によれば、コロナ禍により4人に1人が「性生活に変化」を感じており、特に既婚女性は性欲が低下傾向という結果になっています。
TENGA調べ「新型コロナウイルスと性生活に関する調査」

TENGA調べ「新型コロナウイルスと性生活に関する調査」

セックスは身体もメンタルも健康でなければ「しよう」という気持ちになりません。コロナ禍の不安で気持ちが沈み、密を避けろと言われて、他者接触に気乗りがしなくなるのでセックスから遠ざかるというのが一般的意見でしょうか。

今はファクトフルネスの時代です。コロナとセックスに関する論文が発表されていないものかと、泌尿器科医の吉江秀和先生におうかがいしました。

 

イタリアでは「性活動」に関する大規模調査も

2021年7月13日、イタリアでロックダウンと性的な健康に及ぼす影響、性活動がどのように心理的に影響するかを調査した結果が発表されたということです。さすが愛の表現に長けたラテン国。男女合計6821人におよぶ大規模調査(※2)です。

ロックダウン下で

(A)セックスを活発にしていた人:2608人
(B)セックスをしなかった人:4213人

の2グループ比較を行ったところ、(A)のアクティブセックス派は(B)のセックスレス派に比べて不安感やうつ病の発症リスクが低く、またパートナーがいない女性はさらに不安な症状が出やすいという結果です。

つまり、新型コロナ拡大で人々の心理的苦痛が増えるなかで、性的活動が苦痛をカバーする可能性が発表されたのです。

吉江先生いわく、

「一点注意して読まねばならないのは、調査対象がイタリア北部の特に感染拡大が重篤な地域在住ということで、偏りがあるかもしれないということです。そして、不安にならないために不特定多数の人とセックスせよという意味ではありません」

おっしゃるとおりです。あわせて、こんなコメントもいただきました。

「友人や職場の同僚など大人数では遊びづらいこんな時だから、最愛のパートナー、家族との時間をぜひ大事に。パートナーの肌に触れて愛情を感じる時間を大切にしてください」

 

コロナ禍で売れたセクシャルグッズ

2020年のロックダウン期間中には、性的玩具を販売するドイツ企業「ウーマナイザー」がグッズ販売の急増を発表。特にイタリア、アメリカ、日本等での需要が増えたと当時のCNNでも報じられています(※3)。日本のラブグッズメーカー「LCラブコスメ」さんにもうかがってみると、やはり「ステイホームでセルフプレジャーグッズの売り上げは伸びました」とのこと。

パートナーがいない人はセルフで楽しみますし、カップルでも長く家にいるとなると刺激的なグッズが欲しくなります。マンネリはセックスレスの一大要因ですから。長いステイホーム期間、少しでも快適に性活動をしようという意思が反映された結果といえましょう。

2020年は私のもとにもオンラインセックスについての取材も殺到しましたが、こちらは未婚カップルの性活動の一環です。



わが国ではステイホームが呼び掛けられ、夫婦一緒に過ごす時間が増えたことで、絆が強まってセックスレスを解消したというカップルと、一人時間を失ったことによるストレスと家事に非協力的などパートナーの嫌な一面ばかりが目についてセックスどころではないカップルの二極化が見られました。

2021年7月現在は、外に出る機会を徐々に取り戻し落ち着いてきたかと思われます。しかしコロナ禍でセックスレスに陥ったカップルがセックスレスを改善するのは容易なことではなく、夫婦仲相談所にはビフォーコロナ時代と同様のお悩み相談が寄せられています。

パートナーとのセックスレス期間が長引くことへの不安要因を少しでも減少させてバイタリティ溢れる生活をするために、「寝室事情」にメスを入れてみる時期ではないかと思うこの頃です。今回ご紹介した調査・論文を信じてトライするのは無駄なことではないでしょう。みなさんのQOLが上がった!といういい報告をお待ちしています。

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(監修)
吉江秀和(よしえ・ひでかず)先生:医学博士、大手男性専門クリニック本院院長。男性医学の第一人者である熊本悦明氏が立ち上げた「東京テストステロン研究会」に所属し、共に男性医学の啓蒙を行っている。

 (参考)
※1「新型コロナウイルスと性生活に関する調査」(2020年7月22日~27日、株式会社TENGA)
※2 Mollaioli、Daniele et al.”Benefits of Sexual Activity on Psychological, Relational, and Sexual Health During the COVID-19 Breakout”J Sex Med . 2021 Jan;18(1):35-49.
※3 性的な玩具販売が急増、感染阻止の封鎖が原因か(2020年3月14日、CNN)



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