個人年金保険は、老後に必要なお金を計画的に準備できるメリットが
民間の保険会社で販売している個人年金保険は、毎月・毎年・一括等で保険料を支払うことで老後、年金を受け取ることができる保険商品です。保険という名称があるので、年金を受け取る前(保険料を支払っている間)に死亡した場合には、一定の死亡保険金が支払われます。個人年金保険が向いている人とは
【1】「定額型」と「変額型」
- 定額型……決まったお金がもらえるもの
- 変額型……増える可能性、減る可能性があるもの
- 有期型……一定期間もらえるもの
- 終身型……一生涯もらえるもの
- 円建て年金……保険料の支払いや年金の受け取りを日本円で行うもの
- 外貨建て年金……保険料の支払いや年金の受け取りを外貨で運用するもの
個人年金保険でお金を増やしたいという人がいますが、増やす目的で「定額型」「円建て年金」を選択すると、現在は低金利のため大きく増やす可能性は難しくなります。増やすためには、「変額型」「外貨建て年金」などで損失リスク、為替リスクを自分で負わなければなりません。
「変額型」は保険料の一部を運用します。「外貨建て年金」は積立金を外貨で運用しているので、運用実績がいい場合や、円高で加入して円安で受け取れる場合はお得になります。
運用相場や為替相場は日々変動します。損をする可能性があるので注意しなければなりません。保険会社を通じて運用するため手数料負担が発生し、運用効率が下がることになるので、そのあたりもおさえておきたいものです。
個人年金は節税効果があることも。利用するとお得になる人とは?
個人年金保険が向いている人とはどんな人でしょうか? 例外もあるのですが、一般的な個人年金保険の定額型は、個人年金保険料控除が適用され、所得税から最大4万円、住民税から2万8000円が所得控除の対象となります。変額型は一般の生命保険料控除の対象となり、同額の控除額が適用されます。節税を少しでも考えていて、個人年金保険に入る余裕がある人は考えてみてもいいかもしれません。ある年齢になったら確実にお金を用意したい人で、貯蓄が苦手な人も向いているかもしれません。個人年金保険は、預金のように自由にお金を引き出せませんので、強制的に老後への蓄えをすることができます。
節税したい人、強制的に貯金したい人の他にも、余剰資金がある人や将来のインフレ対策を考えている人は「変額型」や「外貨建て年金」を考えてもいいかもしれません。
インフレとは物価が上がり、現在100円で買えるものが、110円払わないと買えなくなるということです。「定額型」で将来受け取れる年金額は一定ですが、「変額型」や「外貨建て年金」は、運用実績や為替相場によって増える可能性があり、インフレ対策に役立つ可能性があります。ただしリスクがあるということは把握しておきましょう。
個人年金保険に加入する場合の注意点
保険料の支払期間中は、お金が引き出せず、早期で解約すると元本割れをして損をしてしまいます。つまり余剰資金がある人が契約する保険だといえます。お金に余裕がない人は、別の方法で老後資金を準備しましょう。また、個人年金保険は、将来決まったお金を確実に貯めることができますが、大きく増やすことは難しいということを知っておきましょう。「定額型」は、引き出せない期間が長い割に利率が低く、「変額型」は、保険会社へ支払う手数料分、運用効率が下がります。効率よく増やしたい場合は、自分で投資の勉強をして、自ら運用することをオススメします。
監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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