実母より義母に親近感をもつ私は冷たい?

姑が好き

結婚すると、実家と義実家とのつきあいがむずかしいとため息をつく女性は多い。夫との間で、どちらとも公平につきあっていこうと話し合えればいいのだが、そこは家族観の違いもあり、なかなかうまくはいかないようだ。

 

実母とはもともと疎遠

「私は実母とは相性がよくないんです。実父とは独身時代もときどき、外で食事をするくらいには仲がいいんですが。実母は過干渉で、そこをうまく受け止めて私の逃げ場になってくれたのが父だった。結婚してからも実母の干渉がひどく、『二度とうちには出入りするな』と私が追い返したこともあります」

そう言うのは、トモカさん(41歳)。子どものころから着るものや友だちの選択すら、母が勝手に決めてきた。行きたい大学にも大反対され、父親が「好きなようにさせるのが親の務めだろ」と母を説得してくれた。

「母は大学に行くことじたいに反対だったんです。女が勉強して何になるって。でもそこは父と結託して強行突破。無事に大学には行けましたが、今度は夕方、大学前で母が待っているんです。『女の子だから危険だ』って。別の門から帰りましたけどね、もちろん。そうやってどんなに裏切っても、母は私につきまとっていました」

就職してからも、「何時に帰ってくるの」とたびたび連絡してくる母。社内でも「過保護な母」として有名だったという。就職して2年目には家を出てアパートを借りた。母には住所も知らせなかった。そのときようやく「自立できた」と思えたという。

結婚して10年、8歳と5歳の子を共働きで育てている。同い年の夫は、トモカさんの母への思いはわかってくれているが、それでも「親を追い返すのはどうかな」と言ったこともあるそうだ。

「いくら話しても、夫は他人だし、私の母への気持ちはわかってもらえない。だから、そういうものだと諦めています。私にとっては今の家庭がいちばん大事なので、母と疎遠になっているほうが精神的に安定できる。夫もそこは理解してくれたと思います」

コロナ禍になって、両親に子どもたちの様子などは写真やビデオで伝えるのが当然の風潮があり、「かえって助かっている」とトモカさんは打ち明けた。

 

義母のことは大好き

「自分の親子関係がヘンだから、夫の実家とのつきあいも気が重かったんです。ところが義父母はまったく干渉してきません。こちらから連絡しなければ、向こうからは全然連絡なし。他の家はそういうものなんだとびっくりしました」

トモカさんの実家は、自宅から1時間半ほどかかるが、夫の実家は自転車で10分ほど。それなのに義父母はやってくることもないし、来いとも言わない。それでも子どもの誕生日のときなどは自宅でささやかなパーティーをするからと連絡するのだが、「わざわざいいわよ、あなただって働いているんだから大変でしょ」と言われる。

「最初は私が歓迎されていないのかと思ったんですが、夫に言わせれば、子どもの誕生日にわざわざ呼ぶこともないよって。代わりに三連休などのときに子どもを連れて遊びに行くと、大歓迎してくれる。義父母はそういう人なんだとわかるまでに数年かかりましたが、わかってしまえば本当に気楽」

さらに彼女はそれほど多くはないつきあいの中で、だんだん義母の人となりに惹かれるようになっていった。

「お義母さんが、本当に器の大きな人なんだとわかってきて。下の子に先天的な病気があったんですが、そのときは知り合いやツテを頼って、その病気の専門の先生を探し出して手紙を出すなどものすごく尽力してくれた。こっちは慌てるだけで何もできなくて。結局、子どもをその先生に診せることができ、今はすっかり元気です。義母には足を向けて寝られない。涙ながらにお礼を言ったら、『トモカさん、困ったときはお互いさまよ』って涼しい顔をしていました。助けが必要なときはいつでも言って、できることはやるからといつも言ってくれて、それでいて干渉してこない。すごいことですよね」

70代に入った義母は、今も週の半分は働き、あとの半分は趣味やボランティアなどに多忙だそう。

「義父も仕事をしながら地域のボランティアをしていましたが、3年ほど前からなんとバンド活動を始めたとか。人生をじゅうぶんに楽しんでいるふたりは私のお手本です」

数年前、実父が「おかあさんが二世帯住宅を作ると言っている」と聞いたことがある。トモカさんはその話を一蹴した。だがもし、夫の実家からの話なら受けるかもしれないと思い、自分の中で実家より義実家のほうが重くなっていると感じた。

「しょっちゅう会っているわけじゃないけど、義父母を含めた家族LINEではふたりの健康状態などを気にかけています。実の両親との家族LINEは作っていません。夫は作ればと言ってくれますが、私が作りたくないので……」

実母は連絡が来ない、婚家に取り込まれていると怒っていると父が知らせてきたことがある。

「そういう情報は伝えないでと父に言っています。父も少し母を持て余しているんでしょうけど、私は母と関わりたくない。冷たいでしょうか……」

自分が冷たいかもしれないと罪悪感を抱えてしまう。それが親子関係のつらいところだが、「親が本当に動けなくなるまでは、このまま疎遠でいたい」とトモカさんは本音を漏らした。


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