そうした違いの1つに挙げられるのが「キャリアメール」です。各社のオンライン専用プランはいずれも、低コスト化のためターゲットとなる20代前後の若い世代があまり利用していないキャリアメールをカットしているのですが、従来の料金プラン利用者からすると、キャリアメールが使えないことがネックになって乗り換えがしづらいと感じている人も多いかと思います。 しかも現在のところ、キャリアメールは料金プランに紐づいているため電話番号のように番号ポータビリティで持ち運びができないことから、オンライン専用プランに移行すれば使えなくなってしまいます。
ですがメールは連絡手段としてだけでなく、さまざまなオンラインサービスを利用するのに必須の存在です。オンライン専用プランに乗り換えたとしても何らかの形で、メールアドレスを用意する必要があるでしょう。
そこで従来メインブランドを利用していた人がオンライン専用プランに乗り換える際、キャリアメールの代わりにどのようなサービスを利用すればよいのでしょうか。
GmailやiCloudのメールアカウントを使う
最も簡単なのは、スマートフォンのOSを活用するのに必要になる、グーグルやアップルが提供するメールサービスを利用する方法です。実際、Androidなら「Google Play」等を利用するのにGoogleアカウントを取得する必要がありますが、それを取得しておけば「Gmail」アプリで「gmail.com」ドメインのメールアドレスを使ってメールのやり取りができるようになります。 またiPhoneの場合も、「AppStore」などを利用するのにアップルのクラウドサービス「iCloud」に登録する必要がありますが、登録すれば「icloud.com」ドメインのメールアドレスを取得できますし、こちらも標準の「メール」アプリを使ってメールのやり取りが可能となります。これらのサービスはもちろん携帯各社の料金プランとは紐づいておらず、今後他のサービスに移行しても継続して利用可能です。利用料も基本的には無料ですが、メールを保存するクラウドの容量には制限があり、一杯になってしまった場合はお金を払って容量を増やす必要があるので注意して下さい。
iPhone利用者の場合、「iCloud」を使用していれば「icloud.com」ドメインのメールアドレスを取得できる。まだ作成していない人は、iOSのiCloudの設定画面から「メール」をオンにすれば作成可能だ
ただGoogleアカウントやiCloudのアカウントはオンライン専用プランへの乗り換え前に取得できますし、スマートフォンを利用しているならこれらのアカウントを既に取得している人も多いかと思いますので、乗り換えを決めたら早めに変更の対応を取っておくのがよいでしょう。
日常的なやり取りは「LINE」や「+メッセージ」を
キャリアメールを日常的な連絡手段として利用していたのであれば、これを機にその相手との連絡はLINEに移行することも検討すべきでしょう。ただ高齢者を中心として、やり取りする相手がそもそもスマートフォンを使っていない、あるいはインターネットに詳しくないなどの理由でLINEを使わせるのは難しいというケースもあるかと思います。そんな時は「+メッセージ」の使用も検討してみるといいでしょう。これはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯3社が提供しているSMSの進化版というべきサービスです。
+メッセージではSMSと同様、電話番号を通じてLINEのようなコミュニケーションができるのですが、データ通信を用いるのでSMSのように文字数に応じた送信料がかりません。また+メッセージを利用していない相手にはSMSとしてメッセージが届くので、携帯電話の番号が分かる相手であれば誰とでもコミュニケーションがとれるというのもポイントです。
ただオンライン専用プランのうち、+メッセージを使えるのはahamoとpovoのみ。LINEとの連携に力を入れているLINEMOは対応していないので、電話番号を通じたコミュニケーションをしたい場合はSMSを使う必要があります。
1年待てばキャリアメールの持ち運びが可能に?
一方で、そうした手続きを取るのが面倒、あるいはキャリアメールで取得したアドレスが気に入っているので変えたくない、といった人もいるかと思います。そうした人達はどうすればいいのか?といいますと、もうしばらく待てばキャリアメールを維持したまま、オンライン専用プランに乗り換えられるようになるかもしれません。といいますのも、総務省が2020年11月から実施している有識者会議「スイッチング円滑化タスクフォース」でキャリアメールの持ち運びに関する議論が進められており、一定の料金を支払うことでキャリアメールの持ち運びができる仕組みが整えられようとしているのです。 もっとも現時点では大枠の方針が決まってきたという段階であり、キャリア側のシステム対応などが必要なことからすぐ実現できる訳ではありません。それゆえ実際の提供時期は2022年頃と見られており、まだかなり時間がかかる見込みです。
いち早く料金を安くしたいのであれば、やはり手間を惜しまず代替のメールサービスを使用して乗り換えることをおすすめします。
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