東京メトロ半蔵門線とは
東京メトロ半蔵門線は、渋谷から表参道、青山一丁目といったハイセンスなエリアを通り、我が国の政治経済の中心地である永田町や大手町あたりを抜け、清澄白河、押上などのエリアを結ぶ16.8kmの全区間地下を走る路線だ。清澄白河や押上は古くからある下町にもかかわらず、近年はカフェ、アート、スカイツリーといったニューモードで人気となっている。<関連記事>
【東京メトロ半蔵門線のトリビア10選】九段下駅の「バカの壁」、住吉駅の留置線の謎、新型車両… 渋谷駅では東急田園都市線と、押上駅では東武伊勢崎線とつながり、3社で直通運転を行っている。田園都市線の終点・中央林間と東武日光線の南栗橋を結ぶ電車の場合、98.5kmを2時間以上かけて走行し、通しで乗る人はほとんどいないであろうが、意外に長距離を走る電車なのだ。
しかも、3社の車両が6種類入り乱れて運転されているので、どんな車両がやってくるのか楽しみな路線でもある。 このうち東京メトロの車両は、8000系と08系の2種類であるが、8000系は初期の車両は1980年に製造されたので、車齢は40年を超え引退の時期を迎えている。そこで新型車両18000系の登場となった。これにより、順次8000系を置き換えていき、2025年度までに全19編成190両の搬入を完了することになっている。
新型車両18000系のシンボルカラーは紫
では、新型車両18000系はどんな車両なのか見ていきたい。 丸みを帯びた外観は、先にデビューした有楽町線&副都心線17000系によく似ている。これからの東京メトロのデザインは、このスタイルになるのだろうか? 半蔵門線の路線のシンボルカラーは紫(パープル)なので、車体のストライプをはじめ、車内のシート、吊り輪、さらには運転席の座席までも紫で統一されている。それも濃淡さまざまな紫を取り入れたトーンオントーンの配色なので、モダンな感じがする。清澄白河に代表される伝統と新しさが交じり合う沿線の街を表現したとのことだ。 通勤電車なので、座席はすべてロングシートだ。従来と同じく7人掛けシートで、車端部の3人掛けシートは優先席であることを明示するため、背もたれの色を赤みを帯びたものとしてデザイン的にもアクセントとなっている。いずれも、モケットは日本の伝統的な織物のような柄をレイアウトして落ち着きのある感じがする。バリアフリー対策
バリアフリーを重視する社会を反映して、10両編成すべての車両に車椅子やベビーカーをゆったりと置けるフリースペースが設置されている。利用がないときは、一般客の立席となるが、身体を寄りかからせることができるように紫色のクッションのような横棒が設置されている。 車椅子やベビーカーを車内に持ち込むときには、タイヤが引っかからないように、ドアレールの一部を切り取るとともに、床面高さを従来車に比べて低くとり、ホーム側へ傾斜させてホームとの段差を少なくしてスムーズな動きができるように配慮した。また、車体の外観上部にはピクトグラムでフリースペースであることを表示し、利用者の便宜を図るといったサービスも忘れていない。コロナ対策など安心・安全な車両を目指して
車内では、ときに乗客の間でトラブルが起こったり、犯罪が発生したりする可能性もある。そこで新型車両には、防犯カメラを各車両に複数台設置。死角なく車内全体の状況を把握できるようになり、防犯効果とともに安全性をアピールしている。 また、このところのコロナ禍に対応するため、座席表地には抗菌・抗ウイルス加工を施し、消臭作用を有する素材を取り入れた。さらには、車内換気のための窓開けの開口目安を知らせるステッカーを窓枠に貼って、案内を強化している。 車両性能の向上や安定性、省エネ性向上など技術面での進歩は言うまでもないことだが、利用者目線に立って、安心・安全な車両を目指していることは高く評価したい。各種性能試験や乗務員の訓練は、半蔵門線内はもちろん、相互直通先の東急、東武線内においても実施中だ。2021年8月に予定されている営業運転開始が待ち遠しい。取材協力=東京メトロ
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