コロナ禍でがん検診受診者が減少……乳児健診の状況は?

乳児健診のイメージ

健康に見える子でも乳児健診を受ける必要はある? 健診は不要不急ではありません

コロナ禍で多くの方が不要不急の外出を控えていると思います。「乳児健診」の数については調査報告がありませんが、日本対がん協会が全国の支部に行ったアンケートでは、今年度のがん検診受診者は「例年に比べ3割以上減少する」との結果が出ています。なお、「健診」は健康診査の略で、健康状態を診て異常を発見するために行い、「検診」はある特定の疾患を発見するために行います。

私が勤務する病院で行っているのは1ヶ月健診と10ヶ月健診のみのため、大きく減少している印象はありませんが、今後の流行状況に左右される可能性はあると考えています。
 

乳児健診で見つかる異常・病気……特に重要な1歳6か月児健診・3歳児健診

法律で義務とされている乳児健診は1歳6か月児健診と3歳児健診のみです。幼児期において、身体発育および精神発達の面から最も重要な時期に、医師、歯科医師等による総合的健康診査を実施し、その結果に基づいて適当な指導および措置を行うことを目的に定められています。

1歳6か月になると歩行や言語等の発達がみられることから、運動機能、視聴覚等の障害、精神発達の遅滞等の心身障害の早期発見、むし歯の予防、栄養状態などの点を中心に健康診査が行われます。同時に、栄養、心理など保護者への指導も行われます。3歳では、身体の発育、精神発達面や視聴覚障害の早期発見などを目的としています。健康診査の結果、異常が認められる場合には精密診査や事後指導等が行われます。

自治体によって、1か月健診(多くは出産した場所で行われることが多い)、3~4か月健診、6~7か月健診、9~10か月健診、12か月健診、2歳健診があります。子どもの成長の過程の節目で発達を見ていくことで、予防接種の有無、先天性代謝異常、先天性股関節脱臼、腹部腫瘤、心疾患、腎臓の病気などの病気の早期発見が可能になるためです。これらの異常の早期発見は、その後の子どもの健やかな成長のために、とても重要です。発達においては、早期介入することで発達の遅れが軽くなることもありますし、病気でいえば、早期治療が可能になります。私自身も、過去に担当した健診で、神経芽細胞腫の子どもを発見したことがあります。
 

乳児健診は不要不急ではありません。指定期間にしっかり受診を

不要不急の外出ばかりが強調されていますが、健診は不要不急ではありません。感染拡大した場所、状況がある程度わかっているならば、その状況を避けることで感染リスクも下げることができます。

子どもの成長の中で診断が必要になるのは、例えば生後1か月も3歳も1回しかありません。また、新型コロナウイルス感染症は、今後の変異株に注意は必要ですが、子どもでの感染が少ないこと、重症化しにくいこと、子どもの感染は子ども同士の感染より大人からの感染が多いことを考えると、大人が感染対策をして健診をしていくことが重要です。

もちろん体調の悪いときには、健診を延期することも必要です。水痘ワクチンが定期接種になっていない時代に、ジフテリア・破傷風・百日せきの3種混合ワクチンの集団接種会場で、水疱瘡に感染してしまった子どももいました。

現在の健診は、個別でない場合の集団健診はしっかりとした感染対策がされていると思います。決められた日に人数を減らして行っていると思いますので、体調に問題がない限り、できるだけ指定された日に健診を受けておきたいものです。
 

コロナ禍の育児不安も相談を! 活用すべき乳児健診

感染拡大の状況下では、小さな子どもと一緒でも、家で過ごす時間が長くなると思います。コロナ禍の育児で不安もあるかもしれませんが、不安を抱えている方にこそ、健診を受けていただきたいです。他の人たちとの交流が少ない中で、育児に関する情報が偏ってしまうこともあり得ますので、抱えられている不安も健診時に相談されるとよいでしょう。

今、コロナ対応のために保健所業務も増えていますが、新型コロナ対応を行いつつ、本来の業務である子どものための健診も行っています。異常や病気の早期発見だけでなく、今後の健康をあ守るための予防接種の接種状況やスケジュール確認、育児相談など、しっかり活用するようにしましょう。
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