プラントベースミルクとは……豆乳・アーモンドミルク・ココナッツミルクなど
プラントベースミルク(植物性乳)が脚光を浴びています。牛乳アレルギーの人に適していることは分かりますが、ほかにどんなメリットがあるのでしょうか?
代表的なものは、日本でもおなじみの豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルクなどで、最近はえん麦を使ったオーツミルクも人気です。
豆乳やアーモンドミルクなどのプラントベースミルクが人気の理由
プラントベースミルクは動物性食品を一切食べない「ヴィーガン」と呼ばれる人たちの間で広まりました。牛乳を得るために動物を殺しているわけではありませんが、ヴィーガンの人たちにとっては動物性食品に違いありません。そこでその代用食品として豆乳やアーモンドミルクなどのプラントベースミルクが着目されたのですね。次第にプラントベースミルクは健康効果も注目され、さらにサステナビリティの観点から見ても有効であることから、ヴィーガンではない人たちにも広がり始めました。また「乳製品アレルギー」をもつ人にとっても、周りと同じような食事を摂ることを可能にしてくれる食品として喜ばれています。
オーツミルクとは……オートミールなどに使われるえん麦が原材料
オーツミルクはえん麦(オーツ麦)を使って作ったミルクです。オーツ麦はカルシウムが豊富に含まれているので、オーツミルクもカルシウムたっぷり! 牛乳アレルギーの人の代替食として最有力候補としたい乳です
豆乳は「豆(大豆)」が原材料、ココナッツミルクは「ココナッツ」が原材料であることは、名前から簡単に推測できますが、「オーツ」とは何?という人もいるのではないでしょうか。実はこの「オーツ」は「えん麦」という麦の仲間。読み方は「えんばく」です。「えんむぎ」と読まないように気を付けてくださいね。
「えん麦」と聞いてもなじみがない、スーパーで見たことがないと思う人もいるかもしれません。実は、えん麦は「オートミール」や「グラノーラ」の原材料です。オートミール同様、オーツミルクもえん麦を胚芽部分がついている状態ですりつぶして作ります。
そのため、オートミールと同じようにビタミン類を多く含み、水溶性食物繊維も豊富に含まれていることから、コレステロール低下作用や、血糖低下作用などの健康効果が期待できるといわれるのです。 牛乳アレルギーの人の代替食として最有力候補としたいプラントベースミルクといえるでしょう。
オーツミルクとアーモンドミルクの違い
アーモンドミルクはビタミンEが豊富に含まれているため、生活習慣病対策に効果が期待できます。アーモンドの甘い香りがうれしい乳でもあります。
オーツミルクとアーモンドミルクは原材料が違うことは理解できたけれど、どちらを選べばよいのか迷ってしまうという人もいると思います。基本的には味の好みで選べばよいようにも思いますが、狙いたい健康効果によって選びたいという人もいると思います。
オーツミルクとアーモンドミルクは日本食品成分表2020年版に記載がありませんので、スーパーマーケットで比較的入手しやすい商品と、日本食品成分表2020年版に記載されている牛乳、低脂肪乳、豆乳と比較できるよう、一覧表にまとめました。
成分表は100gあたり、商品は100mlあたりの記載です(比重の関係で100gと100mlは若干違います。微差ではありますが、念のため記載しておきます)。
こうしてみると、アーモンドミルクはビタミンEを豊富に含んでおり、カロリーも低いことが魅力です。低カロリーなので、カロリー過多や、ビタミンEの抗酸化作用による、老化や生活習慣病予防効果が期待できます。オーツミルクは低脂肪牛乳並のカロリーを含んでいますが、カルシウムも牛乳と同じくらい含まれていることがわかります。
牛乳アレルギーの子どもなどにカルシウム源として飲ませるのであれば、オーツミルクが断然、適しているといってよさそうです。
日本人は豆乳にはなじみがありますが、その他のプラントベースミルクにはなじみがなく、これからの食品と言えると思いますが、健康や美容効果も期待できて、「持続可能な社会」の実現のためにも有効な食品です。
まだまだ一般的な牛乳のほうが安価で手に取りやすいですが、プラントベースミルクはさらに美味しくなることも期待できます。これから注目していきたい食品です。
■参考
アーモンドミルクとは - アーモンドミルク市場(アーモンドミルク研究会)
たっぷり食物繊維 オーツミルク 砂糖不使用 (Alplo)
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省)