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FIREとは?アーリーリタイア(早期退職)との違いや必要な金額は

早期リタイアとも異なる「FIRE」という概念が欧米を中心に流行しています。いったいFIREとは何なのか? また、FIREを実践するためにはどう行動すればよいのか? アーリーリタイア(早期退職)との違いや必要な金額について解説していきたいと思います。

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

FIREとは?アーリーリタイア(早期退職)との違い

「FIRE」とは?

「FIRE」とは?

コロナ禍をきっかけに、リモートワークが進んでいます。また、働き方を見直す動きも多く見られるようになってきました。

そんな中、欧米では「FIRE」を実践することが流行しています。FIREとは、Financial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期退職)の頭文字をとった造語です。お金のために65歳や70歳など人生縛られることなく、ある程度の毎年の生活費を確保できるような仕組みを構築したうえで早期退職する。こうした生き方、考え方を指しています。  
 

「FIRE」は早期リタイアとは何が違う?

何やらうらやましい話だな。そう思う方も多いかもしれません。しかしながらFIREは早期リタイアとは異なります。早期リタイアは、ビジネスで成功したお金や相続などによる大金を手にした人が40代などで仕事を辞め自由に生きる。まとまった資金が必要といったイメージでしょうか。

それに対して、FIREは毎年の生活費を賄える程度の投資額を確保し、収益により生活するスタイルです。そのため、人により確保すべき投資額は異なり、ある程度の生活資金が確保できるスタイルであれば、誰でも実践は可能といえます。
 

FIREのためにはいくら必要?

FIREを実践する方の中での一つの目安となる金額が「年間支出の25倍」。つまり、日々の生活費の25年分を確保することが最初の目標といえます。しかしながら、25年分では、35歳の人がFIREを実践したとしても60歳までの生活費しかないではないか? 確かに貯めたお金から生活費を捻出するのであればそうなります。

FIREでは、この貯めたお金を運用します。ここで重要となるのが「4%ルール」です。4%ルールとは、年間で4%+インフレ率分の収益を稼ぐことができれば、年代に関係なく経済的自立を目指すことができるというルールです。

例えば、年間支出が200万円であれば25倍の5000万円を貯めればよいことになります。日本の場合、現状インフレとははっきりいえる状態ではないため、仮にインフレ率が0%であれば、5000万円×4%=200万円となり、4%の運用ができれば毎年の生活費が確保できる見込みとなります。あとは好きなように時間を利用し楽しい人生を過ごそう。これを実践しましょうというのがFIREです。
 

贅沢をしなければコツコツ貯蓄でFIREは可能

いくらぐらいの収益を目指すか? また、いくら貯めるかはその人の今後の生活の仕方、どこで住むかなどによっても異なります。あくまで年間支出の25倍や4%は一つの目安であり、皆さんがどう生きたいかで異なります。

また、すべて仕事を辞める必要もありません。やりたいことをしながら充実した人生を送ることができればよいわけであり、週に1~2回働くというのもよいでしょう。贅沢をしなければコツコツ貯蓄を行い、誰でもFIREの実践は可能です。お金持ちになることがFIREの目標ではなく、充実した人生を過ごすための経済的自立を目指すことがFIREなのです。働きながら実践することも可能といえます。
 
以上、FIREについて解説しました。少しでもFIREに近づいた生活を行いたい方は、今日からでも貯蓄に励みましょう。そしてお金に縛られない生き方を少しでも実践できればFIREの仲間入りといえるでしょう。

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