コロナで強まった衛生意識。乳幼児の風邪や感染症も減少?

乳幼児期の過剰な衛生管理は、将来的な免疫に問題はない?

新型コロナにより衛生管理が徹底的に

新型コロナウイルスの拡大に伴い、マスク着用やこまめな手洗い、アルコール消毒などのしっかりした感染対策が一般的になりました。小さなお子さんを育てている親御さんも、感染対策に気を付けられていることと思います。

もともと乳幼児はウイルスに対する抗体をほとんど持っていません。そのため、大人以上に頻繁に風邪をひいて発熱したり、さまざまな感染症にかかったりするものです。風邪は正確には「急性上気道炎」と言います。風邪は、ライノウイルス、RSウイルス、コロナウイルスなど、原因となるウイルスの種類が多いため、特効薬や効果的なワクチンもありません。これらのウイルスに対しては、かかりながら免疫をつけていくことになります。

その意味では、乳幼児のうちに風邪や感染症にかかることは、免疫をつけていく上で意味があることとも言えるでしょう。しかし合併症や重症化のリスクもあるため、ウイルスに対して無防備な方がよいということでもありません。

現在のような徹底した感染対策は、乳幼児の成長にとってどのような影響が考えられるのか、メリット・デメリット、大人がすべきことを解説します。
 

乳幼児期の衛生管理・感染対策は徹底すべき? メリット・デメリット

結論からですが、乳幼児期の衛生管理や感染対策は、子どもの健康に有益です。特に免疫力がそう強くない3歳までの年齢では、ただの風邪やちょっとした感染症でも、合併症や重症化リスクを伴います。幼少期にRSウイルスやライノウイルスにかかることで、将来、気管支喘息になりやすくなるとの報告もあります。将来的な免疫と天秤にかけて考えても、感染対策は望ましいことだと思います。

現在最も問題になっている新型コロナウイルス感染症は、子どもの重症化率は低いと報告されていましたが、変異種の増加により、子どもの感染者も多く報告されるようになりました。今後子どもの重症化リスクが高まった等の報告があれば、子どもの感染対策もいっそう必要になってきます。

新型コロナウイルス以前の状況を見ても、近代は衛生的な環境になっていく中で、乳幼児の深刻な感染症は減少してきました。日本国内で見ると、コレラや赤痢などの細菌感染症も減りました。肺炎球菌やインフルエンザ桿菌など、子どもがかかると重症化して細菌性髄膜炎を起こすリスクを持つ細菌感染症も、ワクチン接種によって減少しています。結果的に多くの子どもの命や健康が守られています。ワクチンや感染対策などで、乳幼児期にはなるべく感染症にかからないようにすることは大切なことです。

過剰な衛生管理により懸念されることを挙げるとすれば、アレルギー疾患の増加の可能性が指摘されています。これは「衛生仮説」というもので、「乳幼児期の衛生環境が個体の免疫系の発達へ影響を及ぼして、その個体がアレルギーになりやすいかどうかを決める」と考えられているものです。

また、マスク着用で息苦しさを感じるなどの精神的ストレスや、過度な手洗いによる手荒れ、人混みを避ける生活が長期化することで、子どもが社会生活を送る上での精神発達に影響する可能性があるのではと指摘する声もあります。これらについては、身近な大人が適宜できる範囲でケアをしていくのがよいでしょう。
 

乳幼児の健康のためにできること・コロナ禍での子育てで不安を感じている方へ

私の子どもはもう成人していますが、小さい頃もほとんど感染症にかかりませんでした。気を付けていたことは、身近な大人がしっかり感染対策をすることと、子どもには可能な限りワクチンを接種させることの2つです。RSウイルス感染症や百日咳など、大人から子どもにうつるとひどくなる病気もありますので、子どもの健康を守るために、子どもに接する大人が感染対策を徹底することは効果的で、重要なことだと思います。

コロナ禍の子育ては誰にとっても経験のないことですので、マスク着用や集団で集まりにくいといった状況ではありますが、同じくらいの子ども同士のコミュケーションや社会生活など、その年齢の成長において必要なこともあります。バランスが重要だと思いますので、感染症についての正しい知識を持って、まずは身近な大人の感染対策の徹底、そして可能な範囲で子どもも感染対策をしていくのがよいでしょう。

新型コロナウイルス感染症においては、子どもの重症化率が低いうちに、ワクチン接種ができる大人が免疫をつけて社会全体で集団免疫を作り、子どもの健康を守りたいものです。ワクチンが接種できるまでは、しっかりとした感染対策を続けましょう。
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