「子ども庁」の創設検討がはじまった
2021年4月1日に、自民党の議員が立ち上げた子育て問題を議論する勉強会のメンバーが、菅首相に「子ども庁」の創設について提言書を手渡ししました。首相もこの提言書に対して前向きな姿勢を示し、次期衆院選の目玉公約として掲げる方針となる見込みです。さて、この「子ども庁」、一体何を行うために作られることになりそうなのでしょうか? 解説していきたいと思います。
「子ども庁」とは? どんな役割を担う?
子どもに関わる政策を一元的に担当する見込み
現在、保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省、認定こども園は内閣府の管轄となっています。また、教育は文部科学省、子育ては厚生労働省、虐待があった場合には警察庁が担当する構造になっています。子どものことについて一元的に管轄している省庁があるわけではなく、縦割り構造のため、省庁間の連携ができておらずスムーズな政策を打ち出しにくい。こうした縦割り構造を打破し、子どもに関わる政策を一元的に担当する「子ども庁」を創設することでスピーディーに要望に応えられるようにすることが目的のようです。自民党の勉強会では、子ども庁の創設と同時に専任の大臣を置くように求めています。
子どもに関わる問題を一元的に担当できることで、これまで以上に効率的かつ横断的な対応が期待されます。
就学前政策を軸に検討されている
具体的にどのようなことを行うのか、どこまでを管轄できるのかまでは現状では詳しくは分かりません。2021年4月22日の報道によれば、就学前の子どもの政策を所管する組織として検討されている模様です。そのため、保育園や幼稚園など就学前のお子さんに関連する政策を一元的に扱い、虐待や貧困など福祉に関する政策も取り扱われることになると思われます。大規模な組織再編までは至らない見込みである
一時は保育園など就学前の子どもだけではなく、小学校、中学校までの義務教育移管も含め大規模な組織再編も検討された模様です。しかしながら、選挙という時限もあるからでしょう。まずは就学前に的を絞った政策を所管する組織を作ることになりそうです。なお、省庁とよくいいますが、省は内閣の統轄のもとで行政を担当します。各省には担当大臣がいます。一方、庁は内閣府や各省の外局として設置される行政機関です。省内部から切り離して、業務関係が複雑にならないように庁が置かれています。子ども庁もそうした位置関係にあるといえましょう。
以上、2021年4月23日時点で判明しているこども庁創設の動きとその内容について解説しました。コロナ禍の影響もあり、2021年1月の出生数が前年同月比14.6%減となった日本。長期的に見てこの傾向が続けば、経済にマイナスの影響となりかねません。少子化対策も手厚い政策が必要です。菅政権の今後の目玉の政策となるか、今後の動きに注目してみましょう。
【おすすめ記事】
・4月から消費税込み「総額表示」義務化! 100円ショップはどうなる?
・「ふるさと納税」が各地で過去最高額! あらためて知りたいメリット/デメリット
・【5分で分かる】社外取締役とは? 一問一答で分かりやすく解説!