キャッシュレス時代でも「小さい財布」では困ることも……
キャッシュレスの時代に向けて、コンパクトな財布が次々と登場しています。それはそれで正しい方向だと思いますし、筆者も、例えばエムピウの「ストラッチョ」や、ルボアの「ミニット」などの小さめ財布を愛用していますし、safujiの「キー付きミニ財布」など、小型の財布のプロデュースも行っています。しかし、財布に入れるものは、キャッシュだけではありません。キャッシュレス時代になってもカード類は減りそうにありませんし、買い物をすれば、領収書やレシートを受け取ります。コンサートなどのチケットは財布に入れておきたいし、切手や絆創膏、名刺などを財布に入れている人もいます。私はギターのピックや割引券なども財布に入れています。
つまり、用途によっては財布が小さすぎると困ることもあるわけです。財布は、お金を入れるものというより、生活の中で身に着けておきたい、紙片などを入れておくための「道具」でもあるからです。
ショッピングモールでもらう大量のレシート類に対応
cyproduct(以下、サイプロダクト)の「MallMaster」は、ショッピングモールでの買い物と、チケットなどの持ち歩きたい紙片の収納に特化した、小さくないけれどミニマムな財布です。というか、もはや、これは財布ではなく、キャッシュレス時代のポケッタブルケースというべきものかもしれません。構造は、いたってシンプル。二つ折りの札入れの中に、カードポケットがひとつ、札入れの仕切りのような形で付けられている、それだけのものです。このミニマムな構造は、ショッピングモールでカードを使って買い物をするという用途に絞って作られたもので、基本的な使い方としては、カードポケットにカードを3枚、クレジットカードや交通系カード、モールのポイントカードなどを入れるように想定されています。
そして、カードポケットの外側に映画のチケットやクーポン、念のための紙幣を、内側に領収書やレシート、カードの取引票などを収納します。余分な機能がないため、モノの出し入れがスムーズで、収納もスマートに行えるわけです。
お金を入れるだけではない財布の可能性
この構造は、サイプロダクトのデザイナー齋藤義幸氏が自ら、いくつもの試作品を作って、何度もショッピングモールで実際に使ってみて細部を詰めていったもの。それだけに、シンプルながら、本当によく考えられています。齋藤氏によると、「カード払いをすると1店舗でレシートを3枚受け取り、4店舗回ると最低12枚のさまざまなサイズの紙類が集まります。返品交換する場合のことを考えると受け取らないという選択肢はありません」ということで、その大量の紙片を捌くためには通常の財布では、面倒が多いのです。もちろん、小型の財布ではその量を賄えません。
シンプルな機能に合わせたスッキリしたデザインは、留め具の部分の革を別のパーツにすることでデザイン性も感じさせるルックスに仕立ててあり、サイプロダクト製品のいつもながらのセンスの良さが光っています。
たぶん、財布であることにこだわる必要はないのだと、この「MallMaster」は教えてくれたんだと思います。もちろん、まだ財布は必要です。でも、それとは別に、「使う場所に特化したツール」があってもいい、というか、そういうツールを使い分けるのが、キャッシュレス時代なのかもしれません。
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