飛びつき買いと狼狽売りに注意!
僕の経験上、スマホ投資では「飛びつき買い」と「狼狽売り」をしやすいです。ここでの「飛びつき買い」とは、自分の欲しい株が値上がりしたときに「急いで買わないと、もっと上がってしまう!」と心配になって、慌てて高値で株を買ってしまうことです。僕自身、目をつけていた株がスルスル上がっていくのを見て、慌てて飛びついて買ったことが何度かあります。また「狼狽売り」とは、自分が持っている株が値下がりしたときに「急いで売らないと、もっと損をしてしまう!」と怖くなって、慌てて安値で株を売ってしまうことです。
僕自身、持っている株がドカンと下がったときに、慌てて投げ売ったことが何度かあります。株式投資では「安く買って高く売る」ことが基本です。ですが、上記2つは基本の逆で「高く買って、安く売って」しまったのです。
スマホ投資で失敗してしまう理由
一応、僕は株式投資の専門家ですが、スマホ投資になったとたん失敗してしまったのです。僕がスマホ投資で失敗してしまったのは、その「便利さ」ゆえでしょう。本来、僕らは「大きな買い物(取引)をするとき」ほど、ミスがないように慎重に吟味すべきです。たとえば、「2000万円の家を買う」となれば、何カ月もかけて、場合によっては何年もかけて吟味するはずです。人によっては、家を買う前に何十冊と本を読んで勉強し、買おうとしている家について入念に調べるでしょう。
ですが、スマホ投資は「手軽過ぎる」がゆえに、あまりに衝動的・直感的に株の売買ができてしまいます。それこそ、「買おう」と決めたら、その30秒後には1000万円分の株を買えてしまいます。
逆もしかり、「売ろう」と決めたら、その30秒後に1000万円分の株を売れてしまいます。このように、スマホ投資では「ゆっくり検討するべき」ときでさえ、衝動的に買ったり売ったりできてしまうのです。
僕の場合、パソコンで株を取引するときは、「本当に取引すべきか?」とじっくり吟味する癖がついています。ですが、スマホ投資になるとスイッチが切り替わってしまうようです。ひどいときには、アマゾンでショッピングをするのと同じ感覚で、冷静さを欠いた取引をしたこともあります。
アマゾンで1000~2000円のものを衝動買いするのは可愛いものです。ですが、スマホ投資で100万~200万円の衝動買いをするミスは笑えません。
スマホ投資は手軽さゆえに衝動的になりやすい
スマホ投資での衝動売買はいつ起こる?
2012年に行われたアンケート調査(1)によれば、「よく衝動買いをしてしまう」「たまに衝動買いをしてしまう」という人は、消費者の約7割にのぼるそうです。だから、一般的な消費者なら、スマホ投資で「衝動買い」や「衝動売り」をしてしまうリスクは誰にでもあります。衝動買いは「HALT」と呼ばれる、僕らが「誘惑に負けやすいとき」に起こりやすいと考えられます。
HALTとは、以下の4つの英単語の頭文字を取った造語です。
- Hunger(空腹)
- Anger(怒り、ストレス)
- Loneliness(孤独感、寂しさ)
- Tiredness(倦怠感、疲れ)
衝動売買を予防するには?
ここで気になるのが、「スマホ投資での衝動売買を、どうすれば予防できるか?」でしょう。考えられる方法はいくつかありますが、ここでは僕が使っている2つの方法をご紹介します。1つは、「スマホから株取引アプリを消すこと」です。大きな判断ミスを防ぎたいなら、これがベストだと思います。僕自身、スマホには株取引アプリが1つも入っていません。
もう1つは、「日中に株価を見ないこと」です。日中に株価を確認してしまうと、つい「取引したい」という気持ちが湧くものです。
だから、そもそも株価を見なければよいのです。リアルタイムな投資情報が見られるサイトのブックマークは、外してしまうくらいでもよいでしょう。よく「株式投資でもっとも成功する人は、自分が株を持っていることを忘れている人(=余計な心配をして余計な取引をし、自滅しない人)」といわれます。
こんな提案をすると、「スマホ投資の記事なのに、アプリを消すだの、株価を見るなだの、本末転倒じゃないか!」とツッコまれそうですね(苦笑)。ですが、スマホはあくまで道具。「スマホを使うこと」は目的ではなく手段です。
必要なときにだけアプリをダウンロードして、株を買う。用が済んだらアプリは削除し、「衝動売買で失敗してしまうリスクを抑える」という道もアリだと思います。
【参考文献】
- 調査:株式会社アスマーク, 2012, "衝動買いに関するアンケート調査"
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