有名人妻をもつ男性との不倫。
ニュースキャスター小川彩佳さん(34歳)の夫が不倫をしたとして世間を賑わせている。夫は名門・開成高校から東大医学部に進み、脳神経外科医となったエリート。その後、アメリカ留学を経てヘルスケアコンサルタントに転身。同級生が創業した会社の共同代表となって医療関係の事業で新機軸を打ち出すなど、業界の革命児として知られていた。
とはいえ、知名度は圧倒的に妻のほうが上である。
「有名で素敵な妻」を持つ男と知り合って恋に落ちる女性の心理は、どういうものなのだろうか。
ある種の優越感
「全国的に知られている有名人ではないけど、私がつきあっていた既婚彼の妻は、私がいた業界では有名な人でした」
そう言うのはユキさん(36歳)だ。妻はとある企業を興してバリバリ活躍している女性で、ユキさんはそんな彼女に憧れてその企業に入社。
「3年ほど働いているうちに、社長と直接話す機会があって気に入られ、秘書のような立場になりました」
彼女の夫・ヨシオさんとも自然と知り合い、ホームパーティーなどにも呼ばれるようになっていく。当時、社長は43歳、ヨシオさんは46歳だった。
「ヨシオさんは社長の仕事とはまったく関係なく、とある有名企業のエリートサラリーマンです。多忙で海外出張なども多かったんですが、ホームパーティーは必ず参加していました。妻である社長とも仲がよくて、いつも羨ましいと思っていました」
あるとき、社長宅のパーティーで少し疲れていたユキさんが、広いバルコニーの片隅でぼんやりしていると、ヨシオさんが話しかけてきた。
「たわいもないことを話したのですが、ヨシオさんとゆっくり話したのは初めてでした。感じがよくて、意外と気さくで楽しくて。そのとき、奥さんがこんなふうに有名だと大変なことってありますかと尋ねたんです。そうしたら『いや、彼女には彼女の人生があるし、そこはお互いに不干渉だから。妻は大変だろうから、仕事以外のメンタルはサポートしていきたいけど』と。自立した夫婦のありようっていいなあと思いました」
それは、「僕は妻に管理されている男ではありません、むしろ妻をサポートしているいい男です」というアピールだったのかもしれない。ユキさんは、まんまと彼の言い分に心揺さぶられたという。
その後、彼から連絡が来て猛アプローチをされたとき、彼女は社長と自分を比較して怯んだ。
「ところが彼は、『きみは女として、妻よりずっと上だよ、外見も中身も』と口説いてきたんです。社長に憧れている私にとって、それは信じられなかったけど、何度も言われるとだんだんいい気持ちになってしまったのは事実です。それは社長が有名人であるだけではなく、彼自身がエリートサラリーマンであることも関係していると思う。彼が普通のサラリーマンだったら、妻への嫉妬もあって不倫に走るのかなと感じるかもしれません。でも彼自身の経歴もすばらしいので、こんな素敵な男性、しかもあんなきれいで有名な妻をもつ男性が、ここまで言ってくれているというのがうれしかったんですよね」
年齢が20歳も上だったことも影響があるだろう。それだけ年上の男性なら、数多くの女性も見てきているはず。それでも誰よりも、そしていちばん身近な妻よりも女として上だと言われたのだ。それがユキさんにとっては自信につながり、彼への愛情にも反映された。
妻より恋人のほうが愛されている
ユキさんはヨシオさんとつきあうようになって、「結婚って意味がないのかも」と思うようになったという。それは彼の“入れ知恵”“洗脳”かもしれない。「結婚はオフィシャルな関係ではあるけど、愛情とは無関係。彼はしきりにそう言っていました。『ふたりで出ていかなければいけない場もあるけど、それは楽しい場ではなくて堅苦しいだけ』『やはり愛情のある男と女って、ユキとのこういう関係だよ』と」
不倫をする男は、さまざまな言い方で恋人の愛情を惹きつけておこうとする。それが本心で、恋人自身も納得しているならいいのだが、言いくるめようとしてるだけなら、いずれ真実がわかるときはくる。
26歳のときから3年続いたヨシオさんとの関係は、ある日突然、ぶった切られるように終わった。
「社長から会社を辞めるように言われたんです。『今すぐ退職届を書いて。理由はわかるでしょ』と。バレたんだと思いました。何か言いたいことがあるかと言われて、『彼は社長を愛していませんよ』と口走ってしまいました。社長にいきなりビンタされたんです。『これはひとりの女としてのあなたへのメッセージよ』と言われました。それでも彼は私を愛してるはず。そう言ったら『じゃあ、あげるわよ、夫を。持っていけば?』と」
だがヨシオさんとは連絡がとれなくなった。会社に電話をしても居留守を使われているのがわかった。
「今になるとわかるんですよね、結局、私にあったのは“若さ”だけ。それは彼にとっては価値があったかもしれないけど、数年たって慣れれば刺激にもならない。もしかしたら彼は私に飽きて、わざと妻にバレるようにしていたのかもしれません。なんだかそんな気がするんです」
今でもその古傷が痛むことがある。彼女はそれ以来、恋愛をしていないという。