コンビニ3社&成城石井の「バスク風チーズケーキ」を専門家が食べ比べ!
数年前より流行が止まらない「バスクチーズケーキ」。スペイン・バスク地方のバル街にある人気店、LA VINA(ラ・ヴィーニャ)のチーズケーキが名前の由来となっています。表面を黒く焦がしたインパクトのあるビジュアルと、濃厚でとろりクリーミーな美味しさ。今までのチーズケーキとは一線を画す斬新さが話題になっています。
有名パティスリーやレストランもこぞって作る、バスクチーズケーキ。ローソンが2019年3月に発売したのを皮切りに、コンビニやスーパーのPBでも次々と発売されています。はたしてそのお味は? 注目の4商品をスペイン料理の専門家目線で食べ比べをしてみました。
価格も大事なチェックポイント
今回食べ比べする商品は、こちら。コンビニ3社(セブン-イレブン、ローソン、ミニストップ)と成城石井の4店が販売するバスクチーズケーキです。
まず驚かされるのは、その価格! クリームチーズ・生クリームと決して安くはない材料が、重量の7割を占めるバスクチーズケーキ。小ぶりとはいえ、200~400円台の価格感は驚きしかありません!
まずは「焼き色」を比較
まずは、バスクチーズケーキ最大の特徴である“焼き色”を比較してみましょう。4店とも全体的に焼き色は薄め。最もしっかり焦がしている成城石井でも、側面には焼き色がついていません。セブン-イレブンは焼き色が均一で、側面はやや濃いめ。ミニストップは全体的に最も薄めですが、ランダムな焼き色は一番ナチュラルな印象。ローソンはカラメルを後塗りしているのでしょうか? 表面にしわが寄っています。
続いて「断面」を比較
続いて“断面”を比較してみましょう。バスクチーズケーキは黒く焦げた焼き色ばかりが注目されがちですが、実は、最も重要なのはカットした時のなめらかさです。一番しっかり焼いている成城石井は、するっと美しくカットできる火入れ感。セブン-イレブン、ミニストップはナイフにクリームが残るクリーミーな柔らかさ、ローソンはもちっとテリーヌのようなテクスチャーです。
いずれも本場バスクチーズケーキのようなとろっと崩れるクリーム感はなく、小さくカットしてもきっちり自立できる程度に仕上がっています。
さて、いよいよ実食比較! 各社ごとに特徴をまとめてみました。
セブン-イレブン「バスクチーズケーキ」
カット断面で中心部の落ち込みがあり、見た目は一番本場に近いなと思われたセブン-イレブン。見た目以上のなめらかさ、クリーミーな食感は期待以上でした。味わいもほどよく濃厚で、酸味とほのかな塩味が甘みを上品にマスキング。プロセスチーズのような、しっかりチーズの豊かな風味が印象的です。
ローソン「BASCHEE(バスチー)」
どこよりも早くバスクチーズケーキを発売し、まさにブームの火付け役となったローソンのバスチー。テリーヌのようなもっちり食感と、どっしり濃厚な食べ応え。酸味がほとんど感じられない分、最も甘味を強く感じました。チーズのコクもしっかりで、ひとくちごとに口の中にインパクトを与える逸品。存在感は絶大です。
ミニストップ「バスク風チーズケーキ」
ソフトクリームやパフェなど、コールドスイーツに強いミニストップ。バスクチーズケーキもなめらかな食感に加え、みずみずしさを感じるしっとりとした口当たりに納得の個性を感じました。ほんのり酸味と軽やかさ、チーズの風味は弱めですが、逆にお子様まで幅広く愛されそうな味わいです。
成城石井「バスクチーズケーキ」
チーズケーキといえば、成城石井スイーツ。コンビニラインよりはちょっと高めですが、こちらも手軽に買える人気の商品です。コンビニ3社と比べるしっかりとした焼き上がりで、ベイクドに近い印象。この上なくナチュラルで、味わいはずばぬけて上品。優しくて控えめな中にも、凛とした品格を感じさせます。
バスクチーズケーキの新ジャンル「コンビニ・バスチー」を楽しもう
発売当初、初めて食べた時は「量産する難しさ」を感じてしまったコンビニのバスクチーズケーキ。1~2年のリニューアルを経て、それぞれに急激な進化をしていることに驚かされました。見た目、食感、味わい、いずれもインパクトが強く型破りな存在のバスクチーズケーキ。日本のスイーツ技術の手にかかると、こんな味わいスイーツに変化するものかと実感。本場のバスクチーズケーキとは違う!と一蹴してしまうのはもったいない、新たなジャンル「コンビニ・バスチー」という文化が形成されていると感じました。
毎日のおやつに手軽に食べられる、コンビニ・バスチー。あなたの好みはどれですか?