「ahamo」で手薄の20代を他社から奪いたいNTTドコモ
政府の携帯料金引き下げ要請を受ける形で、携帯各社がさまざまな料金施策を打ち出してきましたが、2020年末に入って以降、各社が相次いで新料金プランを発表しています。最大手のNTTドコモが発表した新料金を確認しますと、1つは2021年3月提供予定の「ahamo(アハモ)」です。ahamoは複雑な割引が一切なく、月額2980円で20GBの高速データ通信と1回当たり5分間の無料通話が利用できるお得さが話題となりましたが、契約やサポートは全てオンラインでの対応に限定されるなどデメリットも明確です。 それゆえahamoはスマートフォンに詳しく、家族や固定回線などに係る従来の割引サービスの恩恵が受けられない、新社会人など20代独身の若い世代をピンポイントで狙ったプランでもあります。NTTドコモはこれまでファミリー層を重視するあまり、親元から独立したての20代を他社に奪われていたことから、顧客が少なく経営にも影響が出にくい層をターゲットに大胆なプランを打ち出し、ライバル他社から顧客を奪うというのがahamoの狙いでもある訳です。
・参考記事:ドコモの格安プラン「ahamo」のメリットとデメリットを整理、注意点は?
・大容量プラン「5Gギガホ」「ギガホ」の値引きも発表
2つ目の料金プランは、2021年4月より提供開始予定の「5Gギガホ プレミア」と「ギガホ プレミア」です。これは現行の大容量プラン「5Gギガホ」「ギガホ」をリニューアルしたもので、それらでキャンペーン扱いとなっていたデータ通信量の増量が正式なものとなり、料金も引き下げられているのがポイントになります。 具体的には5Gギガホ プレミアが月額6650円でデータ通信量無制限、ギガホ プレミアが月額6550円でデータ通信量60GBとなり、新たに月当たりのデータ通信量が3GBの場合は1500円を値引く仕組みも用意されました。一方でahamoとは異なり、家族の人数によって値引きがなされる「ずっとドコモ割」や、固定ブロードバンドの契約で適用される「ドコモ光割」など従来の割引の仕組みは維持されています。 またNTTドコモは今回、小容量の「5Gギガライト」「ギガライト」の見直しはしていません。NTTドコモによると4Gにおけるギガホとギガライトの契約比率を見た場合、ギガホが3割弱とかなり少ないようなので、大容量プランの魅力を高めてギガライト利用者をそちらに誘導するのが大きな狙いといえそうです。
・1GB+5分以内の国内通話無料で月額1480円のプランを新設
そして3つ目は、同じく2021年4月に提供を予定している3G契約者の乗り換え専用プラン「はじめてスマホプラン」で、1GBのデータ通信量と1回当たり5分間の無料通話を月額1480円での利用できるというものになります。実は同種のプランはKDDIやソフトバンクが先行して提供しており、それらプランに自社の3G契約者が奪われていたことから、その対抗プランといえるでしょう。 >次ページ「ソフトバンクはNTTドコモに徹底追随、KDDIは……?」