2割か4割か。コロナ禍で「仮面夫婦」はきつい
先日、ABEMA Prime(※)で取り上げた「仮面夫婦」特集にゲスト出演しました。
「仮面夫婦は2割説」が番組中に出てきたので、「え? そんな少なくないはず」と感じて「倍の4割はいるのではないですか」と発言した私です。
そもそも仮面夫婦とは、世間体や経済的事情で実質的に夫婦関係が終わっているのにもかかわらず夫婦として生活している男女のことです。すなわち、愛し合っていないのに夫の仮面、妻の仮面をかぶっているのです(ご自身の夫婦関係が気になる方は、こちらの仮面夫婦チェックリストをお試しください)。
目に見える傾向は「会話をしない」ことです。ただし、知人の前など外向きには仲良さそうに会話するので周囲は気づきません。子供の前で仲良しアピールする夫婦もいます。
会話がある場合であっても、LINEでのやりとりが中心だったり、「夕ご飯はいるのか」「今日は何時に帰宅するのか」「子供の塾代を振り込んだか」など事務的な内容となります。時に「だから君は頭が悪いんだ」と嫌味発言が混ざることもあります。
お互いの存在に興味がないので、干渉しないし喧嘩も少ない。むしろ、怒りをぶつけ合う、本音をきつい言葉で言い合う夫婦は仮面夫婦より底力があって、視点を替えると「愛情がある」と言えます。
家に二人でいるのが辛い仮面夫婦。コロナ禍にともなうステイホーム、リモートワークというニューノーマルな時代にはさらに息苦しい状態だろうと予測されます。
経済面、子供への責任で離婚しない夫婦は少なくないが……
春香さん(仮名・37歳)のママ友4人グループは、職場のグチや、手抜きレシピなどたわいない話題をLINEで言い合う関係です。あるときメンバーのひとりが「うちの旦那は全然私と目を合わせてくれない。スマホ見ながら喋ってる。仮面夫婦だよ」と投稿したら「うちも、家では私と子供たちだけが楽しくしてて、パパは部屋に閉じこもってる。パパなんていなくて平気」「うちも仮面夫婦。ずっとレスだし!」といった話題で盛り上がりました。春香さんは3年前、夫の隠し借金を問い詰めてから夫婦仲がほつれ、今やただの同居人のような関係。会話はいつしか敬語に、二人で笑い合うことなどもはやなし。グループラインを読んで救われた気持ちになりました。
春香さんのように表立った喧嘩はなく、「離婚」という言葉は出ずとも、経済的なことと子供への責任の二点で一緒に居続ける夫婦は決して少なくありません。
よって番組で「仮面夫婦は2割」と聞いたとき、違和感を覚えたわけですが、ABEMA Primeのオンエア後、仲良くしている女性向け風俗会社の社長から連絡がありました。
と感想をくれました。仮面夫婦のまま年月を重ねると、子供が成人になった時に熟年離婚を決意するか、永遠に満たされないまま生きてゆくという未来が見えます。“おっしゃるとおり、4割、いや6割はいるのではないですか。夫の会社、自分の会社、実家、子供のために仮面妻を演じている人がとてもたくさんいて、「私の生きる価値ってなんだろう」「なぜ女性に生まれてきたんだろう」「なんのために生きているのかわからない」というワードを口にされる方がここ数年増えてきているように感じています”
春香さんの年齢で仮面夫婦を実感されたのなら、今のうちに夫婦仲を改善する行動を取らなければ、上記の社長さんの言葉にある「なんのために生きている」という疑問がつきまとい続けるのです。子供はやがて旅立ちます。経済のため、子供のための仮面夫婦であるなら、どこかで自分を主軸に置き換えないと、明るい老後が見えにくいのではないでしょうか。
※ABEMA Prime 報道リアリティーショー『"出会って0日婚"の夫婦「時間をかけること自体がムダ」交際期間は要らない?/"夫婦を演じる"仮面夫婦の妻「子どものために離婚できない」愛が冷めても離婚しないワケ』