亀山早苗の恋愛コラム

結婚を考えた彼に14歳の隠し子?過去を知る人物が明かした「秘密」

結婚を考えている彼に秘密があった。その秘密を知ったとき、いったいどう対処すればいいのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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結婚を考えている彼に子どもがいた!

隠し子

結婚を考えている彼に秘密があった。その秘密を知ったとき、いったいどう対処すればいいのだろうか。

 

長いつきあいで「結婚」話が出てきたのに

2歳年上の彼とつきあって5年、ようやく彼が結婚する気になったというアツミさん(33歳)。

「彼と知り合ったのは28歳のとき。当時の私は結婚に少し焦っていました。つきあい始めてすぐ、彼にはまだ結婚するつもりがないと知って、一時はつきあうのをやめようかと思ったんです。でも彼はやはり魅力的な人で、別れたくなかった。そうしているうちに私は仕事がおもしろくなっていって、結婚だけに焦点を当てなくてもいいかなと思うようになりました」

それでも子どもはほしい。母として子どもを育ててみたい。彼女の中にそんな気持ちが強くなっていった。彼とも何度かそんな話はした。

「あなたと一緒に子どもを育てたいのと言いました。結婚という形がほしいわけじゃなくて、彼と一緒に生きていく中で、子どもをもちたいのだ、と」

そうやって話し、ときに議論になったりケンカになったりしていくうちに彼の気持ちも少しずつ変化していった。彼女を信頼していることが伝わってきたし、関係が深く強くなっているのもわかってきた。

「昨年12月、私の33歳の誕生日に、彼が結婚を考えているとはっきり言ったんです。お互いに忙しい仕事だけど子どもをもつことを自分も望んでいると。本当にうれしかった。彼と一緒なら何があっても人生を乗りこえていけると思っていたから」

結婚式などしなくてもいいと彼女は言った。ただ、彼は「せめてきみの親にはドレス姿を見せたい」と言ってくれた。大事な娘さんと一緒になるのだから。彼女はその言葉に感動したという。

「彼はどちらかというと淡々としていて理屈っぽいタイプなんですよ。だけどかなり情緒的な発言もするようになったんだなあと感激しました」

彼女は高校時代からの親しい友人たちに彼を会わせた。彼は機嫌よく会ってくれ、彼の知らない彼女の10代のころの話を楽しそうに聞いていた。

「次は彼の友人に会いたいと思うじゃないですか。だけど彼はなかなか会わせてくれなかった。そもそもあんまり友だちがいないし、いずれ結婚したら遊びに来てもらうようにするから、なんて言っていましたね。会わせてくれてもいいのになとは思っていました」

だが彼には友人を会わせたくない理由があったのだ。

 

過去を知る人から連絡が

今年の初め、彼女の会社に、ある女性が面会にやってきた。彼の名字を出して話がしたいというので、彼女は仕事を抜け出して会った。

「そこで聞かされたのは、彼が大学生時代につきあっていた女性との間に子どもがいるということでした。認知はしていないし、彼は彼女の妊娠を知ると逃げてしまった、と。ただ、その女性は彼の親とは連絡をとりあっていたようで、ときどき写真なども送っていたそうです。これはショックでした。どうして言ってくれなかったのか、いつまで黙っているつもりだったのか、今後、子どもと会う気があるのか……。私に話してくれたその女性は、彼女の古くからの友人だそうです。彼が結婚するかもという話を聞きつけて、おそらく私が知らないだろうと教えてくれたんです」

黙って結婚してしまうわけにはいかない。彼がどういう過去を背負っていようと、それで嫌いにはならないが、もし人道的に許せないとなったら潔く別れる。アツミさんはそんな覚悟を持って彼に会った。

「単刀直入に話しました。すると彼は一瞬、顔色を変えて『あいつか』と吐き捨てるように言ったんです。ふだんはそんな言葉遣いはしないんですけど、憎々しげな言い方だった。『言おうと思いながら言えなかった』と前置きして、彼が背負っている過去を話してくれたんです」

それによれば、学生時代に確かにアパートの隣の部屋に住んでいた同い年のOLとつきあうようになった。そして20歳のとき、彼女が妊娠したのだという。そのとき彼は「オレの子かどうかわからないじゃないか」と言ってしまった。それに彼女が激怒したこともはっきり覚えているという。

「とにかくまだ結婚なんて考えられなかったし、父親になることも想像がつかなかった。それで逃げてしまったのは確かだ、と。彼女が彼の両親に連絡したことからちょっとした騒動になったようです。それでも彼はどうしても結婚したくなかったし認知も拒んだ。それでも彼女は生んだそうです。今、息子は14歳になっていると。彼自身は一度も会っていない。ただ、彼の両親が気にして、昔から養育費の一部は払っている。そして社会人になってからは彼自身が毎月、振り込んでいるそうです」

学生時代に親しかった友人はそのことを知っている。だから会わせたくなかったんだと彼は頭を下げた。そういう彼の言葉をアツミさんはショックを受けつつ聞いた。

「せめて認知はしてほしかったし、その話は彼からきちんと聞きたかった。私はそう言いました。彼は『そうだよね』とは言ったけど、自分がしたことの非道さはわかってないみたいに見えたんです。数ヶ月考えて、この夏、私は結婚はやめると告げました。子どもがいるからかと彼がつぶやいたので、『そうじゃない。その子をあなたが拒んだからだ』と言い返しました。やっぱりわかってないんだとがっかりしましたね」

若い男性がつきあっている女性にいきなり妊娠を告げられたら驚くだろうし、逃げたくなるものかもしれない。だが、本当に逃げてしまうとなると話は別だ。人としてどうかという思いを払拭できなかったと彼女は言う。

もし最初から打ち明けてくれていたら、おそらく彼女は彼と結婚していたという。ひょっとしたら14歳の彼の息子にも会っていたかもしれないし、今からでも認知しなさいと彼に言ったかもしれない。

「過去をすべて知りたいとは思わないけど、そういう重要なことをちゃんと話せる関係ではなかった、もしくは彼が話そうとしないタイプだったというのがどうしてもひっかかるんです」

これなら気にせず結婚してしまうという女性もいるかもしれない。どこを許せないかは人それぞれ。アツミさんの価値観としては一生引きずりそうな問題だったのだ。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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