11月に上がりやすい業種は?
11月は10月に続いて、3月決算企業の中間決算が本格化する月です。日本企業は決算内容を保守的に見積もることが多く、決算発表後は失望売りが出やすい傾向があります。それもあり、11月相場は軟調に動きやすいといわれています。今回は、下がりやすい11月相場の中でも上がりやすい傾向がある業種について、過去の株価データから統計的に検証してみました。
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■検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
■検証期間:2000年1月1日~2020年9月30日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:10月末の寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
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10月末にある業種の銘柄を全て購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。
11月相場で好調だった業種その1:化学(17銘柄)
- 勝率: 58.56 %
- 勝ち数: 195 回
- 負け数: 138 回
- 引き分け数: 2 回
- 合計損益(率): 471.91 % 平均損益(率): 1.41 %
- 合計利益(率): 1,433.72 % 平均利益(率): 7.35 %
- 合計損失(率): -961.81 % 平均損失(率): -6.97 %
- プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.491
- 平均保持日数: 26.45 日
11月相場で好調だった業種その2:医薬品(9銘柄)
- 勝率: 56.79 %
- 勝ち数: 92 回
- 負け数: 70 回
- 引き分け数: 2 回
- 合計損益(率): 271.76 % 平均損益(率): 1.66 %
- 合計利益(率): 616.93 % 平均利益(率): 6.71 %
- 合計損失(率): -345.17 % 平均損失(率): -4.93 %
- プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.787
- 平均保持日数: 27.59 日
11月相場で好調だった業種その3:電気機器(29銘柄)
- 勝率: 55.58 %
- 勝ち数: 314 回
- 負け数: 251 回
- 引き分け数: 4 回
- 合計損益(率): 1,211.23 % 平均損益(率): 2.13 %
- 合計利益(率): 3,205.20 % 平均利益(率): 10.21 %
- 合計損失(率): -1,993.97 % 平均損失(率): -7.94 %
- プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.607
- 平均保持日数: 26.44 日
以上が、軟調に推移しやすい11月相場の中でも、比較的上昇傾向が強かった3業種の検証結果です。検証結果を見てみるとどれも勝率が50%以上、1トレードあたりの平均損益がプラスになっています。従って「化学・医薬品・電気機器」の3業種は、11月に上がりやすい傾向があると判断できるでしょう。
今回の検証でご紹介した3つの業種は、11月相場で上がりやすい傾向がありました。では、これらの業種の中でも特に上昇傾向が強かった銘柄はどれでしょうか? 最後に、11月相場で特に成績が好調だった個別銘柄をご紹介します。
11月好成績銘柄ランキング
上記の表は、先ほどの検証結果において、勝率の高かった銘柄のランキングです。
電気機器の「ミネベアミツミ<6479>」「TDK<6762>」、化学の「デンカ<4061>」「東ソー<4042>」などが、11月相場に上がりやすい銘柄だといえるでしょう。
どの業種の個別銘柄も、月によって株価が上がりやすい時と下がりやすい時があります。今回のような簡単な検証は、11月の投資戦略を考える上での有効な判断材料の1つになることでしょう。
11月は株式市場全体が軟調に推移しやすい傾向があるので、成績が不調な銘柄を避けて成績が良好な銘柄でトレードすれば、よりリスクを抑えることができるでしょう。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
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