どうやったらできるの? 気になる「仲良し離婚」

円満離婚

離婚というと、怒号や怨嗟のうずまく泥沼な人間模様を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、最近よく見かけるのが離婚後も仲良しの夫婦。もちろん、離婚の原因が浮気や暴力などの場合はそんな関係にはなりづらいとは思いますが、結婚生活同様、離婚にも様々なスタイルがある、ということが表面化してきています。

離婚後にも良好な関係を保つためにはどんな準備が必要なのか、円満離婚をした事例をもとに考えてみましょう。

 

事例1:安定した生活に必要なのはやっぱりお金

「とにかく、お金の話をきちんとしてお互いに合意をしておくこと。これに尽きると思います」と教えてくれたのは優菜さん(37歳・仮名)。

同い年の夫は外資系企業に勤めるエンジニア。当初は東京支店の勤務でしたが、その後インドに転勤。生まれたばかりの娘を抱える優菜さんは赴任先への帯同を拒否したために、夫は単身インドへ。そのまま離れ離れの時間が長くなるうちに、夫婦の関係が変化してしまったのだとか。

「平和的な離婚に向けての話し合いの中で、最後まで時間がかかったのがお金の話。離婚後に、女性側も安定した生活ができる程度の金銭的な保証を確保できなければ、とてもじゃないけど『仲良し』なんかにはなれないですよ。夢も希望もない話ですが、まずはお金の話が一番大事です」

 

事例2:子供への説明は時間をかけてじっくりと

「子供についてしっかり話し合って決めておくこと。そして子供が、親の離婚を理解できる年齢に達していたら、子供本人の意見もきちんと聞くこと」とアドバイスしてくれたのは美咲さん(40歳・仮名)。

夫の浮気が離婚原因だったという美咲さん夫婦の場合、親権は美咲さんが持つことはすぐに決まったものの、父親としての元夫の立ち位置をどのように作っていくのかを、離婚前にじっくり話し合ったそう。

「子供の意見を聞くといっても『パパとママのどっちを選ぶの?』みたいな聞き方はNGです。離婚後にどんな生活になり、子供自身にもどんな変化があるか(苗字が変わるなど)をしっかり伝えて、子供にも意見があればちゃんと受け止めるようにしました。うちは小学4年生だったので全部を理解してもらうことは難しかったですが、時間をかけて少しずつ話をすることで、受け止める準備をしてもらえたのではないかと思っています」

 

事例3:相手への執着を捨てて気持ちを整理

「お互いの今後の生き方について干渉しすぎない、知ろうとしすぎないことが大事だと思います。相手への執着を手放すことがよい関係を続けるベースです」と話してくれたのがさくらさん(35歳・仮名)。

嫁姑関係がうまくいかなかったことからメンタルに不調をきたし、それが離婚の原因になったというさくらさんは、正直、離婚を決めた後でも夫への未練が残っていたのだそう。

「相手のことを憎んで、大嫌いになっての離婚じゃなかったですから、ずいぶん迷いました。こんな言い方をして不謹慎かもしれませんが、もし、義母が交通事故とかで早く亡くなっていたりすれば、夫と別れることもなかったんじゃないかとか、思っていました。夫が悪いんじゃない、義母が悪いんだと、離婚の原因を義母だけに押し付けていました。でも冷静に考えれば、最終的に離婚を決めたのは夫で、つまり夫は私より自分の親を選んだわけです。彼はとっくに私への気持ちに整理をつけていたのでしょうけど、私だけが夫への執着を捨てられなかった」

離婚後も元夫のSNSを見たり、共通の友人を通じて夫の様子を聞き出したりと、夫の様子が気になりつつも、元夫には素直に連絡が取れなかったといいます。

「離婚後1年ぐらいたって、ようやく自分の気持ちが整理できて、そうしたら普通に元夫と連絡を取ることができるようになりました。“仲良し”と言えるかどうかはわかりませんが、友人の一人として今後もつながりを持てそうです」


百人いれば百通りの離婚があり、「仲良し離婚」が理想の形とは一概には言えませんが、別れた後も将来にわたって憎しみ合うよりは、少しでも前向きな関係を作れる方向に歩みだしたいものですね。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。