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1. イデコだけの特別なメリット
イデコには、他の金融商品にはない特別なメリットが3つあります。すべて“税金”に関する話なので少し難しく感じる方も多いかもしれません。しかし、とっても大きなメリットなので、知っておいて損はないと思います。1つ目のメリットは、イデコに支払った金額(拠出額)の全額が、所得控除の対象になるということです。簡単に言うと「自分が支払うべき税金が少なくなり、その分お得になる。つまり節税効果がある!」ということです。
これは何かしら給料などの所得がある方は、その所得に対する「所得税」や「住民税」が下がります。一方、主婦の方や学生、無職の方など、所得がない人はあまりメリットがないため、イデコではなくNISAをおすすめします。
では、具体的にどれくらいお得になるかを試算してみましょう。例えば、30歳で年収400万円の方が、毎月1万円を拠出した場合、1年間で約1万8000円、60歳の満期まで継続すると約54万円分の所得控除を受けることができます。こうやってシミュレーションしてみると、全額所得控除のメリットはとっても大きいですよね。
2つ目のメリットが、運用中の利益に対する税金(運用益)が非課税になるということ。通常、投資をして利益が出ると約20%の税金がかかりますが、イデコの運用で出た利益は、税金がかかることなく、全額を受け取ることができます。そして、3つ目のメリットが、受け取り時にかかる税金が一定額まで非課税になるということです。
2. イデコのデメリット
デメリットとして挙げるならば、60歳までは原則引き出しができないということです。ただし、事情により毎月の支払いが厳しくなった場合は、拠出額を5000円まで減額することができます。「60歳までお金が引き出せないのは困るな……」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そもそもイデコは、老後のためのに長期で積み立てることを目的にした制度です。それだけしっかりとロックされていた方が、老後のお金を貯めるという点では確実かと思います。
毎月5000円の積立てが難しいという方は、まずお金の使い方や家計の収支を見直すべきかもしれません。
3. イデコの挫折ポイントって?
最後に、イデコのデメリットでは取り上げなかったのですが、意外と陥りやすい挫折ポイントについてお伝えします。まず、スタート時の手続きが複雑で大変であるということ。紙の書類に必要事項を記入し、提出する必要があります。さらに、会社員や公務員の方は、勤め先から必要書類を出してもらう必要があり、ここで挫折される方が少なくありません。
しかし、大変なのは最初だけです。必要書類を提出すれば、ほぼやるべきことの8~9割は終わります。全額所得控除というイデコにしかないメリットを享受するためにも、ぜひ頑張って手続きのハードルをクリアしていただきたいです。
そしてもう一つ、投資商品を選ぶのが難しく、挫折してしまうという方も多いのではないでしょうか。投資が初めてという方は、商品選びに迷うのは当然だと思いますが、あまり悩み過ぎないことが大事です。
初めてものを買うときは、ドキドキしますよね。それがたとえ1回で自分の理想と合わなくても、そのあと色々試したり、人に聞いたりして、自分にぴったりのものを選択できるようになると思います。
金融商品も同じで、最初から完璧になる必要はありません。確かに大切なお金のことなので慎重になる気持ちはわかりますが、まずはやってみることです。経験することでわかることは、とても多いように思います。
それにイデコの場合、金融機関では運用商品を三十数本までにしなくてはいけないというルールがあります。そのため、すでに吟味されている中から選択するだけなので、「大失敗!」ということはあまり考えられません。なのでまずは、お試しの1本をセレクトしてみてください。
覚えておきたい3つのポイント!
今回の話のポイントは3つになります。- イデコ最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象になる
- イデコのデメリットは、原則60歳の満期まで引き出しができない
- 挫折しないためには、悩み過ぎず、始めてみることが大事!
お金の話は難しいことも多く、手続きなども大変と感じるかもしれません。けれど、始めてみると、知らないお金の世界が見えてきて、面白い!と思うことも増えてくると思います。ぜひ、イデコをきっかけに、お金の世界をもっと身近に感じてもらえると嬉しいです。
次回はいよいよ実践編!イデコを始めるベストなタイミングや毎月の掛金など、「イデコの始め方」について具体的にお伝えしていきます。
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