ピル服用中、薬やサプリでピルの効果が落ちないか不安……
ピルとの飲み合わせ……風邪薬は飲んでもいい?
「このサプリを服用しているのですが、ピルとの飲み合わせは大丈夫でしょうか?」
婦人科では、ピルを服用中の方から、風邪などで他の薬を服用したい時や、日常的に摂っているサプリとの飲み合わせなどについて、ご相談をいただきます。ピルと同様、サプリメントを毎日の習慣として摂取している方もいらっしゃるでしょう。今回は、ピルとの飲み合わせに注意が必要な薬やサプリについて解説します。
ピルと併用できないサプリメント……セント・ジョーンズ・ワートやイソフラボン
サプリメントに関しては、ビタミン剤などとの併用は問題ありませんが、「セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)」や「イソフラボン」を含むサプリメントには注意が必要です。「セント・ジョーンズ・ワート」はヨーロッパなどで気分の落ち込みやうつ症状に対して愛用されてきたハーブの一種です。現在では、うつ病、自律神経の不調、更年期や、ストレスに伴う気分の落ち込み、イライラ感の緩和への効果が期待されていますが、サプリメントだけではなく、飲料に含まれていることもあります。ピルの作用を減弱させてしまいますので、併用は控えましょう。
「イソフラボン」は構造が女性ホルモンに似ているため、過剰摂取するとピルの効果に影響してしまう可能性があります。食事から大豆製品などでイソフラボンを摂取する量であれば、問題ないとされていますが、サプリメントで大量に摂取すると過剰になってしまう可能性があります。摂取は控えるか、摂取したいイソフラボンサプリがあれば、服用前に医師、薬剤師に相談しましょう。
また、ダイエットサプリと一緒にピルを服用すると吸収が阻害されてしまうのではないかと不安に思われる方もいるようですが、現在市販されているダイエットサプリとの併用は問題ありません。
ピルと薬の飲み合わせ……市販の風邪薬の使用可否、服用NGな薬は?
ピル服用中に市販の風邪薬を使用する場合、アセトアミノフェンには注意が必要です。この2つの飲み合わせは、ピルの作用を強め、アセトアミノフェンの作用を弱めてしまいます。ピルで起こった頭痛や、吐き気を悪化させてしまう可能性などもありますので、アセトアミノフェンが入っている市販の風邪薬や解熱鎮痛剤などは多いので、成分を確認するか、薬局の薬剤師、登録販売者に、アセトアミノフェンが入っていないものはどれか確認するようにしてください。推奨される市販薬は、ブルフェンやロキソプロフェンなどのNSAIs使用のものです。病院で処方される抗生剤などの中にも、ピルの作用を減弱させるものがあります。その他、ピル服用中に飲んではいけない薬として
- テトラサイクリン系・ペニシリン系抗生剤(抗生物質)
- イミプラミン・トフラニール(抗うつ剤)
- その他、抗てんかん薬や、抗HIV薬
ピルの副作用に鎮痛剤を使用するときも注意を
ピルの服用を開始してから最初のうちは、慣れるまで、頭痛、はきけ、むくみ等の症状が強く出る方がいらっしゃいます。慣れてくると次第に治まることが多いのですが、この副作用の緩和のために、アセトアミノフェンの入った鎮痛薬などを使用しないように注意しましょう。その他の市販の吐き気止めや、アセトアミノフェン以外の鎮痛剤を服用することは問題ありません。副作用の吐き気が強い場合には、食後30分以内に内服するようにしてみることもお勧めです。ピル服用中、もし何らかの他の薬に頼らないと日常生活に支障が出てしまうほど症状が重い場合は、ピルの変更を含めて検討することができますので、かかりつけの医師に相談しましょう。