亀山早苗の恋愛コラム

「不倫バレ」から3日で失った300万の慰謝料と5年に及ぶ彼との関係

不倫が発覚し、相手の妻から慰謝料を請求されるケースが増えている。相手の妻に発覚し、あっけなく関係が終わってしまうと釈然としないモヤモヤが心に残ってしまうものだ。そこからどうやって立ち上がるか、悶々としている女性がいる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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不倫発覚から"慰謝料支払い"...彼との5年がぷつりと消えた

不倫発覚から"慰謝料支払い"...彼との5年がぷつりと消えた

不倫発覚から"慰謝料支払い"...彼との5年がぷつりと消えた

 

ここ数年、不倫が発覚し、相手の妻からお金を請求される件が増えている。「不倫」はバレたら終わり。わかってはいたものの、相手の妻に発覚し、あっけなく関係が終わってしまうと釈然としないモヤモヤが心に残ってしまうものだ。そこからどうやって立ち上がるか、悶々としている女性がいる。

 

いきなり彼の妻に呼び出されて

結婚して15年、13歳と10歳の男の子がいるサキコさん(45歳)。共働きでがんばってきたが、夫との協力体制が万全であったとは言いがたい。

「実家が近いので、いつも実母に助けられてきました。夫はふだんは仕事が忙しいと言って家で食事をとることもあまりないんです。それでいてキャバクラ通いはしている(笑)。夫がそういうところに行っているのを私は知っていますが、夫はバレてないと思っているでしょうね」

それでも子どもたちは父親が好きだ。スポーツが得意な父親と週末、キャッチボールやサッカーができるのを楽しみにしている。

「土曜か日曜、どちらかは必ず子どもと過ごしていますね。だから私も愛想を尽かすところまではいかないんだと思います。夫としての彼は決していい点数をつけられないんですが」

常に夫への不満を秘めていたサキコさんの前に現れたのは、仕事関係で知り合った3歳年下の彼。彼も既婚だったが、話をするうちにお互いに惹かれ合っていった。久しぶりに恋愛感情がわきおこり、知り合って半年後には深い仲に。そして5年という歳月が流れた。

「彼とは毎日連絡を取り合って、週に1度は会っていました。お互いに子どもがいますから離婚はしない。だけどふたりとも会わずにはいられなかった。だからとにかくバレないようにこの関係を続けていこうと誓い合ったんです」

それなのに、今年初め、いきなり彼の妻を名乗る女性から電話がかかってきた。

「その日は平日でした。残業もなかったので早く帰って下の子と夕飯を作る約束をしていた。下の子が料理に興味津々で、時間があると一緒に作りたがるんです。その日はハンバーグの予定でした。でも彼の妻だと言われたら、腹をくくるしかありませんでした」

母に連絡をとって急に残業が入ったから、家で次男とハンバーグを作ってほしいと頼んだ。そして彼女は言われたとおり、彼の家の近くの喫茶店へ足を運んだ。そこには彼もいたという。

 

「夫にバラしてやる」と脅されて

喫茶店にはすでに彼と妻が待っていた。

「彼は真っ青な顔をしていて、私を見ようとしませんでした。妻が『ずいぶん長いこと、私を裏切っていたみたいだけど』と口火を切って。すみませんと言うしかありませんでした。でも彼の妻は、つきあって1年くらいと思っていたみたいです。バレたのは彼と私のメッセージのやりとりを見られたから。何重にもロックをかけてテキストを表示しない設定にしておいてと言っていたのに、手抜きしたんですよね。たまたま彼が妻と話しているときに私からのメッセージが届いて画面に表示されてしまった。もともと怪しまれていたのかもしれません。見せろと言われて観念したみたいです。ずいぶんあっさり観念するのねと思いましたが」

彼は終始、言葉を発せず、サキコさんとも目を合わせない。あんなに愛し合ったはずなのにと悔しかったと彼女は言う。

「私にとって彼は一生のパートナーのはずだった。彼だってそう言っていたのに。妻は『どちらが誘ったの?』と彼と私を見ながら言いました。『私から』と言うしかなかった。彼女は『私の悔しい気持ちはあなたにはわからないでしょ。こういう場合、お金でカタをつけるしかないと思うの。別に裁判してもいいんだけど、そうしたらあなた、ダンナさんにバレるわよね』と、妻は私をグサグサと言葉で刺してきました。いくら払えばいいんですかと聞きました」

1年と言っているけどきっと2年くらいはつきあってるんじゃないの、だったら300万円ね、と妻は淡々と言ったそう。

「あなた、仕事をしているんでしょ、だったらそのくらいの貯金はあるわよねって。私は専業主婦だから離婚するわけにもいかないのよとも言ってました。すごく弁の立つ人で、先回りしてどんどん話を進めていくんです。一瞬、職場にこういう人がいたらいいなと思っちゃったくらい(笑)。気づいたら300万円で言いくるめられていました」

あなたのダンナに言わないのは最後に残った私の温情よ。ドラマのような台詞を残して、彼女は夫を促し、去っていった。その場に残されたサキコさんは呆然するしかなかった。彼女に渡された同意書を見てみると、次に会ったら500万円支払うこと、夫にバラすことなどが書かれていた。それは署名捺印して送り返すようにとのことだった。

「2日後には振り込みました。いずれ夫とは離婚するかもしれないけど、少なくとも次男が20歳になるまでは家庭を壊したくはない。それに子どもたちに不倫のことを知られたくもなかったから」

発覚後も振り込み後も、彼からは連絡がなかった。サキコさんにとって、それがいちばん気になることだ。彼の家庭がうまくいっているならそれでいい。そう思いながらも、「私は彼にとって何だったのだろう」という気持ちが残っていて、すっきりしないのだ。

突然の別れ、しかも心変わりではなく、彼の妻によって別れさせられたも同然なのだから、気持ちが残るのはやむを得ない。忘れたいけど忘れられなくてもしかたがないのだ。

「毎日、ぐっとわき起こってくる思いを鎮めるのが大変なんです」

時間を待つしかないのだろう。わき起こる情熱が鎮まったとき、冷静に過去を振り返ることができるのではないだろうか。

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