欠点は隠そうとすれば逆に目立つ

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趣味で女装をしている山下彩華さん。過去に独自のフェイスリーディングをしてきたこともあり、顔の特徴を探求したメイク術や、バリエーションに富んだ自撮りの美しさが注目を浴び、一般人でありながらInstagramのフォロワーは現在1.2万人。フォロワーが増え続けています。人の顔やメイクからどんなことがわかるのか、お話を伺ってみました。

藤嶋:人生が刻まれるともいわれる「顔」ですが、顔からどんなことがわかりますか? 例えば「怖い顔」といわれる人は、なぜ怖い顔になったのでしょう?

山下:同じ顔を見ても、「怖い」と感じるのか「かわいそう」と感じるのかは、人のどこを見るかによって異なりますよね。人が人を見るとき、「表面」を見る人と「内面」を見る人がいると思うんです。おそらく「表面」を捉えている人のほうが大多数で、その「表面」から「内面」を捉えて見ようとする人は、少ないのかもしれません。

それは、その人の自分自身の捉え方と共通しています。人の表面を見ている人は、自分のことも内面よりも表面を見ていて、どうきれいに見せるかが気になるものです。内面を捉えている人は、内面を磨けば、自然とそれが外見に現れるということを知っています。でも、このことに気づくのは非常に難しいことなんですよね。私は、それをメイクで気づかせてあげられたらと思っています。

いまのメイクの主流は「欠点」を隠すこと。でも、欠点って隠そうとすればするほど、逆に、目立つものなんです。そうではなく「長所」をより際立たせることで、欠点を目立たなくする。自分の長所にフォーカスしたほうが、実は、美しく見えるのです。

例えば、男性が女装メイクをする場合、骨格がしっかりしていてエラが張っているのでウィッグで隠そうとするんですよね。でも、メイクでハイライトゾーンにしっかりハイライトを入れてあげると、自然にエラは目立たなくなり小顔効果が生まれます。そうすると髪の毛を耳にかけてフェイスラインを出してもかわいく見えるんですよ。実際にメイクしてみせると、みなさん感動されます。

女性の場合、「かわいい」や「きれい」について、絶対的な目標を決めている方が多いですよね。先に「正解」を決めて、そこに自分を近づけようとする傾向にあります。「自分にとっての正解の顔」を決めてしまい、それ以外は、すべて「不正解」、すべてコンプレックスになってしまう。そして、隠そうとする。なにより、自分の顔を「不正解」にしてしまっているのはとても残念なことです。

「かわいい」「きれい」の基準ってやはり、その時代に合った流行もありますので、雑誌やテレビに情報を求め、そこからスタートしてしまうのは、ある意味、自然な流れであり、そこにビジネスが成り立っているという現状があります。

――ひょっとしてビジネスに踊らされて、「欠点隠し」に奔走しているのが、私たちの姿でもあるのかもしれません。もう少し詳しくお話を聞いてみましょう。

 

「メイク」に「気持ち」も近づけて魅力的に

山下:極論ではありますが、人は総じて演じているもの。男女問わず全員が役者、自分を演出しているものです。どんな役を演じているのかというと、その人の思考が大きく現れています。「自分はこうである」という心の拠り所を見つけて演じていて、それが顔に出ているんです。

自分を不幸だと思っている人は、不幸な顔、困った顔になっていきます。眉毛や目尻が下がり、背筋も曲がってしまう。眉毛は「活力」「生命力」を表すといわれていて、余談ですが就職活動の面接では、事務職などは柔らかく下げ気味に描き、自主性を求められる部署であればきっちり上げて描いて力強さを表現するといいですよね。

結局、自分が思う「自分」というキャラクターを演じているということだと思うんです。

藤嶋:「こうなりたい」という顔になるのではなく、「私はきっとこうだ」と思い込んでいる思考が顔に出ている。ということは、逆に、良い暗示をかけることもできるのでしょうか。

山下:はい、きっと表情に差が出てくると思います。気持ちまで成り切るのはとても難しいので、結局、「表情は自分のまま」なんです。

実は、女装している人のなかで、私のようにウィッグをコロコロ変える人はあまりいないらしいのですが、ウィッグは、メイクやファッションはもちろん「気持ち」とも連動します。Aのウィッグの気持ちで、Bのウィッグを被っても、全然「映える写真」にはならない。ある程度成立した状態には仕上がるのですが、最後に「気持ち」をちゃんと入れないと、どうも映えない。

「自分の装い」と「気持ち」がシンクロして初めて、いい写真が撮れるのです。

例えば、ふわふわ巻き髪のウィッグのときに、表情がシャープでかっこいいものだと、違和感がある。ふわふわした髪型なら、やはりその「役」に徹して、表情もかわいくなりきる。かっこいいショートヘアならかっこよく決めてみる。そうして初めてトータルにバランスがとれ、魅力的に映るのではないでしょうか。

――たしかに自分の「表情」まで気遣うことは日常ではあまりないように思います。人が見ている自分の表情って、意外に知らないものかもしれませんね。

 

濃いメイクをする人は問題を隠そうとする人?

山下:「演じる」ということ自体は悪いことではありません。「演じたい」のは本質を見抜いてほしくないということ。そうすると、本質を見抜けない男が寄ってくる。それはそれで、マッチしておりカップルとしては成立しますよね。本質を見抜かれるのがしんどい人だっていますので、見ないでいてくれたほうがしあわせなわけで、周囲がそれをとやかく言うのは違うと思うんです。ただ、女性が思っている以上に、内面を見抜く男も結構いるものです。

演じている人は、おそらくトラブルが起こったとき、覆い隠そうとするタイプなのではないでしょうか。「問題」を解決しようとするのは、内面(本質)を見ようという思考の人。それはメイクやファッションにも現れているのだと思います。

「私を見て」と思うとき、自信のある人は、極論「すっぴん」でもかまわないし、すっぴんに近いナチュラルメイクに近づけていきたいはずです。そうなると自然にボディラインも磨きたくなるでしょう。

演じるタイプの人が、内面や健康について考える方向へと思考をシフトチェンジするのは難しいものです。その前に、まずは、なんらかの「成功体験」によって自己肯定感を高めることが必要ではないでしょうか。まずはメイクをした自分で成功体験をして、そこから「内面」「外見」のどちらをより磨いていくのか、本人が選べるようにしてあげられたらいいのではないでしょうか。

――藤嶋もやはり自分の「内面」を磨いている方の「外見」の美しさに魅了されます。ただ、いずれにしても「成功体験」がカギとなるのであれば、まずはメイクで自分に自信をつけるところから始めてみるのも良さそうです。それにしても、男女の視点や心情をどちらもよく観察しておられる彩華さん。実際にアドバイスを受けたい人は、インスタグラムの山下彩華さんアカウントから。自分の知らない自分の美しさを、彩華さんの目で引き出してもらえますよ。


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