学校持ち込み禁止で何が変わるのか?
こういった事態を受けて、文部科学省が携帯電話の小中学校への持ち込みを原則禁止とする方針を打ち出したわけですが、一体この措置で何が変わるのでしょうか?
有害サイトや学校裏サイトへのアクセスが、授業時間帯に出来なくなるわけですが、家に帰れば、それらにアクセスできるわけです。有害サイトへのアクセスは、学校にいる間よりも、家で一人でいる時間にするのがほとんどでしょう。学校にいる間は、直接いじめができるわけですから、サイトへアクセスする必要性はむしろ放課後にあると考えられます。
そう考えると、有害サイトへのアクセスや携帯電話によるいじめの問題は、携帯電話の学校持ち込みを禁止したことで変わらないと筆者は予想しています。
しかしながら、持ち込み禁止によって、授業中に携帯電話が鳴ることはなくなるわけで、生徒が授業により集中できる環境ができることは評価できます。
メールがコミュニケーション能力に悪影響!?
携帯電話を持った子どもは、友達とのメール交換やサイト閲覧などで、携帯電話を多用するケースが目立ちます。
メールは、もはや若者の文化となりつつありますが、メールの乱用がコミュニケーション能力を低下させるというとも言われています。他愛もないメールのやりとりで“人と繋がっている”“一人ではない”という安心感を得たり、情報量の少ないテキストを即時返信することによって、自己中心的かつ誤解の多いコミュニケーションになりがちであること、その結果、人とのトラブルを避けるために、本音の言えない人間関係しかできず、人の気持ちを推し量ることができない自己中心的な性格になってくるという危険性もあるように思います。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」という格言は、メールにも当てはまると思います。
以上のように子どもにとって害の多い携帯電話ですが、いったいどうしたらこの問題を解決できるのでしょうか? 次回は長年携帯電話業界にいる筆者が解決策を提案します。