新型コロナウイルスの新規感染者が減ってきて、学校や家庭は少しずつ以前の状態に戻りつつあります。ただ、完全に元通りの形の学校生活になるには、日数が掛かることが予想されます。また、今回の新型コロナウイルスは第二波、第三波の不安があります。このタイミングで一度、家庭での学習の取り組み方を考えてみると良いでしょう。
 

臨時休校から学校再開における家庭学習の現状は?

家庭学習

学校により課題は様々で、家庭学習の重要性が増していた

現在の日本の子どもを取り巻く学習状況は、地域や学校種によってかなり違いがあることが分かります。学校が再開し通常通りに登校している、分散登校をし始めたものの未だ子どもが家庭で過ごす時間が多いなど、地域によって異なります。また、オンラインでの授業に取り組み、通常時と同じように学習を進めている学校もあります。

休校の期間、学校からの課題(宿題)も地域差、学校差がありました。休校になったのが年度の切り替えのタイミングであったこともあり、学校としても対応がやりにくかった面もあるでしょう。そういったこともあり、3月、4月中は比較的、家庭任せの緩い感じの課題が出されていました。

その後、5月の連休明けからは、一気にステージが変わった感じの学校が多くみられました。通常の学校の時間割に沿って、その時間に取り組む内容を指示されたプリントが配られました。そこに「課題は評価します」という言葉が入っている学校もありました。ただ基本的にそれらは家庭に"丸投げ"でした。SNSなどでは、親からの"悲鳴"のようなものが多数見られました。

この状況は、文科省が5月初旬に出した通達がきっかけとなっています。その内容を簡単にまとめると次のようなものです。
  • 一定の条件を満たせば、家庭での学習を授業時間に含めても良い
  • 授業時数に含めるためには、計画的に取り組み、評価もすること
こういった事情から、5月になってから学校から急に細かい指示のあるたくさんの宿題が家庭に届けられたのです。
 

家庭学習の質を上げるための環境を整えよう

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環境を整えることで家庭学習の質が上がる

学校と同じような時間割を示されても、なかなかその通りにできない家庭も少なくないでしょう。学校でできているのに家庭でできない理由としては、環境の違いが大きいです。

例えば、学校には携帯型ゲームや漫画(学習漫画は除く)などはありません。子どもが自由に見ることができるテレビもありません。勉強の際に子どもが気が散るきっかけが少ない環境です。

家庭学習では、そういった学習における阻害要因を少しでも減らすことで子どもが勉強へ取り組みやすくなります。親が少しだけ子どもが学ぶ環境を整えることで、子どもの学習の取り組み方が変わってくる可能性があるのです。
 

家庭学習の質を高めるポイント1:取り組む時間を工夫する

学校では周りの子どもが学習に取り組むことによって、積極的であれ、消極的であれ、勉強ができる環境になっています。これを家庭に当てはめると、兄弟がいる場合は、共通の学習時間を設定するのが良いでしょう。一方の子どもはゲームなどで遊んでいて、もう一方の子どもは勉強しなければならないとなると、その子の集中力も途切れがちになります。

また、子どもが学習をしている時間は、大人も学習するというようにするのも良いでしょう。大人の学習は、仕事の場合もあると思いますし、読書でも良いと思います。テレビなどは付いていない状態にすることも大切です。勉強している子どもから見て「自分は勉強しているのに大人(遊んでいる子ども)はずるい」と思われない状況にすることがポイントです。
 

家庭学習の質を高めるポイント2:子どもの心の状態を整える

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家庭学習の質と子どもの心の状態は関連がある

子どもの心の状態を整えることも大切です。子どもの心が乱れて(荒れて)いると、学習の質も下がるため配慮が必要です。

子どもにとって、学校は勉強をするところという認識があります。通常時の休日は子どもにとっては「休み」です。新型コロナウィルスによる臨時休校は、子どもにとってどういった捉え方になっていたでしょうか? もし「休み」だと捉えていたら「勉強はしなくて良いのでは……」と考えるはずです。インフルエンザによる2~3日の学級閉鎖であればそれでも良いですが、今回は期間が非常に長く、すでに3ヶ月ほどこの状態が続きました。そして、今後も何らかの形で家庭で過ごす時間が多くなることが予想されます。

休校や分散登校などにより生まれた家庭にいる時間は、「休み」なのか、それとも「家で勉強する時間」なのかを一度子どもと話してみることをおすすめします。子どもが「現在家庭にいる時間」を「学校で勉強をしている時間と同じ」と捉えることができれば、取り組みの姿勢も変わってくるでしょう。

ただ親の考えを押し付けるのでは、逆効果になる可能性があります。親は子どもが考えるきっかけを与えることが大事です。結果として、親の思っているような形にならなくとも、子どもが家庭で過ごす時間の意味を少しでも考えることが大切です。子どもが嫌々ながら勉強に取り組んでいる、というような精神状態にならないようにしていきたいものです。
 

家庭学習の質を高めるポイント3:学習のつまづきをフォローする

小学校の教員は、学級で一斉授業をしながら、個別対応もしています。例えば、算数の授業で、ある問題を提示し、皆が自分の力で問題を解いている時、教員は子どもの間を回りながら、それぞれの子に必要なフォローをしていきます。

例えば、九九の習得が十分でない子どもには九九表を渡したり、漢字が苦手で問題文の読み取りができていない可能性がある場合は漢字の読み方を教えてあげたりします。そういったフォローにより、その学習に取り組む前提を整えることができます。教師が何も関わらずとも自力でできる子どももいるのですが、そうでない子どももたくさんいます。

家庭学習でも学校で教師がやっているようなことを親が少しだけすることで、スムーズに取り組むことができるようになります。子どもが自力で取り組んで数分で諦めたり、集中が切れたりする場合は、何かにつまづいているケースであることが多いです。集中できないことを叱ったりするより、「どうしたの?」「何が分からないの?」と聞いてあげることで、つまづきを埋めることができるでしょう。


新型コロナウイルスの新規感染者が減り、通常通りに学校が再開されたり、分散登校が始まった地域もみられ、学校も少しずつ以前の状態に戻りつつありますが、完全に元通りの形になるには日数が掛かることが予想され、また第二波、第三波の不安もあります。家庭学習の取り組み方をこのタイミングで一度、考えてみてください。

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