亀山早苗の恋愛コラム

不倫3年…彼が突然別れを告げてきた、衝撃のウラ事情

「なぜ、今なの?」と思うようなできごとに、人は直面することがある。今ではなく、時間があるときに話し合えば、別の結論が出るかもしれない。だが、相手にとっては「今がいちばんいいとき」だったのかもしれないのだ。恋愛にはそうした理不尽がつきまとう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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いきなり別れのメール、どうしても納得できない

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「なぜ、今なの?」。そう思うようなできごとに、人は直面することがある。今ではなく、時間があるときに話し合えば、別の結論が出るかもしれない。だが、相手にとっては「今がいちばんいいとき」だったのかもしれないのだ。恋愛にはそうした理不尽がつきまとう。
 

3年もつきあってきたのに

職場の先輩である3歳年上の彼と3年つきあってきたマサヨさん(46歳)。3月末からふたりとも週2回ほどの出社となったが、時間をやりくりしてふたりだけの時間を過ごしてきた。

マサヨさんは結婚して16年、中学生の息子がひとりいる。自粛のこの期間、息子は自室で友だちとオンラインで会話をしたり勉強したりしているようだ。夫はもともとフリーランスでWEB関係の仕事をしており、打ち合わせ等で外出する機会は減ったが仕事は以前とそう変わっていない。

「夫は同い年ですが、穏やかでいい人です。前から家の中のこともよくやってくれるんです。息子とも男同士、いい感じで接しているようだし。特に不満はなかったんだけど、それが私にはいけなかったみたい」

彼女はバリバリの営業ウーマン。早朝から深夜まで仕事をし、取引先との飲み会では自ら宴会部長を買って出るような性格。刺激がなければ生きていけない。家庭が穏やかすぎて恋に走ったのだと自らを分析する。

職場の彼にも自らアプローチしたようなものだった。

「でも恋が始まってからは彼のほうが燃えていたような気がします」

彼にも家庭があるが、婚外恋愛は初めてだったようだ。在宅勤務が主になってからも、「会いたい、どうしても会いたい」と彼からよくメッセージが来ていた。

夫には早朝から出社だと言って朝からラブホテルへ行ったこともある。深夜にどうしても仕事のことで部下に会わなければいけないと外出したこともあった。

「会えば求め合っていました。コロナは怖いけど、彼に会えなくなるほうがもっと怖かった。彼もそう言ってくれていたんです」

感染したら互いの家庭に迷惑がかかる。だから細心の注意を払っていた。そして「これが最後かもしれない」という危機感を持ちながら会っていたのだという。

 

メッセージでいきなり別れを宣言

彼と会えなくなるのは、どちらかの家庭にバレて大騒動になったとき。それでもほとぼりが冷めたらまた会うことになる。離れられない関係なのだから。ふたりでときどきそんな話もしていた。

それなのに連休中のある日、彼からのメッセージで突然、別れを告げられたのだ。

「いつもの『おはよう』かと思ったら、『もう会うのをやめよう。いつ言い出そうか迷っていたけど、今がそのときだと思う』って。その2日前に朝からラブホに行ったばかりだったんです。どういうことかわからなくて、『悪い冗談はやめてよ』と返信しました。でも彼からはそれきり何も言ってこない」

2日後の出社のとき、マサヨさんは彼と顔を合わせるはずだった。だが彼は来ていない。どうやら家族に病人が出たらしいという話だった。

「コロナだったら大変だよね、と同僚たちが噂していました。でも彼から連絡が入り、同居している奥さんのおとうさんが倒れたということでした。私、そのとき彼が奥さんの両親と同居していることを初めて知ったんです」

彼とはお互いの配偶者について話したことはある。子どもの話もした。だが妻の両親と同居だったとは。自分は彼のことを何も知らなかったのかもしれない。

気落ちしながら帰宅すると、夫は彼女の大好きな餃子とチャーハンを作っていてくれた。夫は餃子の皮も自分で作る。チャーハンも中華料理店のものよりおいしい。

「夫はその日、やけにやさしかったんですよね。その数日後だったかな、夫が久しぶりに出かけて留守にしているとき、夫の部屋を覗いたらパソコンの電源が入っていたんですよ。そこでなにげなくメールボックスを見てしまった。というのも、夫は仕事は順調だと言っていたけど、どうも収入が激減しているみたいだったから、実は仕事がうまくいってないのに言えずにいるのではないかと気になっていたんです」

彼女がそこで見てしまったのは、職場の彼と夫とのメールのやりとりだった。夫は妻の不倫を知っていたのだ。そして彼にメールを送ったらしい。すべてのメールを見られたわけではないが、夫が彼に『彼女に別れを告げなければ、会社に言う』と脅していることはわかった。

「彼の別れのメッセージは、夫に頼まれたからだったんですね。愕然としました。とはいえ悪いのは私ですから、夫を責めるわけにはいかない。ただ、当事者である私を無視して男同士がやりとりしているのは非常に腹が立ちました。同時に、彼の恋愛感情はその程度のものだったのかとも思ったし、逆に夫の気持ちを考えると申し訳ないとも感じたし。いろんな感情が一気に噴きだしました」

あまりにいろいろな感情がわき起こったために、彼女は夫には何も言えなかった。彼女の出社のたびにおいしい料理を作ってくれ、笑顔で迎えてくれる夫がけなげに見えたり不気味に思えたりと、それ以来、夫への評価も定まっていない。

「今はあえて思考停止することにしました。生活が平常でないので、こういうときに何か考えてもろくなことにならない。もう少したって、出社日も増えたら彼とも会うことになるでしょう。時間がたてば夫の言動から何か探れるかもしれないし」

悪いのは自分だとわかっていても、自分の知らないところで夫と恋人がやりとりし、一方的に別れを告げられたことがどうにも不愉快でならないのはよくわかる。この先、マサヨさんの気持ちがどう変わっていくのか興味深い。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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