大きなストレスとなる、テレワークしながらの密室育児
テレワークと密室育児に大きなストレスを感じているママは多いでしょう
在宅勤務でも、本来は保育が必要であり保育園を利用したいところですが、自宅での勤務が可能な家庭は「なるべく自粛」から「自粛してください」と感染拡大につれて、自粛要請は強くなってきています。
そして政府は外出の自粛も要請していますので、在宅勤務に加え、密室育児も課せられます。ただでさえ乳幼児期の子育てはブルーな気持ちになることも多い中、テレワーク、密室育児と重なると、大きなストレスを感じておられる親は多いことでしょう。
このような現状をどのように乗りきれば良いのでしょうか。
先が見えない不安に、先ずは考え方を緩める
今の状況は、いつか必ず終わります。ですがその時期は未定で、数週間後かもしれませんが、1年、2年続くという意見もあります。先が見えないだけに不安は募りますが、イライラしたり、ネガティブな気持ちになり落ちこめば、状況は更によくない方向に進むでしょう。考え方を変えれば、私達がこの状況に慣れていくことも必要と言えます。そのため仕事や子育て、家事において「~すべき」や「~しなければならない」という考えを緩めておく方がよいでしょう。先ずは「~できればいいな」「~してもいいよ」と自分に語りかける気持ちでいましょう。
テレワークと密室育児を乗り切るには?
工夫1、時間とスペースの区切りをつける
では次に、どのような方法で、テレワークと密室育児を乗り切ればよいのか、具体的に説明をします。各家庭によって、可能な範囲は違ってきますので自分にあったものを取り入れられるとよいでしょう。
部屋の中に親の仕事のスペースと、子どもの遊ぶスペース、それぞれの居場所を作りましょう
家屋の状況によっては、難しい場合もあるかもしれませんが、ソファーやテーブルの位置を変える、おもちゃ箱を並べたり、カラーテープを貼って区切るだけでもよいので、親の仕事と子どもの遊びのスペースをはっきり分けましょう。子どものスペースには、絵本やおもちゃなど、興味をひくものを置いてあげください。
そして、言葉の意味の理解は未熟ですが、保育園をお休みしなければならないことや、ママが自宅で仕事をしていることを説明して「ママがお仕事をしている時、○○ちゃんは、ここで遊んでいてね」と目を見て、しっかり話してあげてください。
また、時間の区切りもつけましょう。自宅での勤務はどうしてもオンとオフの切り替えが、曖昧になりがちです。できれば子どもの保育園でのスケジュールに沿った時間配分で、仕事のオンとオフを決めるとよいでしょう。昼食や休憩の時間は、子どもとしっかり関わってあげてください。また、早朝、少し散歩に出るのもよいでしょう。
昼食の準備なども必要ですが、レトルトや冷凍食品も取り入れてください。これは手抜きではなく、今の緊急事態を乗り切る知恵ですので、上手に活用しましょう。
子どもスペースでの遊びも、最近は室内で遊べる室内用砂場も販売されていますし、牛乳パックでジャングルジムや滑り台、隠れ家のような子どもが喜ぶものも手作りできます。このように遊びの幅も広げていくといいですね。
工夫2、協力しあう、支援をお願いする
夫の勤務先もテレワークを実施している場合は、協力し合えるでしょう。オフの時間をずらし、ママ、パパ順番に子どもと遊ぶ時間帯を作るとよいでしょう。また家事の分担などもお互いの仕事との兼ね合いで、話し合って決めておくとよいですね。ただし、緩く決めることをおススメします。緊急事態の何かと不自由が多いこの時期、毎日、夫婦一緒に自宅にいると、どうしても意見のぶつかり合いも出てきます。ですので、「今日は、概ねこの分担、スケジュールでいけるといいね」くらいの気持ちの方がうまくいくでしょう。
そして、もし親に協力を得られるのでしたら、それもよいのですが、新型コロナウイルスの影響を考えると、高齢者には、出来る限り負担をかけたくないものです。
その場合は、厚生労働省が実施している「ファミリー・サポート・センター事業」の活用を検討するのもよいでしょう。これは地域において、育児や介護の援助を受けたい人と支援したい人が会員となり、相互援助活動に関する連絡、調整を行うものです。会員の登録や預かり場所など、具体的な援助内容については、各実施市区町村が窓口になります。現在、新型コロナウイルスの感染症対策に伴い、依頼会員が提供会員に支払った利用料を助成している市もありますので、窓口で尋ねられるとよいでしょう。
参考:子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)について:内閣府
工夫3、園、市窓口、勤務先などに相談する
どうしても、テレワークと密室育児が煮詰まった時は、保育園に相談してもよいと思います。また各市町村でも、新型コロナウイルス感染症の影響による子どもに関する相談窓口を開設している所がありますので、それらを活用するのもよいでしょう。
乳幼児を密室で育児しながら、在宅勤務するのですから、仕事が思うように進まず、効率も落ちるのは当然だと思います。それについては緊急事態ですので、勤務先もある程度の理解は示されるでしょう。それでも疲弊しきった時は、育児休暇の延長や、有給休暇の取得なども可能であるかなど、勤務先に相談するのもよいでしょう。
そして、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」を勤務先が導入している場合、その活用も考えましょう。
この「ベビーシッター派遣事業」とは、従業員がベビーシッターサービスを利用した場合に、支払うシッター利用料金の一部又は全部を助成する事業です。そして今回の緊急事態の休校により、内閣府はひと家庭当たりの利用可能範囲を増やすなどの特例措置を行っています。このような内閣府の取り組みも、知ったうえで、勤務先と話しをされるとよいでしょう。
参考:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和2年度の取扱いについて:内閣府
一人ひとりが自覚を持って社会を守ろう
人は、環境の変化にストレスを感じます。ですが、それに合わせ、順応していく力もあります。テレワークなどの在宅勤務と密室育児、親は本当に大変で、心身ともに疲弊しストレスを感じることでしょう。ですが切り口を変えて見ると、子どもの傍にいて、仕事ができるのです。子どもは外へ出れないストレスもありますが、大好きなママと一緒の時間が増え、嬉しさと安心を感じている面も大きいでしょう。
職種によっては、子どもと離れた状態でコロナウイルスの感染リスクも高い、最前線で仕事に従事している親もいます。それを思うと今、自分にできることを精一杯頑張り、乗り切る勇気も湧いてくるのではないでしょうか。
今は皆、不自由な事でいっぱいです。ですが、出来ない事を考えるより、しっかりとこの未曽有の有事を受けとめ、自分たちの社会は自分たちで守る意識を一人ひとりが持ち、乗り切った先の達成感を皆で喜びあうことを目指したいものです。