マンションエントランスで盛大に罵りあってしまった……

コロナで喧嘩

新型コロナウイルスの影響で、家にこもりがちな日々。自宅待機、リモートワーク、いずれにしてもストレスフルな状態が続いている。

 

夫が急に怒鳴りだして

マキさん(46歳)は、結婚して17年。高校生と中学生の子どもは休校。夫は自宅勤務、彼女自身はパート先から自宅待機を言い渡されている。

「子どもたちは人のいない場所で多少のストレス発散はしているみたいですが、夫と私はこの事態にイライラが募っています」

生活必需品のトイレットペーパーもいまだなかなか手に入らない。ところが2週間ほど前、夕食後にスーパーに行ってみると、たまたま荷出しの時間だったようでトイレットペーパーを発見。もちろんひとりひとつだ。

「夫に電話をかけて今すぐ来て、と。うち、本当にトイレットペーパーがなくて大変だったので、夫にも買ってもらおうと思ったんですよ」

夫は何かあったのかと駆けつけてきたが、用件がトイレットペーパー購入だったため、「くだらないことで呼びつけて」と激怒。

「くだらなくない、と私は反論。帰り道でも夫はずっとぐだぐだ文句を言っていて。自宅のマンションのエントランスに入ったとき、私が『買えてよかった、本当に』と言うと、夫は爆発。『オレのおかげで2つ買えたんだろ!』と。『私が電話したからでしょ』と私も怒鳴り返しました。今思えばつまらないことで怒鳴りあっていたんだけど」

エントランスにたまたま入ってきた近所の女性が目を丸くしていたというから、壮絶な怒鳴りあいだったようだ。

 

怒鳴りあえないつらさ

翌日、エントランスで目を丸くしていた近所の女性がマキさんを尋ねてきた。マンションの外廊下で、お互いにマスクをし、距離をとって話してみると意外な内容だった。

「彼女が言うには、彼女のところもご主人が在宅勤務になってイライラしてすぐ怒鳴るんですって。でも彼女は言い返せない。キッチンの隅で泣いてばかりいるそうです。そうしているうちにキッチンの隅でお酒を飲むようになってしまった、と。前の晩、私と夫が怒鳴りあっているのを見て、羨ましかったんですって。そんなこと言われてもねえ(笑)」

マキさんは、夫に怒鳴られてひたすら我慢している彼女に、一度でいいから怒鳴り返すだけの勇気をもてと励ましたそう。

「こんなときだから、ケンカになってもいい、お互いに言いたいことを言わないとますますストレスがたまるだけですからね。聞けばその彼女、元は職場の上司だった男性と結婚したんだそうです。当時の関係が今も尾をひいているのかもしれない。結婚して10年たつというから、もう上司と部下の関係を脱したほうがいい、そのきっかけが今なんじゃないのと話したんです」

つい数日前、また彼女と話す機会があったそう。なんと、夫が家を出て行ってしまったそうだ。怒鳴る夫に彼女が言い返し、壮絶なケンカになったのだが、夫はその勢いで家を飛び出し、「もう帰らない」と言っているということだった。

「私がよけいなことを言ったばかりにと彼女に謝ったら、『かえってすっきりしました。夫とはもともと性格が合わなかったのかもしれない』と、妙に晴れやかな顔をしていました。ご主人、今は会社近くのホテル住まいみたい。仕事にも行けるからかえっていいんじゃないかと彼女は笑っていました」

これからどうなるかはわからない。ただ、物理的に距離ができたことでお互いに冷静にはなれるだろう。

そもそも、妻が言いたいことを言っただけで夫が家を出て行ってしまうような関係は、夫婦としてあまり自然ではない。話し合いができない関係に発展はないのだ。

「彼女の話を聞いて、今度は私が彼女を羨ましく思いました。うちも物理的に距離を置きたいです。もう怒鳴りあうのも疲れて、今は無関心時期に入っていますけど」

世間には、こんな夫婦があふれているのかもしれない。
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