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株価大暴落後の日本経済、最悪のシナリオとは

あくまで新型コロナウイルスによる経済打撃は一時的です。そして何より見逃せないのが「世界が次々に金融緩和に乗り出した」という点。このことにより、不況以上に恐ろしいシナリオが待っているかもしれません。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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不況以上に最悪なことが起こる!?

新型コロナウイルスの影響で、株式市場は2020年に入ってから大暴落しました。もともと業績が振るわなかった会社の中には、この一件で止めを刺されたところもあるようです。
 
株式市場のパニックを抑えるため、世界各地の中央銀行が次々に金融緩和に乗り出しました。日本銀行もその1つで、大量の資金を市場へ流しています。
 
これらの事実を受け、「これから不況が来る!」と身構えている人が多いようです。僕もその一人で、不況に備えて家計の改善を企てているところです。
 
とはいえ、あくまで新型コロナウイルスによる経済打撃は一時的です。そして何より見逃せないのが「世界が次々に金融緩和に乗り出した」という点。このことにより、不況以上に恐ろしいシナリオが待っているかもしれません。 
 
不況以上に最悪なシナリオとは?

不況以上に最悪なシナリオとは?

 

金融緩和の基本方針は「利下げ」と「資金供給」

NHKの報道(1)によると、アメリカ、イギリス、中国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、韓国など、世界各国が次々に金融緩和へ乗り出しています。これらの金融緩和の基本方針は「利下げ」「資金供給」です。
 
「利下げ」とは、市場の金利を引き下げることで、企業や個人がお金を借りやすくすることを指します。また、「資金供給」とは、市場や企業、個人に向けて資金を供給することで、お金の巡りを改善する施策を指します。
 
利下げも資金供給も、いずれも景気悪化を抑制するための対応です。これらが上手くいけば、今回の経済打撃を最小限にとどめたり、新型コロナウイルス騒動が収束したのち、勢いよく経済を回復したりすることができるでしょう。
 

金融緩和が効かなかったらどうなる?

ただし、これはあくまで金融緩和が「上手くいけば」の話。上手くいかなかった場合、むしろ負の産物だけが残る可能性があるため、注意が必要です。
 
特に、個人に影響が大きそうなのが「資金供給」による影響です。資金供給の一部は「お金のばら撒き」です。お金がばら撒かれれば、自ずと貨幣価値は薄れます。そうすると、物価上昇(インフレ)が起きる可能性もあるでしょう。
 
景気が回復すれば最高ですが、回復しなければ景気が停滞するうえ、物価が上がる「スタグフレーション」を起こしかねません。これは最悪のシナリオです。収入が増えないうえ、物価も上がるとなれば、誰もが経済的に苦しむことになるでしょう。
 

インフレを乗り切る方法は?

残念ながら、インフレを乗り切る「万能な方法」や「確実な方法」はありません。とはいえ、不確実ながらインフレの影響を軽減できそうな方法はあります。
 
それは、株を買って収入を増やすこと。すなわち「株式投資」です。株式投資は万能ではありませんし、確実でもありませんが、銀行よりも高い利回りが期待できます。
 
一般に、株式投資の利回りは「年5%」ほどといわれます(2)。これだけの利回りがあれば、株式投資の比重を高めることで、インフレの影響を最小限に留めることができそうです。
 
「リスクを取るのは怖い……」という方もいるでしょうが、「リスクを取らず、インフレで損をする」のも同じくらい怖いことです。幸い、日本株はそれほど割高ではありません。ほどほどのリスクで、それなりの利回りが期待できるでしょう。
 
かくいう僕自身、世界の動きを見ながら徐々に株式を買い増ししています。経済が地殻変動を起こしている今、僕らは改めて資産運用の仕方を見直す必要がありそうです。
 
 
【参考】
 
  1. NHKニュース, "各国中央銀行 相次ぎ金融緩和 景気悪化を警戒", 2020年3月16日付(確認日、2020年3月31日)
  2. 論文:山口勝業, 2016, "株式リスクプレミアムの時系列変動の推計 --日米市場での62年間の実証分析", 証券経済研究, 93, pp. 103-111

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