亀山早苗の恋愛コラム

不倫相手に離婚してもらいたい女性の心理

不倫相手と結婚するつもりはないが、離婚はしてほしい。そう思う女性は少なからずいる。お互いに独身でないと「対等な関係」とは言えないから、そして「不倫している」とびくびくしながら恋愛するのが嫌だから。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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不倫相手と再婚する気はないけれど離婚してほしい......

不倫相手に離婚してもらいたい女性の心理

不倫相手に離婚してもらいたい女性の心理

 

不倫相手と結婚するつもりはないが、離婚はしてほしい。そう思う女性は少なからずいる。お互いに独身でないと「対等な関係」とは言えないから、そして「不倫している」とびくびくしながら恋愛するのが嫌だから。

10年近くつきあっているのだけれど

20代半ばで結婚、出産、離婚と波乱に満ちた人生を送ってきたアズミさん(45歳)。必死で働いて育ててきたひとり娘は大学2年生。学業のかたわら、水商売をして学費の一部を稼いでいる。

「親としては大学生の娘が水商売をしていると聞くと心が痛いけど、私自身もスナックやキャバレーで働いていたこともあるんです。娘が小さいときは、昼夜働かないとやっていけなかったから。私はお客さんと過ちを犯したこともあるけど、娘はしっかりしているから大丈夫かなと思っています。もちろん私の失敗談も聞かせていますから」

一方、彼女自身はここ10年近く、ひとりのパートナーとつきあってきた。宝飾店に勤めていた36歳のころ、仕事関係で知り合った人だ。

「7歳年上で、手広く手堅く商売をしている人。既婚ですが、娘が高校生になったころ紹介したことがあります。大学の入学金は彼から借りました。物心ともに助けてくれましたね」

月に数回、食事をしたりホテルへ行ったりしながら、いい関係を作ってきたと彼女は思っている。それでも、彼が結婚していることが彼女の心にはひっかかる。

「彼は仕事が忙しいし、その上、自由人。私自身も再婚したいとは思っていません。だからこのままでいいじゃないかと彼は言うんだけど、私はやはり離婚してもらいたい。妻のある人とつきあっているという事実が、どうしても後ろめたくてたまらないから」

彼の妻もまた、自分で事業を展開している女性で家事などはほとんどしない。だから彼が結婚しているのは、「妻に世話をやいてもらいたい」からではないのだという。

「週に1、2度家政婦さんが来ているみたいですね。家政婦さんが必要なのは奥さんのほう。彼自身は自分のものは自分で洗濯して器用にアイロンまでかける人だし、料理も自分でやってる。だからひとり暮らしになってもかまわない。それなのに離婚しないんですよね」

数年前、彼が離婚話を切り出したこともあるようだが、妻はひと言、「絶対に離婚はしない」と言い放ったらしい。その剣幕が怖くて、彼はその後、何も言えなくなったのだとか。

「だからといって、奥さんは彼を束縛するわけでもない。自分は自分で恋人がいるみたいだし。それでも離婚しないっておもしろいですよね。妻の座を誰かに明け渡すのがいやなんでしょうね、きっと。ただ、それを聞いて、私も燃えちゃって、どうしても離婚してと彼に迫っています」

妻の意地と、愛人の情熱がからみあったままの状態が続いているのだ。

自分だけ罪悪感を抱えたくない

どうしても彼に離婚してほしいのは、アズミさん自身がこれ以上、罪悪感をもちたくないからという理由と、もっとオープンな関係にしたいから。「不倫している」という意味では、彼が既婚者なのだから、彼により罪悪感が生じていそうなものだが。

「彼はまったく罪悪感などないみたい。私のほうが既婚者とつきあっていることでこそこそびくびくしている。娘には聞かれもしないのに、『彼はもうじき離婚するから』と言い訳してしまう。そういうことに疲れてしまったんですよね。友だちにも紹介できないような関係を続けていいとは思えない」

その一方で、彼と再婚する気がないのは、縛りつけたら反発する人だとわかっているから。ただ、彼女の心の底には、せめて婚姻届だけは出しておきたいとか事実婚であることを確認しておきたいといった気持ちはあるようだ。

「やっぱり、私と彼がパートナーであることを公にしたい気持ちが強いのかもしれません。結婚となると少し重いし、娘がいるから同居はしたくないけど、私たちはパートナーなんですということを周りに認めてほしいのかな。そのあたりが自分でもよくわからないんですけどね」

既婚者とつきあっている。その事実そのものが、10年つきあっていても彼女には疲弊する要因になっているのかもしれない。

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