亀山早苗の恋愛コラム

昨今の夫婦関係における妻たちの本音!?「うちの夫は使えない…」

「使えない夫」に、「あなたは使えないのだ」と認知させたがっている妻たちは少なくない。家庭を営む上で、どれほど使えないのか本人がわからない限り、自分の負担が減らないからだ。善し悪しは別として、それが今の夫婦関係における妻たちの本音のようだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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「使えない夫」と公言する妻たち

使えない夫

「使えない夫」に、「あなたは使えないのだ」ということを認知させたがっている妻たちは少なくない。家庭を営む上で、どれほど使えないのか本人がわからない限り、自分の負担が減らないからだ。善し悪しは別として、それが今の夫婦関係における妻たちの本音のようだ。

 

「トイレットペーパーがない」慌てる夫に愕然……リカさんの場合

コロナウイルスの影響で、デマだとわかっていてもトイレットペーパーを買い占めに走った人たちは多い。

リカさん(49歳)の夫はある日、「トイレットペーパーがあと2ロールしかない」と叫んだという。結婚して19年、いまだ自分の性格をわかってないのかとリカさんは愕然とした。

「私はもともと用意周到なタイプで、そういう消耗品はいつでも1、2カ月分は買ってあるんです。今回は、たまたま納戸から新しいのを出し忘れていただけ。でも、これを機会に、いかに私がちゃんと用意しているかを思い知らせてみたいと考えたんです」

そこで夫に、「わあ、大変。どこかで見つけて買ってきてよ」と頼んだ。たまたま土曜日で夫は休みだったので自転車で近所のスーパーやドラッグストアを回ったらしい。しばらくして、「どこにもないよ」と肩を落として帰ってきた。

リカさんは、「このままじゃどうしようもないじゃない、とにかくもっと遠くまで行って探してきて」と叱咤。夫は再び出かけていき、2時間ほどたってから手で戻ってきた。

「見つけられなかったという夫に、『ひとつやふたつ見つけてこられなかったの』と思わずつぶやいたら、夫が逆ギレ。『そもそも、おまえが買っておかないからいけないんだろ』って。あ、そう、同じように働いているのに家の消耗品の補充はいつから私に決まったんですかね、と嫌みを言ったら夫がドアを蹴飛ばして寝室に籠城したんですよ」

こんなことで口げんかをして不快な思いをするとは情けないと思った彼女だが、夫が家庭の細か
いことを妻任せにしていることを知らせるには、やはり今しかないと考えた。

高校生と中学生のいるリカさん一家、その後、トイレットペーパーは残りひとつとなり、そのひとつも使い始める。だが夫は何も言わなかった。

とうとうペーパーが切れたとき、リカさんは納戸から1ロールだけ出して補充した。それでも夫は何も言わない。

「ペーパーが切れたの知ってた? 夫にそう聞いたら、そうだっけと気のない返事。せめてどうやって手に入れたか聞くのが礼儀じゃないのかと私がキレました。夫はそれに対して『知らないよ。おまえがどうにかすると思ってたよ』って」

リカさんは呼吸を整えてから言った。

「思わず、舌打ちしながら『ったく、使えない男』と言ってしまいました。夫はぎょっとした顔で私を見ていましたね。今までそんなこと言ったためしがなかったので」

たかがトイレットペーパーと笑い飛ばすことはできない。家庭における妻の負担や努力、常に家族のことを考えている気持ちをまったく知らない、そして知ろうとしない夫は、こうやって妻に“淘汰”されていくのではないだろうか。

 

夫はこの家に本当に必要?……チフミさんの場合

「ときどき、夫はどうしてこの家に存在しているのかなあと思うことがあるんですよ」

そんな怖いことを言うのは、チフミさん(40歳)だ。結婚して8年、6歳のひとり娘がいる。

新婚で新居のアパートにゴキブリが出たとき、チフミさんがキャーッと言う前に夫がギャッと言って逃げた。退治しない限り眠れないチフミさんは、新聞を丸めて応戦、ついに仕留めたという。

「それ以来、夫は虫が苦手、高いところも苦手で脚立にものぼれないから電球も変えられないとわかってきて。この人には何も任せられないと思うようになりました」

産後、時間がなく体調も悪いときに、夫に食事の支度を頼んだらコンビニで弁当を買ってきた。炊きたてのごはんと梅干しのほうがずっとよかったと、チフミさんは今もそのときのことを恨んでいる。

つい先日、彼女がインフルエンザにかかったとき、夫は「うつされると困るから、しばらく会社に泊まる」とメッセージを携帯に送ってきた。そして実際に帰ってこなかった。娘にうつさないよう、彼女は細心の注意を払って生活したそうだ。

「5日ほどして夫が帰ってきたとき、『あなたみたいな使えない男は、もう帰ってこなくていい』と怒鳴ってしまいました。夫は一家全員、インフルにかかるよりはいいと思って……と情けない顔をして。本気でそう考えて、それがベストな選択だったと思っていることが怖いですよね。だったら私を隔離するか、娘を連れてどこかに避難すべきでしょう。いつも自分が逃げる方向に行くのが卑怯なんです」

夫はチフミさんの逆鱗に触れないためにはどうしたらいいかがわかっていない。とても簡単なことなのにと彼女は言う。

「思いやりと想像力を持って接するだけ」

それができない“使えない夫”を、どうしたら“使える夫”に変えられるのか、あるいはさっさと見切りをつけたほうがいいのか。チフミさんは日々、悩んでいるという。
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