将来的に結婚し、家庭を築くまでに必要な資産を用意できるか不安

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、今後の貯金や資産運用のことで悩む28歳の会社員男性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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長男のため将来的には関東圏の実家に戻るつもり

奨学金の返済があり、余裕ができてくるとつい浪費してしまいます


■相談者
PS.555さん(仮名)
男性/会社員/28歳
関東/借家
 
■家族構成
一人暮らし
 
■相談内容(原文まま)  
将来の金銭的不安からご相談させていただきます。これまでほとんど貯金をしてこなかったのですが、周囲の友人たちが結婚し始め、自分もいつかはしたいと一念発起し、将来の資産形成に取り組んでいきたいと考えております。
 
主な支出としましては、趣味・教養・娯楽費として、フィットネスジム会員費(週3~4回)、ライブ代(9000円)です。また、年に数回は国内旅行に出かけています。また、現在所有している車が20年落ちの車両のため、5年後くらいに買い換えを見込んでいます。
 
貯蓄するために、これまでにスマートフォンの契約先を格安SIMに変更したり、外食中心だった生活を見直し自炊したりしておりますが、奨学金の返済があり、また余裕ができてくるとつい浪費してしまいます。将来的に結婚し、家庭を築くまでに必要な資産を用意できるか不安です。他にも投資や資産形成に有効な方法や改善策があれば、ぜひともご教示いただけないでしょうか。

 
■家計収支データ
相談者「PS.555」さんの家計収支データ

相談者「PS.555」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)車両費について
内訳:ガソリン代、車検代12万円及び、自動車税を月数按分。車の買い換えには、200万円を見込んでいます。
 
(2)ボーナスの主な使い道について
貯金30万円、旅行10万円、ライブ3万円、残額は突然の支出や車両が旧式のため修繕費として普通預金へ。
 
(3)お勤め先について
将来、実家に戻った場合も、実家は関東圏なので勤め先が変わることはないと考えております。
現行の退職金規程であれば、1000万円程度は受領できる見込みです。
 
(4)保険について
車の保険のみ。自身での医療保険等は加入しておらず、両親が医療共済に加入してくれています。
 
(5)趣味娯楽費について
ライブ代9000円、フィットネスジム会員費1万1000円
 
(6)毎月の貯金について
職場の私学共済に加入しており、積立を行っています。これから月額3万円、ボーナス時30万円に引き上げる予定です。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 貯蓄が継続できれば、何の心配もいらない。車の買い換えは早めに
アドバイス2 貯蓄の流動性には注意。投資は5年後からでも十分
アドバイス3 車の維持費の見直し、生命保険への加入は子どもができてからでOK
 

アドバイス1 貯蓄が継続できれば、何の心配もいらない。車の買い換えは2年後でも

一生涯でお金の貯めどきは3回あります。独身~結婚して子どもができるまで、子育てが一段落して手がかからなくなってから、子どもが独立してリタイアするまでの3回です。PS.555さんは、今が最初の貯めどき、です。資産形成に取り組むという決意、ぜひ実行してください。
 
現在の収支データを拝見すると、収支差は約2万円。4月から毎月3万円に増やすとのことですね。趣味娯楽費、交際費あたりを調整して、ぜひ毎月3万円の貯蓄をがんばってください。ボーナスからの貯蓄は現在30万円で、これを60万円に増額するとのことですが、もうひとがんばりして、80万円を貯蓄するようにしてはいかがでしょう。ボーナスの使い道を拝見すると、車のメンテナンス費用がかかるとはいえ、旅行やライブ代などに使ったとしても、多額の使途不明金があります。年間130万円のボーナスから80万円を貯蓄に回したとしても、50万円は自由に使えます。これで不足するようでしたら、使い道を見直す必要があります。そのあたりはいかがですか?
 
毎月3万円で年間36万円。これにボーナスから80万円で合計116万円が1年で貯められるお金です。これは、PS.555さんの家計収支であれば、必要以上に節約などせず、無理なく貯められる金額です。
 
2年後には、現在の貯蓄と合わせて322万円が貯められていることになります。車の買い換えを5年後とされていますが、2年後でもいいのではないでしょうか? 予算200万円の範囲で現金一括購入して、いったん貯蓄額が減ったとしても、毎年116万円の貯蓄が継続できれば、何の心配もいりません。
 
予定どおり5年後に車の買い換えをするとしたら、その時点での貯蓄額は670万円(116万円×5年+90万円)ですから、現金一括で購入しても470万円残ります。ひとまず、これだけあれば、結婚して新生活を始めるための資金としては十分ではないでしょうか。そこからは、パートナーと一緒に貯蓄計画を立てていかれればいいでしょう。
 
奨学金の返済は8年後にはなくなりますね。返済分も貯蓄に回せば、これ以降は、どんどん貯まっていくことになります。余裕ができたからといって、くれぐれも浪費しないように注意してください。
 

アドバイス2 貯蓄の流動性には注意。投資は5年後からでも十分

浪費グセがある、ということですから、給与から天引きされる私学共済の積立貯金は、いい選択だと思います。ただ、確認してほしいのは、流動性です。流動性というのは、使いたい時にすぐに引き出すことができるか、ということです。私学共済の払い戻し、解約は毎月1回のみだと思います。当面、まとまった金額になるまでは、あえて引き出しにくいことで、歯止めになるでしょう。ただ、今後、車の買い換え以外にも、突発的な支出があった時に、対応しづらいことが気になります。
 
毎月の貯蓄は共済の積立貯金、ボーナスからの貯蓄は、銀行の定期預金を利用するなど、預け先を分散させることも検討してみてください。現在、ボーナス時に30万円を共済で貯蓄していますので、新たに追加する50万円は比較的金利のいい、ネット銀行の定期預金を利用するのもいいのではないでしょうか。
 
また、資産形成において大事なのは、無理なく長く続けることです。積立投資として、個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAがありますが、PS.555さんは、5年後ぐらいからスタートしても遅くはないでしょう。まずは、車の買い換え、奨学金の返済を優先し、300万円程度の現預金が貯められてからにしてください。資産形成は、若いうちから始めた方が、リスクを軽減することができますが、一定の預金がないうちから始める必要はありません。定年退職まで続けていくことですから、今は、時間をかけて、制度の理解を深めておくようにすればいいでしょう。
 

アドバイス3 車の維持費の見直し、生命保険への加入は子どもができてからでOK

最後に、保険についてです。現在加入の医療共済は、そのままでいいでしょう。結婚して子どもが生まれたら、定期保険で必要な保障を確保するようにしてください。それまでは、このままで大丈夫です。
 
もうひとつ、車の保険です。年間で8万円強の保険料となりますが、車両が旧式ということで、やや割高になっていると思われます。車の燃費、車検代、メンテナンス費用がかさみ、自動車保険の保険料も考慮すると、やはり、早めの買い換えがいいように思います。車関係費が抑えられれば、その分、貯蓄も増やせます。
 
今現在、ボーナスの使い道以外、それほど家計に無駄はありませんので、計画どおりに、貯蓄を継続していくことだけ、がんばってください。
 

相談者「PS.555」さんから寄せられた感想

細やかなアドバイスありがとうございます。結婚と今後の生活への経済的不安が解消できたように思います。ひとまず予定している貯蓄体制を維持できるよう努めたいと思います。投資ができる一定額まで貯蓄するために車の買い換えを遅らせようとしておりましたが車両買い換えを前倒ししたほうが良いとのことでしたので参考にさせていただきます。また、一番不透明だった保険加入の時期と資産形成の開始時期についても指針となる具体的なアドバイスをいただけて良かったです。この度はアドバイスくださいましてありがとうございました。


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など




取材・文/伊藤加奈子


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