子育て

高収入で子煩悩!誰もが羨む夫を妻が受け入れられなくなった理由

「お金があれば結婚生活は幸せか?」問題はいま「幸せである」の意見が優勢のように見えます。年収数千万の夫の存在を「ハラスメント」と思うようになった妻には、どんないきさつがあったのでしょうか。

斎藤 貴美子

執筆者:斎藤 貴美子

子育てガイド

「お金」は夫婦関係のすべてを解決できる?

「お金があれば結婚生活は幸せか?」問題はいま、「幸せである」の意見が優勢のように見受けられます。このテーマに、「そうかもしれないが、夫の存在自体がハラスメント」と訴えるのは結婚8年目で二児の母でもあるきよみさん(39)。夫は某大手企業につとめるエグゼクティブで年収は数千万円のイケメンです。

きよみさんは、1年ほど前、夫の海外赴任から一緒に帰国し、現在は専業主婦で首都圏に住んでいます。一見、世の女性がうらやむ生活を送っているように見えますが、その裏側には夫のDVや不貞行為がありました。
 

酒で豹変する夫 

二重人格かと思うほどの豹変ぶり。

二重人格かと思うほどの豹変ぶり


ガイド:旦那さんとは恋愛結婚ですよね。なぜ「存在自体がハラスメント」とまで思うようになったのでしょうか。

きよみ:結婚当初は私のことをとても大切に扱ってくれましたが、小さな失態エピソードが積み重なったり、彼女の存在を知って、限界に近くなってきたからだと思います。

本当はお酒が弱いのに、飲んで酩酊して、タクシーの無賃乗車で警察に注意を受けたり、私に暴言を吐いてモノを投げたりと数え切れません。私を殴ったりしませんが、妊娠中に壁を殴って穴をあけたこともあって、そのときは産んだら離婚しようと思っていました。

ガイド:暴言を吐くこと、モノにあたるのもDVですよね。離婚しなかったのはなぜでしょう?

きよみ:仕事が忙しいながら、子どもの世話はしてくれたからです。上の子のときは、お風呂に入れたりオムツを替えたりしてくれて、子どももパパのことが好きになっていて。一時、「死んでほしい」と考えたこともありますが、今はそこまでではありません。「絶対死なないでほしい」とも思っていませんが(笑)。今現在は離婚はしたくないと思っています。

ガイド:なぜ今は離婚をしたくないのですか。

きよみ:まだ子どもが小さいのと、離婚をしても夫だけが自由になってハッピーになるからです。平日は仕事をして、土日に大好きな子どもたちに会って、金にものをいわせて子どもにおもちゃを惜しみなく買い与えて、子どもたちはパパが一層好きになるという構図が想像できます。

それに対して私の場合は、離婚したら、親権と養育費をもらって、フルタイムで働くことになる。でも私は家事を手抜きできないので、両方しっかりやろうとして無理が出てくるでしょう。そうなると、私だけ疲労する気がしています。私は結婚を解消したら、自分を受け止めてくれるパートナーが欲しいと思っていて、そんな余裕もなくなると思うので。
 

オープンマリッジを提案した結果……

ガイド:「パートナーが欲しい」というのはどういう意味でしょうか。

きよみ:心身の拠り所になる存在がほしい、ということです。私たちには子どもが2人いますが、2人目は計画妊娠です。セックスレスが続いていたので、夫にはスキンシップがないとさみしいという旨を伝えていました。でも夫からは「女として見られない」と拒否が続いたので、苦しかったですね。そのほかに子どもについていろいろあったことも重なって、心労から倒れました……。結局、夫へはオープンマリッジを提案しました。

ガイド:「オープンマリッジ」とは、ひらたくいうと、夫婦以外に肉体関係をもっても不問にする関係のことですよね?

きよみ:そうです。夫はしぶしぶOKを出してくれたのですが……、夫がまっさきに彼女をつくりました。

ガイド:オープンマリッジの権利は、夫婦に平等にあるのですよね?

きよみ:ありますが、夫と私では条件が違っていて……。私はいわゆる駐在妻だったので、オープンマリッジとはいえ、誰かと肉体関係を持てば、すぐさま狭いコミュニティに筒抜けになってしまいます。だから実際にはできません。でも夫は出張先で女遊びができて、隠そうと思えば隠せる。そもそもこの提案は、夫が私を女として受け止められないなら、せめて心だけは自由になりたい、カゴの鳥状態から解放してもらいたいという意味での提案で、夫もそれを分かっていたはずです。

ガイド:辛いですね……。これまで旦那さんは、きよみさんの気持ちに寄り添うことはあったのでしょうか?

きよみ:……気持ちを受け止めてもらったり、寄り添ってもらったことはあまりなかったと思います。自分でも「人の気持ちは分からない」と言って、結婚後数年で私に対して恋愛感情はないと言っていました。夫には「フツーの人間ならこう思うよね」ということが伝わらないし、発した言葉が相手をどれだけ傷つけるかが分からないんです。見た目とノリが良い「外面王子」なので、今まではそれで不便がなかったのでしょうね。

ガイド:だいぶ辛かったと思いますが、今も沈んだ気分ですか。

きよみ:家族のメイドみたいになっている自分に負い目があったのですが、誰も褒めてくれないなら、自分で褒めてあげようと思いました。ちょうどその時期、知人の仕事を手伝い始めたら、「助かる」や「ありがとう」と言われてとてもうれしかった。私は周りが楽しんでくれると自分も楽しくなるタイプなので、自分は必要とされているんだな、と生きがいを感じました。

ガイド:きよみさんにとって理想の夫婦像とはどんなものですか。

きよみ:『らいおんはーと』(SMAP)の歌詞のように、奥さんのことを一番に好きな旦那さんが理想です(笑)。いまオープンマリッジはうやむやになっていますが、日本に帰ってきてから昔からの友人に会ったり、実家に行ったりして少しずつ気持ちが回復しています。これからは、視野が広がるかもしれませんね。
 

確かにお金があると暮らしには困らないけれど……

夫についていき赴任先で暮らす駐在妻は、生活そのものが夫に紐づき、自主性が制限されてしまう立場にあります。きよみさんは当初、慣れない海外でワンオペで二児を育てながらも、夫を心からサポートしたいと願っていました。ところが夫に妻として受け止められなければ、膨大なストレスを感じることが想像できます。

結婚生活にお金があれば、毎日の生活には困ることがないため、それについては幸せというべきでしょう。ただ、その経済力が夫だけにある場合、妻が従属せざるを得ない弱い立場になることもあるのだと伺えます。生活が保障されている利点と、感謝をされず「家族のメイドのよう」に暮らし続けてきた人は、どちらに重きを置くのでしょうか。

インタビューの最後にきよみさんは「別居して実家で暮らそうかな」とおっしゃっていました。
夫と距離をおくことで、生活するためのお金と心持ちとの折り合いが見えてくるかもしれません。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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